【プル期にできること 1】
Amazonのほしい物リストを活用する
Amazonでは、被災者に必要なものを届けられるよう、「ほしい物リスト」の活用をしています。
「被災者は、Amazonにある『ほしい物リスト』に必要な物資を登録しておきます。支援者がそれを購入すると、被災者に荷物が届けられるという仕組みです。被災者が必要だと思うものを届けることができるので、送ったけれど不要だった、使えないものだった、などということがなく、物資支援としては理想的な形でしょう。
最近では千葉で起きた台風被害で、壊れてしまった屋根に貼るブルーシートを千葉市がほしい物リストにアップしていました。すると当初必要としていた100枚を大幅に上回る900枚の支援の申し出があったそうです。必要なものを必要な量だけ支援できると、使わなかった支援物資の片付けなどの余計な労力もかかりません」(四登さん)
【プル期にできること 2】
クラウドファンディングに参加する
災害が起こると、その地域の生産物が出荷できなくなったり、風評被害を受けたりすることがあります。被災地に暮らす生産者が行うクラウドファンディングで、出荷できなくなった生産物を購入する支援の方法があります。
「たとえば2018年に発生した西日本豪雨は、愛媛県宇和島に甚大な被害を及ぼしました。出荷を待っていた柑橘類をダメにしてしまっただけでなく、土砂崩れによって苗も機械も失った農家も多く、再建には長期的な支援が必要でした。
復興を願った寄付集めにクラウドファンディングを使ったところ、わずか十数日で500万円の寄付がありました。また、長野の台風19号被害でも、出荷できなくなったりんごをリターンするなどしていました。支援するだけでなく、現地の状況も知ってもらうことができ、また、継続してファンになってくれることで、復興につながっていくのです」(四登さん)
災害支援は、災害が起こったときだけでなく、復興に向けて長期的に関心を持ち、支援していくことが大切です。離れていても被災地のためにできることを実行してみましょう。
【プロフィール】
一般社団法人RCF 防災・災害対応チームリーダー / 四登夏希
大手総合商社を経て2017年よりRCFに参画。内閣府事業における防災システムの開発、休眠預金を活用した台風災害支援、災害対応研究会等の事業を担当している。この一般社団法人RCF は、2011年4月、震災復興のため「RCF復興支援チーム」として発足した団体。現在は復興や社会課題の解決に向け、大手飲料メーカーや外資系金融企業など、多様な企業、自治体および省庁とともに、社会事業を企画・推進している。