2022年が幕を開けました。占い師で風水師の愛新覚羅ゆうはんさんは、「5月くらいまでは不自由さを感じる出来事が続くかもしれませんが、ここをいかに平常心で乗り越えるかで、2022年下半期の運気が変わります」と話します。ネガティブな出来事に振り回されることなく、運を味方に付ける風水の取り入れ方を教えていただきました。
風水発祥から紐解く……
運気が住環境に左右される理由
2020年以降、働き方が変わった人は多いでしょう。占い師であり風水師でもある愛新覚羅ゆうはんさんの元には、都市部を離れて暮らそうとする人からの引越しの相談や、風水を取り入れた建築、住まいの鑑定依頼が5倍以上になったそう。
「風水を意識した住まいづくりへの関心が高まっているのを感じています。風水の発祥は古代中国で、お墓のつくり方を示す『陰宅風水』が始まりでした。先祖供養をきちんとすることで末代まで永続的に繁栄する、という思想があり、お墓づくりが重要視されていたことから広まりました。
その後、山の地勢や海や川の水脈などから自然の恵みが豊かで人々が暮らしやすい土地を知る『地理風水』、住まいに良い気を取り込み、悪い気を追い払う『陽宅風水』が生まれます。日本には、中国から仏教とともに風水が伝来しました。平城京や平安京が風水を取り入れて建てられたことは有名です。
風水は単なる迷信ではなく、先人の知恵や経験の詰まった環境学なのです。さらに日本に伝来した風水は独自の進化を遂げ、現在のインテリアや習慣を改善していくための『風水家相』となりました」(愛新覚羅ゆうはんさん、以下同)
では、2022年の風水を見ていきましょう。まずは仕事運や金運など、叶えたい運気別に解説していただきます。
【運気別】願いを叶える開運インテリアのポイント
古代の風水は国家レベルの壮大なものでしたが、現代の日本で親しまれている風水は暮らしの中で気軽に取り入れられる内容になっています。まずは、総合運、金運、仕事運、恋愛運、家庭運の5つの運気別に、風水のアドバイスを見ていきましょう。
「2022年は九星気学では『五黄土星』の年となります。これは破壊と再生を表す星で、9年で一回りするスタートの年になります。占星術で見ると、木星が2022年5月頃までは12星座の最後の魚座に位置し、その後、12星座の最初の牡羊座に移動するので、終わりと始まりの時期になっています。風水でも占星術でも、破壊と再生、終わりと始まりがテーマの2022年は、グラつかないような基礎固めが重要なポイントになります。『五黄土星』なので、黄色に近いアンティークゴールドやブラウン、ベージュ、イエローなどの色味や“土”に関わるものが開運アイテムです。土は水との相性がよくないので、水回り以外の部分にスポットを当てる方がよいでしょう」
全体運
「つま先の前くらいの身近な足元を固めるときです。高い目標を立てたり、大きな野望を抱くというよりも、部屋を整頓する、翌日の準備は前日に済ませておくなど、基本的なことを整えるようにします。“灯台下暗し”となっているようなことがないか、チェックしてみると、やるべきことが見えてきそうです。
インテリアでは、玄関マットやスリッパを新調したり綺麗にしたり、靴を整理しましょう。穴の空いている靴やスリッパ、靴下などがあれば処分し、履いていないような靴はリサイクルに出すようにします」
金運
「今年は36年に一度の五黄の寅年。寅は十二支の中でも強い金運力を持つとされる干支なので、金運が最強の年になります。
今年はお財布を新調するといいでしょう。特に寅の月の寅の日になる、2月6日や2月18日にお財布を使い始めるのがベストタイミングです。お財布の買い替えタイミングではない場合、お財布を入れるミニバッグなどを新調するのもおすすめです。ホコリや邪気は下に溜まるので、お財布の入ったバッグの収納場所は床に置くのではなく、少し高い位置に設けましょう」
仕事運
「2022年は破壊と再生、終わりと始まりを象徴する節目の年なので、転職や転勤、異動など、仕事環境がガラリと変化する人が増えます。この変化する動きを飛躍につなげる意味で、駆け上がるイメージを象徴する“左馬(ひだりうま)”がサポートをしてくれます。
左馬の絵や将棋のコマなどを、玄関より東か東南側に飾るのがおすすめです。左馬は縁起物なので、さまざまなグッズが販売されています。毎日使うマグカップや財布を左馬デザインのものにしたり、ブランドバッグの馬柄が左向きになるように保管したりというのも効果的です」
恋愛運
「恋愛運を高めてくれる方角は、南西になります。特に南西側にあるリビングがある方は、足元を固める意味でリビングの絨毯やラグ、マットなどを整えるのがおすすめです。恋愛運に効果的なカラーはラベンダーやピンクですが、全体運をアップさせるようなカラーを選ぶのもおすすめ。その場合は、ゴールドやブラウン、ベージュやイエローなどの土を連想させる色味がいいでしょう。
南西から良い気が入ってくるように、部屋の風通しをよくし、清潔で明るい空間づくりを心がけます」
家庭運
「火と水の気が同居するキッチンは、反発のエネルギーが起きやすいところなので、油汚れやヌメリが溜まっていると家族の衝突が起きやすくなります。
2022年の足元固めという視点でいうと、冷蔵庫を特に意識して綺麗に保ちたいところです。冷蔵庫はパートナーシップに関わる家電であり、体の資本をつくってくれる食材の保管場所です。冷蔵庫の表面や中を綺麗に磨き、賞味期限切れの食材がないように整理します。土に育つ根菜類も気の流れをよくしてくれるので、清潔にした野菜室の中に常備しましょう」
対人運
「人に好かれる、人が引き寄せられてくるのは、“波動”が高いからといえます。つまり、陰の気を放っていない状況をつくることがポイント。見直したいのは、ゴミ箱の量です。不要なものを入れておくゴミ箱はなるべく少ない方がよく、できればキッチンと寝室の2か所、もしくはベランダを加えた3か所までにし、蓋つきや収納棚の中に隠せるようなタイプがおすすめです。
そもそもゴミや排泄物が溜まるキッチンとトイレは自宅の外に設けている時代があったのは、陰の気を自宅に溜めないためでした。ゴミ箱は最低限の量にし、清潔な状態をキープしましょう」
続いて、次のページからは玄関、リビング・ダイニング、ベッドルーム、キッチン、バスルーム、トイレ……と間取りごとに風水の開運ポイントを解説していただきます。
提供元:心地よい暮らしをサポートするウェブマガジン「@Living」
【玄関】尖ったものは邪気を生む…傘は見えない場所に収納を
外と中をつなぐ玄関は運気の入り口です。明るく清潔な状態をキープし、郵便物やカバンなどを置きっぱなしにしない。たたきには汚れを落とした靴を置いたとしても1足にするのが風水の基本ルールです。
「破壊と再生の狭間にある時期なので、衝突が起きやすいと言えます。余計な邪気を生み出さないように、鋭利なものを置くことを避けた方がいいでしょう。傘は先端が見える状態で立てかけるのではなく、棚の中にしまうか、先端が見えないような傘立てに収納します。傘はなるべく必要最低限の本数にすることも大切です。棘のあるサボテンを置くのもNG。バラを飾る場合は、棘を抜くようにしましょう」
【リビング・ダイニング】陶器製の花瓶や器がおすすめ。“土”のアイテムを活用して
一日の中でもリラックスして過ごしたい場所なので、安らぎのある空間にすること。清潔な明るい色味のカーテンに、ゴミが落ちていない床、さらにコード類はすっきりとまとめて見えないように整理しておくことが開運ポイントです。
「土のアイテムを取り入れると良いので、陶器の花瓶にお気に入りの花を飾るとお部屋がパッと華やぎます。カップ類はプラスチックやグラス、メラミン素材よりも陶器のものを使うようにします。マットな質感のものよりも、艶のあるものを取り入れるとよい気の流れが起きやすくなります」
【キッチン】汚れや乱れのない清潔さをキープ。ゴールドの差し色アイテムを
火と水のエネルギーの衝突や汚れ、臭いがこもりやすいキッチンは陰の気が発生しやすい場所です。一方で、清潔さをキープすることで、陽のエネルギーを生み出しやすい場所でもあります。
「キッチンはシルバー系のアイテムが多い場所ですが、土と相性のよい金色のものを取り入れていくといいですね。例えば、ゴールドのカトラリーやゴールドの縁入りのティーカップやお皿などを買い足すのはいかがでしょうか。このときのゴールドは、土の色に近いようなセミマット系のカラーがおすすめです」
【バスルーム】湿気やヌメリをオフした清潔空間に“土”の要素を加えて
使用時以外はカラッと乾燥した状態にし、シャンプーなどのボトルにヌメリがなく、排水溝にはゴミが溜まっていない状態をキープすることが陰の気を発生させないポイントです。シェーバーなどの刃物は人間関係のトラブルに関わる気を発生させるので、使うときだけ持ち込みます。
「土の要素として加えたいのは、珪藻土のバスマットですね。足元を固めるという意味でもぴったりです。ゴールドなどのラッキーカラーが入っていればさらに高ポイントです。入浴時にクレイパック(泥パック)をするのもおすすめです」
【関連記事】風呂場のカビ対策で家中のカビを防げる!重曹・クエン酸・酸素系漂白剤で掃除する「バスルーム」のナチュラルクリーニング術
【トイレ】イエロー・ベージュ系の明るい空間にし、こまめな換気をキープ
トイレは汚れを排出する場所なので、家の中で最も陰の気が溜まりやすい場所です。換気扇を常に回しておく、もしくはこまめに換気をすることで臭いがこもることを防ぎ、便器の蓋は常に閉めた状態をキープしておくことが大切です。
「なるべく長く滞在しない方がよいので、本などを置いたり、スマホをいじったりすることはやめましょう。土の要素としてはタオルやトイレマット、スリッパをイエローベージュや明るめのブラウンにするのがおすすめです。濃いブラウンは暗いイメージになるので避けましょう」
最後に、もっとも重視すべきなのはベッドルームだと、愛新覚羅ゆうはんさんは言います。
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【ベッドルーム】余計なものは置かず、ぐっすりと安眠できる空間に
愛新覚羅ゆうはんさんは、寝室こそもっとも風水の知恵を生かし、大切に整えるべき場所だと言います。
「寝るということに対して、貪欲になってもらいたいですね。本やテレビ、オーディオなど、情報に関わるものは極力置かず、寝るために必要なもののみにするのが理想です。部屋の中に余計なものを置かず、スマホなどもできればほかの部屋に置いて、情報や電磁波から離れられる環境でぐっすりと眠り、英気を養うことが大切です。それにより、どんな状況にあってもブレない健やかな体や精神状態がつくられていきます。一人暮らしや間取りの都合で、寝室を整えることが難しい場合は、パーテーションを置くのもおすすめです。寝ることに集中できる空間づくりを意識していきましょう」
自宅の中でもっとも長く過ごす場所と言えるのが寝室です。1日のうち1/3もの時間を費やす睡眠の場であり、生きる活力を養うスペース。
「生と死、起きている時間と寝ている時間というのは同じように比較できます。そういう視点で捉えると、寝ている時間は死と同じであり、風水の発祥がご先祖のお墓づくりに生かされた『陰宅風水』という意味でも、寝室はとても重要視する場所です。『五黄土星』の今年は四角い形の白熱灯が良い気を生むので、取り入れてみてはいかがでしょうか」
破壊と再生、終わりと始まりの2022年は、後半からアクティブな年になりそうです。ベッドルームを中心に家中を整え、準備を進めていきましょう。
【プロフィール】
風水師 / 愛新覚羅ゆうはん
風水師だけではなく、占い師、開運ライフスタイルアドバイザーとしても活躍。中国黒龍江省ハルビン市生まれ。映画「ラスト・エンペラー」で知られる清朝の皇帝・愛新覚羅一族の流れをくむ。5歳のときに来日し、幼少期から備わった透視能力に加え、タロットカードや占星術なども活かし占い師「ジョカ」としてデビュー。15年間で延べ20,000人以上を鑑定。『神様とやるすごい運トレ』『お金の引き寄せ方は魂だけが知っている』(日本文芸社)、『腸開運』(飛鳥新社)、『いちばんやさしい風水入門』(ナツメ社)など著書多数。
HP= https://aishinkakura-yuhan.com