2019年で準備を終え2020年から具体的に動き出す
では、イオンは何をしていくのでしょうか。ベースとなるのは、発起組織のWRIが提唱する「目標設定・算定・行動」の取り組み手法です。例としては、イギリスのテスコが27社のサプライヤーとともに行った実験を参考に、イオンと参加各社がそれぞれの課題を踏まえ、具体的な取り組み内容を決定していくとのことです。
もちろん各社はこれまでも、独自のやり方でフードロスの取り組みを進めてきました。たとえばイオンだけでも、グループ内で食品廃棄物を堆肥にして自社農場で活用したり、賞味期限表示の「年月日」を「年月」化したり。この取り組みを拡大、強化することで、同社ではSDGsの目標を5年前倒した2025年までに半減することを目指しています。
また、イオンは廃棄問題で話題になりがちな恵方巻の対策にも、いち早く取り組む方針を発表しました。今季はハーフサイズの恵方巻きを従来の3種類から13種類に増やし、「食べきれない問題」にアプローチ。また、恵方巻の予約開始日を2週間早めて予約の量を増やし、店頭での廃棄を減らす方針です。
2020年以降の「10×20×30食品廃棄物削減イニシアティブ」の日本プロジェクトとしては、ワークショップを実施して算定や削減の戦略を立案。またサプライヤーとのQ&Aセッションを定期的に行いながら、⼀次⽣産から取り扱い、貯蔵、加⼯、流通、そして消費段階までを含めたサプライチェーン全体での協働を目指すとか。今回はイオンの取り組みを中心に紹介しましたが、同社の取引先である、大手食品企業の活動にも注目していきたいと思います。