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2019/1/13 18:00

日本代表が参戦中のアジアカップ、ボールは日本企業製って知ってた?

UAEの地で熱戦が繰り広げられているAFCアジアカップ2019。森保一監督率いる日本代表も1月9日に初戦を迎え、苦戦を強いられたもののトルクメニスタンに3-2で勝利し、白星スタートを飾っている。

 

アジア最強を決める大会ということで当然選手やチームに注目が集まるが、忘れてはならないのがサッカーボールだ。

 

実は大会を主催するアジアサッカー連盟(AFC)は、日本の広島に本社を置くmolten(モルテン)と契約を結んでおり、アジアカップでも同社のボールが大会公式試合球として使用されている。

 

moltenのサッカーボールにおけるフラッグシップモデル「ヴァンタッジオ5000プレミア」に搭載している技術を採用し、独自の熱接合技術により真球性や超低吸水を実現。表皮のディンプル(くぼみ)加工によって、飛行中の空気抵抗によるボール軌道のぶれを抑制しているという。

 

サッカーボールの革新は、2006年のドイツワールドカップの頃から顕著となった。特にGKにとって厄介なのがボールを曲げる、落とすといった変化のアクションで、ブレ球や無回転などのキックがやりやすくなりそれらを武器とする選手が多くなった。

 

無回転フリーキックのような必殺技的シュートが目立つようになったが、一方でGKの対応力には限界があり、不規則な軌道が原因でのゴールも増えた。そのため2010年代以降のボール開発は「安定性」が重視されており、今回の大会ボールも左右対称のシンメトリーデザインを採用し、ボールの回転時に安定した視認性を確保するなどの配慮がなされている。

 

こちらはAFCのオフィシャルマッチボール。ビーチサッカーではオレンジベースのデザイン、上記のアジアカップ向けはUAE大会を象徴する赤、緑、黒が使われているなど、大会や種目ごとにカラーリングが異なるのが特徴だ。

 

moltenは1958年に明星ゴム工業を退社した技術者が設立。adidasと技術提携したことで、一躍世界的なスポーツメーカーとなった。特にサッカーボールには定評があり、アジアだけでなく欧州でもUEFAヨーロッパリーグの公式球などに採用されている。世界でシェアを獲得している、日本が誇る隠れた優良アイテムだ。