“東京2020”でオリンピック種目に選ばれるなど、にわかに脚光を浴びているスポーツに、サーフィンがある。
5月6日(月・祝)と7日(火)には、東京五輪のサーフィン競技開催予定地でもある、千葉県一宮町釣ヶ崎海岸にて、「第1回ジャパンオープンオブサーフィン」が開催される。この大会で好成績を収めれば、9月のISAワールドサーフィンゲームスへ、サーフィン日本代表“波乗りジャパン”としての出場が決まる。さらにそこでアジア1位にでもなれば、五輪代表の有力候補になるわけで、まさにこの大会から、五輪代表の選手選考が本格的にスタートすることになる。
そしてオリンピック競技ともなれば、その裾野の拡大にも期待がかかる。もともと海に囲まれた日本は、もっと愛好家が増えてもおかしくない環境にある。サーフィンに適したスポットもそれなりにあり、注目度の高まりとともに環境の整備も進んでいくことだろう。
ただし、実際問題としてサーフィンは上達が難しいスポーツの1つでもある。経験者ならよくご存じのことだろう。特に週末サーファーともなると、海に行ける回数も限られ、必然的にコツをつかむのに時間がかかってしまいがちだ。何度もトライして自分なりの感覚をつかんでいくしか、上達の方法がないからだ。
そんな悩みをテクノロジーの力で少しでも解決したいと開発されたアイテムが、日本で発売された。手のひらサイズのセンサーをボードに装着するだけで、サーフィンの上達に役立つポイントを的確にアドバイスしてくれるという、「ライドコネクト」がそれだ。
その機能を簡単に説明しよう。「9 軸モーショントラッキングセンサー」を内蔵する手のひらサイズのデバイスをボードに装着する。すると、センサーがライディングの速度や距離、時間、回数などのデータを記録&解析し、専用のアプリでライディングを追体験できる。さらに、アプリのスマートコーチ機能が上達ポイントを的確にアドバイスしてくれる……ということになる。
デバイス本体はIP67の高度な防塵・防水性能を持つ。スマホアプリとの接続はBluetooth(4.1)によって行われ、アプリはAndroidとiPhoneに対応。50時間分記録できる大容量メモリを内蔵し、バッテリー寿命はフル充電でおよそ10時間。自分のライディングを記録するには十分な性能を持っている。
「9 軸モーショントラッキングセンサー」は、3軸の加速度センサー に 3軸の角速度センサー、そして 3軸の磁気センサーでライディングを6段階で評価。加えて、良かった点、悪かった点を指摘してくれるから、自分の課題を明確に把握できる。
これらのアドバイスと評価は、ボードにかかる荷重や動きを独自のアルゴリズムで解析した結果としてアプリを通じて表示される。スマートコーチ機能でのアドバイスを含め、これまで経験者やインストラクターが感覚や経験値で伝えてきたことを、データの解析によって数値に置き換え、アルゴリズムを組んでいくことこそが、こうしたデバイスのもっとも難しいポイントだ。
デバイスを開発したのは、フランスのサーフィンのメッカでもある、ソール=オスゴールにあるBYTHEWAVE Technologies社。8歳からサーフィンを始め、パリ国立工芸大学大学院で運動工学とロボット工学で博士号を取得したKévin Lestrade氏によって2015年に設立されたという。2014年の研究着手から4年の開発期間を経て、昨年10月から欧州などで販売されている。
「ライドコネクト」が対象としているのは、サーフィンの初心者や初級者。彼らをたいていの波でもライディング可能な中級者に導くことを目的としているから、週末サーファーには最適なパートナーとなってくれそうだ。紹介した画像は英語のアプリ画面だが、日本語化も進められている。一般販売は6月からの予定だが、現在クラウンドファインディングサイト(https://www.makuake.com/project/bythewavet/)で先行販売中で、販売予定価格の本体税込み2万9800円(※別に装着用アタッチメント=2980円が必要)より割引価格で購入できる。