ライフスタイル
2021/1/12 19:00

インテリアの基本は照明にあり!部屋を癒し空間に一変させる間接照明の取り入れ方

【寝室】どの程度の明るさが必要か考えてみる

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リビングや書斎、キッチンなどでは、作業をする上で、ある程度の明るさが必要になるかもしれません。では、寝室にはどのくらいの明るさが必要か、考えたことはあるでしょうか?

 

「寝室は、枕元でちょっと時間を確認したり、寝る間際に本を読んだりするために明かりが必要な方もいらっしゃいますが、煌々(こうこう)と部屋全体を明るくする必要はありませんよね。ここにも天井照明をつけるフックはありますが、オブジェを飾っています。窓からのちょっとした明かりと足元に照明があるだけでも、実は十分足りるんです

 

「ベッドサイドで明かりが必要なときは、このようなポータブルライトがおすすめ。こちらはanbienTec(アンビエンテック)の『クリスタル』という商品です。光量が3段階で調整でき、優しく照らしてくれます」

 

「同じくこちらも光量の調節ができるanbienTecの『TURN』。ポータブルライトがいくつかあると、それを動かすだけで部屋のイメージを変えることができますし、必要なところに明かりをすぐに持っていけます。また、どこに照明を置くか迷っている方は、まずポータブルを取り入れてみるのもいいでしょう」

 

【リビング】部屋を立体として捉えて壁をデザインする

リビングの明かりは、リラックスできるような色の光を多灯使いし、落ち着いた空間にするのがいいでしょう。多灯使いするとき、もっとも気にすべきところは、明かりの高さだそう。テーブルの上や床、背の高さより少し低いくらいの中間部分、そして天井と、高さを変えて明かりをつけると、空間が高く広く感じられるのです。

 

「リビングでは特に、インテリアを考えるときに気をつけないとスカスカになってしまう位置というのがあるんですね。たとえばもっとも存在感のあるテーブルやチェアの高さをイメージしてみましょう。ダイニングのテーブルは70cmくらい、チェアは80〜90cm程度、ソファならだいたい背の部分が70-90cm程度ですよね。部屋を立体として見たとき、それらの家具より上の高さが、実はポッカリ空いてしまうんです。リビングならローテーブルでしょうから、もっと低くなります。その空いた空間を有効に使うことを意識すると、部屋のバランスが整うんです

 

「背の高いチェストやアート、植物などを取り入れるのもひとつの手ですが、照明で壁に影をつけるだけで、ポッカリと空いた壁が活きてきます。このように植物に光を当てると、まるでアートのように葉の影が出て、ただの白い壁に存在感が出ます。もし賃貸住宅であれば、壁に何かするのが難しい場合もありますから、照明でデザインすることができるといいですよね」

 

「イデーの『ランパデール アン ルミエール』。銀細工職人だったセルジュ・ムーユが1950年代にデザインしたものです。シェードが金属製で光を透過させないので、明かりがついているところとついていないところの境界線がくっきりとし、壁に表情が生まれます。左に吊るしているオブジェも影が壁に移り、アクセントになっています」

 

「こちらはダイニングの壁を飾るための照明。前川國男と同じく、ル・コルビュジエのアトリエで学んだシャルロット・ペリアンがデザインしたものです。家のデザインが前川國男なので、リンクするものをインテリアに取り入れたいと思い、選んでいます。板状の部分を上下に可動させられるので、明るさを調節できます」

 

インテリアを工夫したくても、家具や照明器具を新調するのはなかなか難しいもの。でも、ポータブルライトや電球を取り入れるだけでも、部屋の印象を変えられ、自分好みの空間に作り上げることができるのです。天井の一灯で過ごしている人は、ぜひ多灯使いを取り入れてみませんか。

 

【プロフィール】

インテリアスタイリスト / 窪川勝哉

インテリアのみならず車や家電、ステーショナリーなどプロダクト全般をスタイリング。バンタンデザイン研究所インテリア学部在学中より空間プランナー赤松珠抄子氏に師事し、2002年に独立。小道具や撮影背景のスタイリングを担うインテリア&プロップスタイリストとして、テレビ番組などのインテリアコーナーや、雑誌のインテリアページのスタイリングを手掛ける。2011年渡英し、1年半の英国滞在を終えて2013年より再び拠点を東京に移し活躍中。

KATSUYA KUBOKAWA http://interiorstylist.jp/

 

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