ライフスタイル
2020/8/11 18:00

家まるごと設定! 朝起きてから夜寝るまで「スマートスピーカー」で“つながる”家

「ただいま~」と帰宅したとき誰もいないのに照明とテレビがつき、カーテンは開き、エアコンも運転を開始する。この数年で広く認知された「スマートスピーカー」なら、リモコンを探すことなく、こうした利便性の高いライフスタイルを叶えてくれます。しかし実情として、普及率はいまいち。その原因のひとつに、機器設定のハードルが高いという理由があります。

 

ただロボット掃除機、冷蔵庫、空気清浄機、スマート照明、テレビなど家電メーカー側はスマートスピーカーと連携する製品を数多くリリースしており、住宅メーカーもIoTを取り入れるべく参入していますが、やはり一般に広く普及するには至っていません。

 

そこで住宅メーカー大手のダイワハウスはこのような問題を解決したうえで、もっと豊かな住環境をもたらすべく、代表的なスマートスピーカー「Google Home」の日本発売(2017年10月)の直後に、さまざまな住宅設備や家電がつながることでより一層、豊かな暮らしの提供を目指すコネクテッドホームブランド「Daiwa Connect(ダイワ コネクト)」を発表。2018年1月から顧客への提案を開始していますが、実際にこうしたIoT技術を住宅空間に導入している浜田山展示場を訪れ、スマートスピーカーによって得られる“新しい生活様式”について取材してきました。

 

スマートスピーカーとは?

「アレクサ、音楽をかけて」「OK グーグル、テレビをつけて」などなど、スマートスピーカー最大のメリットは物理的なリモコンに頼らず、声だけで家電製品をコントロールできる点にあります。インターネットと接続すればSpotify等の音楽サービスを流したり、家電とつながることで電源をオンオフしたりといったことが可能。メーカーは各種あり、現在は「Google」と「Amazon」の販売するスマートスピーカーが主流です。

【関連記事】
“声で操作”がこれからの常識!「スマートスピーカー」は暮らしをどう変える?
Google Homeユーザーが「買ってよかった!」と実感したこと
7台を駆使するヘビーユーザーが出した、スマートスピーカーがある“便利な暮らし”の答え

 

最新のIoT住宅で体感する「つながる」便利さ

そこでダイワハウスの取り組む「Daiwa Connect」は、普通のスマートスピーカーと一体何が違うのでしょうか?

 

「『Daiwa Connect』では、複数の住設機器をシナリオ(シーンに応じた一連の動き)で一括制御して、暮らしのシーンとしてIoT機器を連携・動作させることが可能です。また新築時に一緒に導入することで、あらかじめ初期設定や、シーンなどの設定も当社で行いますので、難しいことはありません。また、IoT向けに接続可能な機器だけでなく、赤外線リモコンのみに対応している機器も、赤外線コントローラーで操作が可能です」と話すのは、大和ハウス工業 住宅事業推進部 営業統括部 事業戦略グループの古賀英晃さん。

 

そもそもスマートスピーカーは主に家電メーカーが連携するイメージなのに、なぜハウスメーカーであるダイワハウスが本格導入しているのでしょうか?

 

「まず、スマートスピーカーに代表されるIoT技術は、設定が難しいというハードルがあります。そして個々の家電を別々に設定しなければならない。その高い壁を乗り越えてまで導入するメリットが感じられないため、スマートスピーカーは普及率が低いのかなと。そこで我々はハウスメーカーの視点から、IoTを“生活を快適にする手段”としてとらえ、生活シーンに応じたパッケージングをしてご提案することにしたんです」(古賀さん)

 

話の通り「Daiwa Connect」では、生活シーンによって一括制御できる声のコマンドなどを設定しています。つまりリビング、寝室、趣味部屋といった場所に合わせて、それぞれの家電を声によって一括管理できるということ。これによりエンタメ、防犯、家事炊事がスムーズに行えるようになります。これら一切の設定から機器の導入までを新築の状態から使用できるところに、ハウスメーカーとしてのメリットがあると言います。

↑主に使用しているスマートスピーカーはGoogle社製。その理由は、日本語対応における音声認識技術に優位性を感じたことに加えて、Google社の各種サービスの利便性、スマートホーム機器への対応力などを総合的に加味して決めたとのこと

 

家電操作をまるごとお任せ! 家電につながる

では実際にどのようなコントロールが可能になるのでしょうか? 「Daiwa Connect」による具体的な生活シーンの提示は8つ。

 

外出先からスマホで自宅の様子がわかる「おうちモニタリング」、同じくペットの様子を確認できる「ペット見守り」、宅内でエアコンや照明といった家電を操作する「部屋ごと一括操作」、玄関ドアの遠隔施錠や不審者の検知をする「長期不在モード」、外出先から部屋の温度やお風呂のお湯を張る「帰宅準備モード」、複数の家電を同時に操作する「LDKらくらくモード」、就寝・起床時の家電をコントロールする「寝室らくらくモード」、一声で映画館のような空間を実現する「シアターモード」となっています。

 

そこで実際に展示場で声掛けして家電をコントロールしてみましたが、どれもスムーズに動作。リビングで「OK グーグル、朝の準備をして」と言うと、カーテンが開き、エアコンがオンになり、全ての照明に明かりが灯ります。

↑暗い部屋に光が差し込み、素敵な朝のリビング模様に

 

↑もちろん個別に「〇〇の電気をつけて(消して)」と話しかければオンオフが可能です

 

↑全自動ロボット掃除機「ルンバ」も「掃除して」の声一つで掃除を始めます。また照明・テレビ・カーテンのオフと連動する「行ってきます」の呼びかけでも作動

 

↑「シアターモードにして」というと、窓側のシャッターと全カーテンが電動で閉まり、照明もオフになりスクリーンが降りてきます。そしてプロジェクターがオンになり、映画館のように映像が楽しめます

 

↑こちらで使っているのは「Google Nest Mini」。コンパクトながら音声入力の精度は遜色なく、こうした個別の部屋に向いています

 

外出中も安心! 家族と家を見守る

コネクテッドホームを導入することのメリットに、前述した“家族の見守り”があります。「おうちモニタリング」と「ペット見守り」がそれにあたり、どちらも外出先からスマホで子ども・ペットの様子を知れるうえ、不審者などの侵入もセンサーで検知。「長期不在モード」では、在宅を装う照明オン/オフのタイマー設定もあり、IoTが家を守ってくれる仕組みになっています。

 

“名もなき家事”も減り家族のコミュニケーションが増える家

また昨今、世界に蔓延する新型コロナウイルスの影響により、ライフスタイルの変化を余儀なくされています。家族が家で過ごす時間は長くなり、それに伴い家事の負担も増大しており“名もなき家事”に代表される細々とした業務は増える一方。しかし、こうした世界情勢にコネクテッドホーム技術はマッチするものだと古賀さんは言います。

 

「『Daiwa Connect』プロジェクトでは、複数のIoT機器が有機的につながり、AIを活用して家庭内で得られたデータから新たなサービスを提供することで、「高齢世帯の増加」「共働き世帯の社会進出」「自然災害」など国内の住環境の課題解決を目指します。現在、高齢世帯の見守りや機器連携でのシーン操作で、共働き世帯の家事負担軽減などを提案しています。アフターコロナの世界では、在宅勤務が増えると予想され、これに対して6月にテレワーク提案をリリースしましたが、今後はIoT機器も連動したテレワーク提案も検討できればと考えています」とのこと。

 

イエナカ時間を有効に活用するべくIoTが家事負担を減らし、その分を家族のコミュニケーションに当てられる家になるのです。

 

「Daiwa Connect」で変わる暮らし

誰にでも使いやすく、導入のハードルも低いスマートスピーカー生活によって家庭内の課題を解決し、家事シェアをして個々人の負担を減らした分だけ、豊かな家族の時間を生み出していく。そんな生活を叶える「Daiwa Connect」のニューノーマルな暮らしは、何かが大きく変わるわけではありません。しかし、家事を便利に、家族を見守り、エンタメも楽しめるコネクテッドホームが拓く未来は、確実に今よりも過ごしやすい毎日を提供してくれるはずです。

 

【Information】

ダイワハウス 浜田山展示場

所在地=東京都杉並区高井戸東3-16
Tel=03-3333-3821
https://www.daiwahouse.co.jp/jutaku/tenji/tenji.html?cd=1144

 

※ Google Home は、 Google LLC の商標です。