「まじめに仕事しているのに、成果が出ない」「最近、嫌なことばかりが続いている」など、仕事やプライベートでトラブルが重なっている、また気分が晴れない、イライラするなどの精神的不調には、住環境が関係しているかもしれません。
「環境が人に及ぼす影響は計り知れない」と語るのは、設計に風水や家相を取り入れている一級建築士の八納啓創さん。運気が下がる住まいとはどういう状況か、またその運気を上げるにはどうすべきかを教えていただきました。
うまくいかない理由は住まいにあり!
“貧乏神に好かれる”住まいの5条件
八納啓創さんは、21.6万人のチャンネル登録者数を持つYouTube「幸運住まいチャンネル」を運営し、年商数百億の経営者やベストセラー作家、医師やトップセールスマンなど、数々の成功者から、自宅やオフィスの設計を依頼される一級建築士。風水や家相の観点から注意した方がいい行いを、YouTubeやオンラインサロンなどを通じて紹介しています。八納さんからそれらを学ぶ中で、「貧乏神に好かれる家」の条件に当てはまる行為として多くの人が陥っていた共通項が、上記のアンケート結果で導き出された5項目。
「貧乏神に好かれる家に住んでいると、ネガティブなことばかり起きがちに。しかし、環境を整えていけば、確実に改善されますよ」(G proportion アーキテクツ一級建築士事務所代表、一級建築士・八納啓創さん、以下同)
ここからは、“貧乏神に好かれる”家の条件から、その要因と対策を具体的に見ていきます。
1.床に物を直置きしている
「片付けが苦手な人は、床に物を置きがちになると思います。床に物を置くと、部屋はたちまち汚れていきますよ。掃除がしにくい上に、見た目も不快。汚部屋化は、人生を蝕む最大の要因です。“自分は汚れた部屋に住むダメな人間だ”というレッテルを、自分に貼ってしまうことになります。普段は床に物を置かない人でも、疲れが溜まっていたり、忙しかったりすると、とりあえず床に物を置いてしまいますよね。床には物を置かないと決めることと、置いてしまっている状況に気づいたときにすぐに片付けること。これを意識するだけで、目の前の現実が好転していきます」
2.玄関に靴や物がいくつも置いてあり、ごちゃごちゃしている
「玄関はその人や家族の第一印象を表す場所であり、風水でも重要視されるエリアです。玄関が汚れていたり、ごちゃついていたりしていると、人を招きたくはないですよね。風通しの悪い玄関は、物事の滞りにつながります。最低限の靴のみが出ていて、シューズボックスの中はスッキリ。良い香りや素敵な絵が迎えてくれる空間を心がけましょう。チャンスや人脈を得たいときは、玄関や部屋を整えてみてください」
3.水回りが汚い
「トイレをピカピカに磨くと出世する、という話を聞いたことはありますよね。トイレ以外にも洗面所や台所のシンク、浴室など、ヌメリや悪臭の発生しやすい水回りは、風水や家相の視点から見ても運気を下げる要因になりやすい場所です。汚れやすい水回りを清潔に保つことは、住まいからの悪影響を回避する最善策です。水回りの掃除は後回しにしない。それを意識するだけで、仕事も人間関係もうまくいきます」
4.照明の電球が切れていたり、壊れているものが置いてある
「壊れているものが家にある状態は心身にも支障が起きます。これは、『ゴミがある、壊れている』という情報が脳の中のゴミとなって蓄積され、思考の妨げになってしまうからです。空間からの情報というのは、脳に影響を及ぼすということを覚えておきましょう。好きなものに囲まれていれば、自然と部屋の中も整えたくなるもの。そして、部屋の中が整っていれば、脳に入ってくる情報も心地よく整理されていくのです」
5.自宅があまり好きではない(自宅に愛着がない)
「これ、意外と当てはまる方はいるのではないでしょうか。そもそも、家が好きとか嫌いとかを考えたことがない方も少なくないでしょう。一方で、幸せな暮らしと成功を手に入れている人は、自分の家のことが好きで、気に入っているものに囲まれた暮らしにこだわっています。ソファが好き、オーダーメイドの椅子が自慢、お気に入りの器を集めるなど、自宅の好きな場所を増やしていきましょう」
1日10分掃除でOK! 貧乏神の撃退法
貧乏神を追い出すためには、床に物を置かずに掃除をして、心地よい空間をキープする心がけを。
「住まいを雑に扱い大切にしていない状態は、貧乏神が寄り付きます。『うちは狭いんだよね』『日当たりが悪くて最悪』など、家の悪口もご法度。
住まいを整えていくための効果的な対策は、1日10分掃除です。『今日は玄関、明日はトイレ』など、毎日1か所を決めて、10分以内の掃除を続けていきましょう。1日わずか10分でも、1か月後には見違えるほど部屋の中が整ってきます。10分が難しければ、5分でも3分でもOK。無理なく継続できる範囲で続けてみてください」
八納さんによると、多くの成功者は風水や家相などの統計学を活用しているといいます。なぜ、そしてどのように取り入れているのでしょうか?
多くの成功者は、風水や家相を味方につけている!
多くの成功者は風水や家相などの統計学を活用しているという八納さん。
「幸せに成功している経営者は、経験値で目に見えない力の存在を感じているので、風水や家相に対しての明確なエビデンスがなくても取り入れる傾向にあります。実際に、店舗や経営がうまくいかない経験をしてから、風水や家相を意識して対策をした結果、事態が好転する経験値を持っている人は多く、わたしの元に事務所や自宅の設計を依頼してくるお客さまは、風水や家相を重視する傾向が強いですね。
『風水の鑑定をして、仕事運の悪い間取りだったらどうしよう?』など、風水や家相の鑑定結果を聞くのが怖い方もいるかもしれません。もし、家庭運が悪い間取りだったと分かった場合、夫婦やパートナーとのコミュニケーションを今まで以上に大切にするという努力ができますよね。そのように、強化するべきポイントだと捉えれば、事態がよくなっていきます。そして多くの場合、課題を克服した頃には、家庭運の悪い間取りから引っ越すようなことが起きるのです。
ちなみに、風水は今から約4,000年前に中国で発祥した環境学です。衣食住、行動などの環境を整えることで、運を呼び込んでいきます。一方の家相とは、5世紀ごろに中国から入ってきた風水の原型のようなものが、日本の気候風土によりオリジナルに体系立てられた統計学で、日本特有の気候風土のなか、自然との調和を考えつくられています。風水と家相は別のものなので、混在して取り入れるのは避けましょう」
貧乏神が転じて福の神へ!
幸運な住まいは簡単に手に入る
風水や家相のネガティブな結果はそこを強化するきっかけだと捉えれば、悪い情報も怖くなくなります。
「ピンチはチャンスという言葉がありますが、物事をどう捉えるかが大切です。貧乏神が好む家の条件を知ったことは、自分が貧乏神に好かれているかどうかを知る答え合わせではなく、よりよくなるための情報なのです。家への関心が薄いと貧乏神は寄ってくるので、家を好きになることもポイントです。植物を育てるときに良い言葉をかけるとスクスクと育つのと同じ。家のことを気にかけ、手をかけ、好きな場所を増やしていけば、家の状態はどんどんよくなりますよ。今、お住まいの家には、狭い、日当たりが悪い、駅からのアクセスが悪いなど、ネガティブな要因がある方もいるでしょう。でも、家も人間と同じで、短所があれば長所もあるもの。長所を伸ばし、良いところを増やしていく意識で捉えてください。子育てとも似ていますね」
住まいも植物も子育ても、長所を伸ばして大切に育んでいく意識で向き合うことがポイントだそう。住環境を味方につけて、よい流れを手に入れたいですね。
【プロフィール】
一級建築士 / 八納啓創
株式会社G proportionアーキテクツ代表取締役。年商数百億円の経営者や独立開業で成功している医師、保険業界で西日本ナンバーワンの実績を上げている経営者、ベストセラー作家といった成功者4000人の自宅やオフィス設計を通じて、「一流の人が持っている住まい観」を「普遍的に活用できる知恵」へと体系化。人と地球に優しい建築をモットーに、省エネ・高断熱・高気密×風水・家相の間取り設計を行う。著書に『年間20棟以下の工務店が武器にしたい風水 アフターコロナを生き抜く経営戦略』(Kindle)、『なぜ一流の人は自分の部屋にこだわるのか?』(KADOKAWA)、『「住んでいる部屋」で運命は決まる! 心も空間も、スッキリさせる方法』(三笠書房)、『住む人が幸せになる家のつくり方』(サンマーク出版)、『わが子を天才に育てる家』(PHP研究所)がある。