怖!!!
これ、れっきとしたゴルフのパターである。その名も「鬼瓦パター」。伝統的日本家屋の瓦屋根の端に飾られるホンモノの鬼瓦が、ゴルフのパターになった。置物ではない。実際にパターとして使うために作られた、粘土瓦で作られたパターなのだ。
調べてはいないが、きっと日本で、恐らくは世界で唯一の瓦のパター。その使用感は、「金属製のパターでは絶対に実現できない、柔らかいフィーリング」が大きな特徴とのこと。とにかく打感が柔らかいので、早いグリーンには最適。パッティングの際にパンチが入っても、金属製パターより反発が柔らかいから、下りのラインでも思い切って打てるという。
とはいえ瓦である。瓦は粘土を素焼きにした焼き物。強度は大丈夫なのだろうか?
「一般的にゴルフをされる方が普通に使っていただく分には、全く問題はありません」と答えてくれたのは、「鬼瓦パター」プロジェクトの発案者であり、屋根工事会社社長の山本剛史さんだ。「当然コンクリートなどの硬いモノにぶつければ割れてしまいますから、非常識な使い方をすれば壊れます。でもパターとして使用をしていただいている限りは、割れてしまって使いものにならないということはないと思います」
鬼瓦は、「鬼師」と呼ばれる専門の瓦職人が、その1つ1つをすべて手作りで作る。「鬼瓦パター」もまったく同様に、鬼師が魂を込めてパター作りを行う。
フェイス部分はプロの技術者が綿密に研磨し、
シャフトを取り付けて完成となる。もちろんシャフトの長さは指定できる。ちなみに原材料となる土も、日本の三大瓦産地の1つ、兵庫県淡路市の約200万年前の地層から掘削した土を使用。全てが本物であり、本気のものづくりプロジェクトなのだ。
それにしても、なぜ瓦でパターだったのか?
「日本人の瓦離れもあり、瓦業界の低迷が続いている中、何か新しいことで瓦の魅力を感じてもらえないかということで、プロジェクトメンバーの窯元さんの協力の元、ゴルフをする窯元さんの発案で、鬼の顔を入れたパターを作ることになりました」(山本さん)。そして、実際に作って使ってみるとしっかりと実用性があり、瓦独特の打感も出せるということで、今回のプロジェクトが立ち上がった。
このパターを使うゴルファーは、パッティングのたびに鬼の顔と向かい合わなくてはならない。「弱気になった際には、鬼面がきっと喝を入れてくれるはずです」と山本さん。そして怖い鬼面とは裏腹の独特の柔らかな打感が多少のパンチをも許容してくれるから、常に強気で攻められるということ。200万年前の土から作られた自分専用パターが、あなたにゴルフ運をもたらしてくれるかも!?
1品1品が完全ハンドメイドだけに、決して安い製品ではないが、世界で唯一の自分だけのパターが手に入るということでもある。本物の職人が生み出す至高の「鬼瓦パター」。現在クラウドファインディングサイトで支援者を募集している(https://www.makuake.com/project/kawaraputter/)。日本の伝統的なものづくりの可能性を広げるこのプロジェクトに、あなたも参加してみてはいかがだろうか。