以前、「今年のEVOLTAチャレンジは「世界最長距離 鉄道走行」でギネス挑戦!」というエントリーで、毎年恒例のEVOLTAチャレンジの開催概要をお伝えしましたが、ついに11月3日に本番が開催されます。というわけで、今回のチャレンジの概要を振り返りつつ、本番の見どころを改めて紹介! なお、本番当日GetNaviは同チャレンジに密着。編集部Twitterなどで速報していきますので、そちらもご注目ください。
そもそも、EVOLTAチャレンジとは?
EVOLTAチャレンジは2008年に始まったチャレンジイベント。パナソニックの乾電池「EVOLTA」を積んだロボットだったり乗り物だったりが想像を絶する挑戦を行う、というものです。過去にはEVOLTAロボットがグランドキャニオンの断崖絶壁に登ったり、ハワイでトライアスロンに挑んだり、近年ではプラレールで世界最長レールを走破したりするなど、毎回驚きと感動を与えてくれます(過去のチャレンジのアーカイブはこちらにあります)。
今年のチャレンジはどんな内容?
8回目となるEVOLTAチャレンジですが、今年は「乾電池のパワーで世界最長距離 鉄道走行チャレンジ」と題し、秋田県由利高原鉄道 鳥海山ろく線を約20km走行するというもの。まず驚きなのが、これに車両を製作するのが高校生であることです。埼玉県立川越工業高等学校のみなさんが製作した車両で単1形乾電池エボルタを動力に走行します。しかも、走るのは現役路線。ふだんは通常運行している路線を使ってのチャレンジと、ハードルはいつもながら高い! 鳥海山ろく線の前郷駅~矢島駅間を往復。ギネス世界記録®(ギネス世界記録はギネスワールドレコードリミテッドの商標登録)を目指します。
電車を作れる高校生とは何者??
今回の挑戦、なんといっても見所は「高校生が」「電車を製作して」「現役路線を」走ること。電車を製作できる高校生たちとは一体どんな人なのでしょうか?
今回のチャレンジの主役は埼玉県立川越工業高等学校の電気科「電車班」のみなさん。2011年から「川工電鉄」と称し、3年生が電車製作を行っています。2014年には実際の在来線と同じ軌道幅で架線からパンタグラフで電気をとって走る車両も製作し、テレビや新聞で話題になりました。
電気班の皆さんに製作にあたっての苦労を聞いてきました。
現実の電車と同じ構造の電車を作れるという皆さんですが、これまでは学校内にある往復約40mのコースしか走行経験がなく、本チャレンジに向けて「エボルタ電車」の製作を行っています。その苦労の一端を取材してきました。
例えば、車両を止めるという意味で最も重要な機構であるブレーキでは
「ブレーキはバイクと同じ形式の構造を採用、油圧式でブレーキをかけます。難しいのは内部の空気を抜く点。最初はそれだけで1日かかっていました。ホースを短く、構造をなるべくシンプルにすることで、いまでは1時間程度で行えるようになっています」(ブレーキ担当・木村招太郎さん)
続いて、すべての構造物を載せる車体では、
「鉄の角材を切り出して溶接することで、強度を高めています。さらに、車体がでこぼこにならないような工夫も加えています」(車体担当・久保田亮一さん)
さらに、動力源を動かす要になる電装関係では
「電装自体は電気科の授業で習ったきたことがベースです。が、床下にスイッチを積んで室内で操作できるようにするなど習ったことを応用した作りにしています。ポイントは2点あり、1つは前進時に後進しないように、後進時に前進しないような回路を作り安全性を確保している点。もうひとつが、理想的なパワーの追求です。数値を測ったり、実際に走行しながら突き詰めています」(電装担当・塚本亮太さん)
といった形で、日進月歩の改善を施しています。
当日のみどころは?
さて、「EVOLTAチャレンジ2015」の当日のみどころについて紹介していきましょう。11月3日(荒天の場合は翌日実施)の12時20分から由利高原鉄道 鳥海山ろく線の前郷駅で出発セレモニーが開催されます。会場駅は一般の方も観覧も可能。まずは約10km先の矢島駅を目指します。矢島駅で押し返した電車はゴールの前郷駅まで再び約10kmの道のりを走行するという内容です。
この行程、地図を見るとおわかりいただけるのですが、子吉川に沿って走るルートでカーブが非常に多く、鉄橋も数多く超えなければなりません。さらに、往路では矢島駅のひとつ手前の川辺駅の先で登り坂が登場。緻密なパワー制御が求められるという難コースです。
果たして、この過酷なチャレンジは成功するのでしょうか?
2015年11月24日発売号のGetNaviでは同チャレンジの模様を誌面で徹底レポートします! そちらもお楽しみにしていてください!
【最後に】パナソニック EVOLTAとは?
2008年発売以来、累計生産個数が17億本を突破した乾電池。大容量の構造を採用し、独自の材料と生産ラインによって、高反応で高密度なプロダクトを実現している。単1形から単4形までラインナップし、世界80か国で販売。