ライフスタイル
2016/9/30 6:00

観葉植物は手間がかからないって知ってた? 初心者にも育てやすい観葉植物4選

お部屋の中に観葉植物があると、心が和み、暮らしが豊かになります。また、インテリアに合わせてお部屋にコーディネートすれば、室内を心地よく演出できるのもグリーンの大きな特徴。でも、はじめて観葉植物をお部屋に取り入れようと思うと、置く場所や育て方など、わからないことばかり。そこで今回は有名デザイナーや建築家からもグリーンプランツ・コーディネートで頼りにされる東京都港区のグリーンショップ「REN」さんに、初心者でも育てやすい観葉植物とその手入れのしかたをレクチャーしていただきました!

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観葉植物は手間がかかりません! 水やりは“しっかり乾かしたっぷりあげる”

↑つる系、樹木系、群生系とタイプの異なる植物をリズムよく配置したコーディネート例。エレンダニカはあえて前面に置くことで三次元的に空間を使用。鉢から茎がつる状に伸びるタイプの植物は日光にも当てやすいので棚の中に置いても育てやすい。左/“エレンダニカ“¥3,348、中央/”ガジュマル“¥6,912、右/“パキラ“¥4,212
↑つる系、樹木系、群生系とタイプの異なる植物をリズムよく配置したコーディネート例。エレンダニカはあえて前面に置くことで三次元的に空間を使用。鉢から茎がつる状に伸びるタイプの植物は日光にも当てやすいので棚の中に置いても育てやすい。左/“エレンダニカ“¥3,348、中央/”ガジュマル“¥6,912、右/“パキラ“¥4,212

 

アドバイスしていただくのはグリーンショップ「REN」のグリーン担当・山田聖貴さん。こちらのお店の基本方針は、珍しい植物を取り揃えることではなく、手に入りやすい植物でも、表情がより美しく引き立って見えるように器とのコーディネートをしつらえることを重視しています。お部屋で育てるのに管理のしやすい観葉植物を多数取り扱っているそうですが、枯らさず美しい状態で管理するために、何を知っておくべきでしょうか?

 

「観葉植物を育てるのは大変だと思っている方が多くいらっしゃいますが、それは大きな誤解です。観葉植物は育てるためのポイントはじつは2つしかないんです。大事なのは水と光だけなんですよ」

↑差しておくだけで水やりのタイミングがわかる水分計があると、水やり時期がわかりやすく、初心者でも植物を上手に育てやすい。白くなると水やりのタイミング。サスティー・ミディアム(4、5、6号鉢用)¥680 キャビノチェ http://sustee.jp/
↑差しておくだけで水やりのタイミングがわかる水分計があると、水やり時期がわかりやすく、初心者でも植物を上手に育てやすい。白くなると水やりのタイミング。サスティー・ミディアム(4、5、6号鉢用)¥680 キャビノチェ http://sustee.jp/

 

植物が元気に育つには水が必要。どのくらいの頻度でお水をあげればいいのでしょう。

 

「まず間違いやすいところなのですが、水は毎日あげる必要はありません。土がしっかり乾いたらたっぷりと水をあげる。たっぷり水をあげることで、水と一緒に新鮮な空気も送り込んであげましょう。ただし、鉢底穴から水が流れ出るまであげる必要はありません。もしも鉢受け皿に余分な水がたまっていたらあげ過ぎ注意のサイン。根腐れしないように鉢受け皿の水は必ず捨てること。“しっかり乾いたら、たっぷり水をあげる”。水やりの頻度はだいたい1週間に1回くらいです」

 

じつは観葉植物は直射日光が苦手。リビングなら同じ場所で管理する

↑“シェフレラ・レナータ”を3種類。中央は斑入りの品種。ワンポイントを入れることで同種の植物を並べてもリズムが生まれ絵になる。価格は左/¥7,344、中央/¥3,564、右/¥3,564
↑“シェフレラ・レナータ”を3種類。中央は斑入りの品種。ワンポイントを入れることで同種の植物を並べてもリズムが生まれ絵になる。価格は左/¥7,344、中央/¥3,564、右/¥3,564

 

続いてもう1つのポイントにあげられていた光。植物にとって光は栄養ですが、必ずしも日当たりの抜群にいい部屋でなくても観葉植物は育つそうです。

 

「“太陽の光があまり入らないんです”とお客様からいわれることがありますが、実際の状況は確かにさまざまです。基本的にはリビングなら窓があるはずなのでほとんど問題はありません。一般的に、観葉植物は直射日光を避けた日なたに置いていただくのが基本です。天気のいい日の日中に照明をすべて消して生活できるくらいの明るさがあれば大丈夫です」

 

特に夏場の強い直射日光や、冬場の屋外の寒さに多くの観葉植物は耐えられないので禁物とのこと。日光が足りない気がするから、たまに日差しの強い場所に移すというのも観葉植物にとっては好ましくはないそうです。

 

「観葉植物は基本的に部屋の中でもあまり置く位置を大きく変えないほうがいいです。なぜなら植物もその空間に慣れようとして、新しい葉を出したりと生長しているからです。せっかく半日蔭のような場所に慣れようとしていたところに、急に日差しの強いところに置いたことで葉がダメになってしまうこともあります。部屋の中であっても大地に根を張っているようなイメージで、同じ場所で管理していくほうが観葉植物にとってはストレスがなく、よく育ちますよ」

↑こちらは上級編のコーディネート。全体の組み合わせでジャングルのような野性味あふれる演出となっています。上段左/“ラフィドフォラ・テトラスペルマ”¥7,776、上段右/“アンスリューム・スカンデンス”¥15,120、下段右/“コンシンネ・パメラ”¥19,872、下段中央右/ “アンスリューム・クラリネビウム”¥6,480、下段中央左/“ドラセナ・ソングオブジャマイカ”¥3,996、下段左/ “リブサラス・ラムローサ”¥11,016
↑こちらは上級編のコーディネート。全体の組み合わせでジャングルのような野性味あふれる演出となっています。上段左/“ラフィドフォラ・テトラスペルマ”¥7,776、上段右/“アンスリューム・スカンデンス”¥15,120、下段右/“コンシンネ・パメラ”¥19,872、下段中央右/ “アンスリューム・クラリネビウム”¥6,480、下段中央左/“ドラセナ・ソングオブジャマイカ”¥3,996、下段左/ “リブサラス・ラムローサ”¥11,016

 

観葉植物をより楽しむためには、植える鉢にもこだわりたいもの。せっかくなので植物の表情が引き立つように、綺麗な鉢や器を選んで空間に取り込みたいところです。しかし、ここで山田さんから鉢に関する基礎の基礎となる重要なアドバイスがありました。

 

「鉢はお部屋の雰囲気づくりの重要アイテムでもあるので、もちろんデザインテイストにもこだわって楽しんでいただきたいです。その時、植物を植える鉢は必ず下に穴の開いているものを選びましょう。穴の開いていないものは鉢を入れる鉢カバーです。

 

また、観葉植物をより良く育てるにあたっては、できるだけ原産地の環境を再現しましょう。ひとくちに観葉植物といってもその性質はさまざまですが、少なくともに土に自生していたのですから、鉢の素材も素焼きの鉢のように土からできている天然に近い器で通気性もよいものが適しています」

↑土も呼吸をしなければけないので、鉢は素焼きなどのより自然に近い素材のものを。通気性もよく、植物も上手に育ちます。水をあげ過ぎた時も余分な水分が溜まりっぱなしにならないように、鉢は必ず下に穴の開いているものを選びましょう。
↑土も呼吸をしなければけないので、鉢は素焼きなどのより自然に近い素材のものを。通気性もよく、植物も上手に育ちます。水をあげ過ぎた時も余分な水分が溜まりっぱなしにならないように、鉢は必ず下に穴の開いているものを選びましょう。

 

水やりと置く場所がわかったら“葉水”と“剪定”でレベルアップ

まめに手入れをしていても、観葉植物はお家で育てているうちに購入したときよりも見た目が悪くなってしまうことがあります。なぜなら店頭の観葉植物はプロが精魂込めて育てた最高の状態だからです。プロの管理を忠実に再現することはむずかしくても、自宅で少しでも上手に育てるコツはないでしょうか。

 

「植物を置く場所と水やりがわかれば観葉植物を育てるための管理の基礎知識を得たことになります。むずかしくはありませんよね。さらに初心者が中級レベルにステップアップするためには“葉水”と“剪定”を覚えましょう。

葉水はキリフキで葉に水分を吹きかけてあげることをいいます。室内は乾燥で湿度が不足しがちなので頻繁に葉水をしましょう。葉水は病害虫予防にも効果があります。観葉植物の中には根から水分を吸収するのが苦手な種類もありますので、購入するお店のスタッフにお問い合わせください。

剪定はハサミで葉や茎を切って樹形を整えることです。見た目のためだけでなく、風通しがよくすること病害虫の繁殖を予防したり、養分が効率よくいきわたるようにします」

 

葉水や剪定を頻繁にすることは植物をよく観察することにもつながります。植物に愛情を注ぎ、手を掛けることでだんだんと植物のよさを引き出せるようになってきます。観葉植物が生き生きと育っていると、観ている私たちも森の中にいるようないい気分になります。リビングに一鉢の観葉植物があるだけで、心のゆとりや安らぎを与えてくれます。是非上手に育ててお気に入りの観葉植物と親しくなりましょう。

※価格はすべて税込み

 

≪初心者も育てやすい観葉植物≫

”シェフレラ”

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”シェフレラ”は乾燥にも強いので、水をあげる頻度も少なくて済むため管理がしやすい。

 

”ポトス”

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”ポトス”も乾燥に強く、日蔭でも育ちやすい。ホワイトのマーブル模様が入った”マーブルクイーン”や緑が強く綺麗な” パーフェクトグリーン”の人気が高い。

 

”ガジュマル”

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”ガジュマル”はゴムの木の仲間。日本の住環境に馴染みやすいようでよく育つそう。ワイルドで個性的な樹形も人気で、同じ樹形のものがほぼないのも満足感が高い。

 

”ダバリア・トリコマノイデス”

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”ダバリア・トリコマノイデス”はシダ植物を代表するシノブ属の一種。繊細な葉の形を綺麗に保つ姿が人気です。直射日光を避けた日なたで育てましょう。

 

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今回アドバイスしてくれたRENのグリーン担当の山田聖貴さん。庭の手入れが好きだった祖母や両親の影響もあり、幼い頃から生活の中に植物があったそう。

 

取材・文=ナナイロ社 撮影=岩井賢一

 

【Shop Data】

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REN

住所:〒108-0073 東京都港区三田2-17-16 ダイナシティ三田1F
tel: 03-3456-0871
営業時間:11:00-19:00
定休日:不定休 ※詳しくはホームページをご確認ください。
http://www.ren1919.com/

 

六本木、白金、麻布からほど近い東京都港区三田に店舗を構える観葉植物、多肉植物の販売専門店。約75平米の広々とした店内。テーブルサイズから大型サイズまでの観葉植物・多肉植物を常時100品種以上取り揃え、実際に触れて見て購入できるショップ。育てやすさ、空間への取り入れやすさを重視した品揃えをモットーに植え替えなどのアフターフォローも行なっているので初心者にも心強い。2011年度に企業・ブランド等を評価する新領域の部門において、花材・観葉植物専門店として初めてグッドデザイン賞を受賞しました。