JTのなかでも歴史深い銘柄である「ピース」。100%バージニア葉由来の華やかな香りや普遍的なデザインなどから愛好家も多く、公式イベントには多くのファンから申し込みが殺到します。
今回はそのひとつ、昨年開催された工場見学ツアーを取材。ピースがどんな場所で、どのように作られているのか。その現場レポートとともに、“見て学ぶ”以上の魅力をもったツアーの一部を紹介します。
ピースは日本のデザイン界における歴史的な産物
北関東工場は、宇都宮駅から専用バスで約30分。到着して最初に待っていたのは、工場の概要説明や工場ブレンダーによるピースの紹介。商品特徴や開発経緯などを資料とともに学ぶもので、ビックリするようなうんちくも聞くことができます。
たとえばデザインの話。これは商業デザイナー、レイモンド・ローウィ氏によるもので、内閣総理大臣の月給が11万円だった1952年当時、150万円という高額なデザイン料だったとか。
とはいえこの新デザインのピースが発売されるやいなや、売り上げは、前年同月に比べ3倍になり、商業デザインの成功例としていまでも語り草に。また、その濃紺地は「ピース紺」という名称の色調として採用されるなど、日本のデザイン界における歴史的な産物なのです。
また、ピースの味わいに欠かせないバージニア葉をはじめとした、たばこ葉の種類についての話も。バージニア葉は、その名の通りアメリカ・バージニア州がルーツ。数あるたばこの葉のなかでも糖分を多く含み、最も香りが豊かであることから上質といわれるものです。
ピースに使われるものは、JTのバイヤーがベストのものだけを吟味。原料工場で葉脈などを除く除骨作業をしたあと、圧力をかけて専用ケースに詰められ、貯蔵庫で約1年ほど熟成し、より豊かな香りとなるのです。
世界最高水準の生産技術がここに
休憩をはさんだあとは見学用の衣服に着替え、いよいよ工場の内部へ。印象的だったのは、圧巻のスピードで作業が進められ、またそこにある圧倒的なたばこの本数。筆者が見たのはほんの一部でしたが、ここでは1分間に1万6000本のたばこが巻かれ、約30万本の貯蔵能力があり、1分間に800個ものたばこのパックが生産されているそうです。
興味深かったのは、どのようにしてたばこが巻き上げられ、カットと梱包されていくのかの解説。これはまず、1本の長いたばこを巻いたあとに2本ぶんずつの長さに切断。茶色の「チップペーパー」を巻いてからその中央部分をカットすることで、2本のたばこになるというものです。
見学は約1時間。その後参加者は記念撮影を行い、着替えて最新のピースの先行テイスティングへ。味わったのは、2020年1月29日から数量限定で発売される「ピース・リトルシガー」です。
リトルシガーは紙巻きたばこや葉巻の中間に位置するようなカテゴリーで、香り高さが特徴。味わってみると、まろやかで華やかなアロマと、ほのかな香ばしいニュアンスが印象的でした。
五感で堪能する贅沢なディナーも
その後は工場を出て、参加者はバスでディナー会場へ移動。そう、この見学ツアーは、ピースとともに絶品料理と美酒も楽しめるというのがクライマックスなのです。
提供された料理は、前菜からデザートまでのフレンチフルコース。ワインをはじめとするマリアージュに適したドリンクとともに、様々なピースを嗜みながら歓談するという至福のディナーです。
前菜の「自家製スモークサーモン キャビア添え」にはじまり、デザートの和栗のモンブラン ヴァニラアイス添え」まで全7皿。自然と調和する心地よい空間美、料理の味や食感、楽器が奏でる音色、そしてピースの華やかな香り。まさに五感で堪能する贅沢なひとときがここにはありました。
今回のツアーは、事前抽選で選ばれた7組12名のピース愛好家が参加しましたが、ピースのブランドサイトでは不定期に今回のような催しをはじめ、様々なイベントの応募を行っています。ファンの人はぜひ申し込み、贅沢かつ貴重な体験を!