もしも猫と被災したらどうしますか? 避難生活はどうなるでしょうか? いざというときのために、日ごろからさまざま事態に備えてシミュレーションし、具体的な対策を講じておきましょう。
その1
まずは自分を守ることを優先する
猫を探して倒壊しかけの家に戻り、そこで被災したとしたら? あなたの猫は、自分を守ってくれる人を失ってしまうのです。以下のケースを参考に、被災時の対応をシミュレーションしておきましょう。
●自分だけ外出中のとき
自宅に残した猫が心配でも、慌てて帰宅するのは危険です。安全な場所に避難し、被害の状況を把握すること。近所の猫友に、様子を見に行ってもらえると安心です。
●猫がケガをしたとき
出血や意識の有無などケガの状態をまず確認。重症の場合は、なるべく迅速に獣医師に処置してもらうようにしましょう。軽傷と判断できたら、⑤で解説している応急処置を。
●猫が一緒のとき
自宅なら、パニックを起こして猫が逃げ出さないよう、速やかにケージやキャリーバッグに入れて落ち着かせましょう。揺れが収まるまで、室内の安全な場所で待機します。
●猫が逃げ出したとき
揺れが収まれば自分で帰ってくる可能性が高いので、追いかけて探しに行かず、自分の身の安全確保が最優先。必要があれば、自分一人で避難することも考えましょう。
その2
正しい情報を集めて冷静に状況を判断する
災害発生=必ず避難すべき、とは限りません。地震の場合、慌てて外に飛び出すのはNG。耐震性の高い家なら、まずはテレビやラジオ、町内放送などで余震、津波などの情報を収集しましょう。その間に避難グッズを確認し、いつでも避難できるよう準備を整えておきましょう。
その3
避難所では動物が苦手な人に配慮する
避難所に同行避難した場合、そこには動物が苦手な人、動物アレルギーを持つ人がたくさんいると念頭に置いておいてください。自分は気にならない鳴き声や毛、臭いなども、他人には不快なものとなりうるのです。なるべく迷惑にならないよう心がけ、謙虚さを忘れないで。
その4
避難生活を送る場所のリスクを知り、事故を回避する
避難所がペットの受け入れ不可だった場合に備え、他の選択肢もシミュレートしておくことが必要です。一時的な避難であれば、車中やテントという方法もあります。同行避難が難しい場合は、ペットホテルに預けるのも手段のひとつ。それぞれのリスクを理解しながら適切に判断しましょう。
①車の中のメリット&デメリット
ケージから出してあげられる半面、熱中症や、人間がエコノミ ークラス症候群になる恐れも。
②テントのメリット&デメリット
気候がよければ、車よりも過ごしやすいのが◎。ただし猫が逃げ出さないように注意が必要。
③ペットホテルのメリット&デメリット
室内なので安心。ただし長期に渡ると、寂しさやストレスで、猫が体調を崩すことも。
その5
応急処置の方法を覚えておく
意識があって動ける、出血も少なく軽傷という場合に備えて、猫の簡単な応急処置の方法を知っておくと安心です。自分では判断が難しい場合は、なるべく早く病院へ。
●キズ・ヤケド
傷口を洗い流し、清潔な布をあてて止血します。ヤケドの場合は、とにかく水で十分に冷やすこと。猫が暴れる場合は、洗濯ネットなどに入れて落ち着かせましょう
●打撲・骨折
むやみに抱いたり動かしたりせず、腫れの状態を確認します。打撲なら、まずは患部を冷やして。骨折の場合は、段ボールやタオルなど手近なもので副木(添え木)をあて、速やかに病院へ。