「中村 優の走って試して優言実行」 第4回 SPORTS SCIENCE LAB(表参道)
ある日、普段からお世話になっている鍼治療の先生からメールでこんなお誘いが。
「早稲田大学で箱根駅伝出場→実業団→現在プロランナーの知り合いがプロデュースしている低酸素トレーニングルームが表参道にオープンしたので、優さんもぜひ体験してみませんか?」
低酸素トレーニングって、“オリンピックに出場するような選手が酸素の薄い高地で走りこむ”みたいなかなりストイックなイメージ……。「ゆるラン思考の私にはハードすぎる!」と思ったので、お断りしようとしたら、「レベルに応じてトレーニングできるし、市民ランナーにもぜひ活用してもらいたい」とのこと。
「なるほど。そういうことなら試しに行ってみようかな」と思いつつ、未知の体験は一人でするよりもみなさんに共有した方が面白いはず! ということで、今回は表参道にオープンしたトレーニング施設「SPORTS SCIENCE LAB」(以下:SSL)を体験。優言実行でレポートしていきます!
表参道ヒルズ脇の静かな通り沿いにある「SSL」
早速施設内に入ってみたところ、トレーニング施設というよりは、まさにLABという感じ! 秘密基地に入ったような高揚感があります。一般的なスポーツジムの雰囲気とは全然違って、個室があったり見慣れない機械があったり……。決して広くはないけれど、落ち着いたプライベート空間になっています。
「SPORTS SCIENCE LAB」は、トップアスリートのトレーニングメソッドに合わせてサービスとして落とし込み、理想や目標にフォーカスしたワークアウトをサポートしております。完全予約制、パーソナル管理の元、目標達成の喜びを感じてみませんか。(SSL 公式HPより引用)
代表の三田さんのお話を聞いて納得したのは、「ひとりひとりの運動能力や心肺機能は違うのに、人と同じ練習や指南書に書かれたままのことをするのは効率の良いトレーニングとはいえない」ということ。SSLでは、自分の現状の能力を知り、何が足りないのか、どういうトレーニングをすれば良いのかを提案してくれるそうです。
ダイエットにも効果的! 時短にもなる低酸素トレーニングを体験!!
前述のとおり、低酸素トレーニング=トップアスリートの練習法かと思いきや、どうやらそれだけではない模様。特に市民ランナーにも活用してもらいたいとのことでしたが、それには以下の理由があるそうです。
●ロードを2時間走るのと同じ効果がSSLなら40分で得られる⇒時短トレーニングができる!
●酸素の運搬能力や筋肉の酸素消費能力が向上する⇒スタミナがアップ!
低酸素の状態でトレーニングをすることによって、少ない酸素量でも動ける身体になるので、酸素の豊富な平地に出たときにパフォーマンスがアップしたり、代謝もよくなって痩せやすい身体になる、といったメリットがあります。かといって、低酸素によって具合が悪くなるほどの標高設定はしないので、デメリットはないといってもよさそうです。強いていうなら、外を走るのが好きな私はトレッドミルだと飽きやすいということくらいでしょうか(笑)。とはいえ、40分のトレーニングで済むのならなんてことないですね!
今回は標高1500mの設定で体験してみました! 最初こそ「息苦しいのかな……」と不安ではありましたが、空気の薄さはほとんど感じませんでした。「これで本当に負荷はかかってるの?」と拍子抜けするほど。ウォーキングから早歩きくらいの速度で10分ほど動いてみても、呼吸がしんどいなんてことはなかったです。
“負荷を感じず短時間で効率の良いトレーニングが出来る!”というのはこういうことなんですね。これなら「無理をしない! 笑顔で楽しく!」がモットーな私にもできそうです。「とにかく速く走りたい!」という上級者ランナーから初心者ランナーまで、レベルに合わせトレーニング内容を調節してもらえるのでオススメ! サボり気味のダイエッターさんにも良さそうですね。
まずはランニングレベルの現状を知ろうーーランニングアビリティ測定!
SSLのサービスでこれは面白いと思ったのが「ランニングアビリティ測定」。計測のためのマスクをつけて限界まで追い込んで走ることで、現状の心肺機能・脚力におけるフルマラソンのベストタイムや、フルマラソンでベストを出すための適正心拍数etc……あらゆる要素を数値化できるのです!!!
ゆるゆるランナー中村としては、記録を気にせず走ることがほとんどですが、現状どのくらいのタイムで走れる能力があるのか、実は気になっていました……。ということで、同サービスにも挑戦してみることに。
まずは、心拍ベルトとVO2MAX(最大酸素摂取量)などを計測するためのマスクを装着。それから、トレッドミルでウォーキング程度のスピードから少しずつペースを上げていきます。最大心拍数もVO2MAXもどちらも最大の値を見るものなので、自分の限界まで追い込んで計測しなければなりません。
「限界が来たら手を挙げて知らせてください。追い込めるようしっかり応援するのでギリギリまで頑張ってください!」と言われかなりビビりまくり……。ただ、応援してくれるのはありがたいですね(笑)。データをしっかり出して、読者さんにもその成果を伝えるべく、「頑張らなきゃ!」と腹を括ってスタート!
ゆっくりウォーキングのレベルから少しづつペースを上げていきます。13km/hくらいからだいぶ息が上がって、そこからはどこまで持ちこたえられるかといった感じ。結果、心肺機能も脚もこれ以上無理! というところまで追い込み、16.5km/hのところで手を挙げてストップをかけました。
走行後、まもなくしてできあがったフィードバックシートがこちら。計測結果を見てもらったところ、かなり追い込めているとのことで一安心。同測定は極限まで追い込むことに意味があって、追い込めてるかどうかは数字でわかるらしいです。
私の場合、最大心拍が200(測定結果の一番上に記載)。一般的に最大心拍数は計算式で出せるといわれていますが、それはあくまで目安で個々によって違うのは当然。ここではひとりひとりの数値を知ることができるのがポイントです。実際、私の年齢だと計算上は186~190くらいの数値が出るそうで、200まで心拍が上げられるのは心肺機能が強いということですね!
ほかにも、具体的に色々な数値が算出されます。
●現状の心肺機能&脚力でフルマラソン自己ベストを期待できる1kmあたりのペースが5’27!
●同ペースを維持したときに狙える自己ベストが3:49’45!
やった!サブ4狙える!! ちなみに「AT値」とは、フルマラソンでベストタイムを出すための適正心拍を表した数値。有酸素運動から無酸素運動に変わる運動強度の境界値のことで、私のAT値は166。これ以上の心拍で走るとオーバーペースということになります。実際にフルマラソンを走るときにはかなり役立つ数値ですね。
私が記録に挑戦するかはさておき(笑)、現状の計測結果より良いタイムを目標としてトレーニングに励めば、きっと記録が更新できるはず。今回の私の結果を例にすると、3時間45分切りや、貪欲に行くならサブ3.5という目標を視野に入れることもできるかもしれません。ランニングのスタイルは人によって様々ですが、ランナーにとって「自分の現状が数値化されることで、より具体的な目標設定ができる」のはとても効率的といえるでしょう。
無謀な目標を立てて達成できないとランニング離れにも繋がってしまいますし、初心者のランナーは具体的な目標設定が難しかったりします。感覚で走っているベテランランナーも数値として出てくるので、計測してみると面白い結果が出るかもしれませんよ!
パーソナルトレーニングやランステも完備!
最後に、SSLの施設についてもレポートしておきましょう。地下には鏡張りのトレーニングルームがあって、ここではパーソナルトレーニングで自分の弱点を重点的に強化することができます。身体を絞りたいという場合は、ボディメイク目的でも使えますね。
シャワールームとロッカーも併設しているので、ランステとしての利用も可能。仕事帰りに一汗かきたい、原宿・表参道界隈を走りたいという人にもぴったりです。ダイエット目的で低酸素トレーニング×パーソナルトレーニングでボディメイクするのももちろんあり!
なにから始めていいかわからない初心者ランナーも、とにかく上を目指すトップアスリートも。レベルを問わず、ひとりひとりに合わせたトレーニングができるのがSSLの最大の魅力です。そして、この立地にこの空間にこの内容! 意識の高い人たちが集まりそうです。私は単純に、残暑が厳しいこの時期に外を走ると数キロでバテてしまうので、「低酸素ルームで手軽にトレーニングして、秋の大会も走れる身体をキープできたら最高!!」と思いました。
【URL】
SPORTS SCIENCE LAB https://sslab.tokyo/
中村優オフィシャルブログ https://lineblog.me/nakamura_