ダイレクトメールやら請求書やらクレジットカードの明細やら、なんだかんだで平均して1日辺り3~4通は封筒を受け取っている。その毎日のように届く封筒だが、大きく2つに分類できる。“ムカつく封筒”と“ムカつかない封筒”だ。内容的に言えば、請求書やクレジットの明細はムカつく封筒にあたるが、そういう事じゃない。もっと物理的な話である。
筆者はだいたいペーパーナイフを使って封を切るのだが、たまに、横からペーパーナイフの刃が入らないほど隙間なくピチッとフラップ(ベロの部分)を接着している封筒がある。これが非常に開けにくくて、ムカつくのだ。
対策として、封筒の上端数mmをまっすぐ切り落とすタイプのレターオープナーも存在するが、これも「封筒の高さいっぱいまで中身が入っているかも……」と想像すると、使うのがちょっと怖い。そういう困った封筒に対して、いまのところ最善手と思われるツールが、LIHIT LAB.から発売されているレターオープナー「アケルンダー」である。
LIHIT LAB. アケルンダー/648円
わかり易すぎるネーミング。名前を聞いただけで「ああ、開封する道具だな。むしろ開ける以外に何もできない道具だろう」と理解できるが、まさにその通り。開けにくいムカつく封筒を開けてしまう専用ツールなのだ。
使い方は非常にシンプル。グリップの先にサブ刃・メイン刃の2つの刃が付いているので、まずはサブ刃を封筒のカドに当てて斜めにサクッと切り落とす。つづけて、いま空いた穴にメイン刃を挿し込んでスパッと真っ直ぐ引けば、開封作業は完了する。
サブ刃でトス(封筒に穴を開ける)、メイン刃でアタック(サブ刃の開けた穴から突っ切る)、という役割分担をすることで、どんなにしっかり閉じた封筒でも開封できるというわけだ。作業自体も、サブ刃を使ったまま手の中でグリップをくるっと90°ひねればメイン刃が使える体勢になる。
いちいち持ち替えるなどの必要がないため、2ステップ使っているのに「余分な作業をしている感」があまりない。本当にスムーズだ。ちなみに、構造の裏表が関係ないので左利きの人でも気にせず使うことができる。
ただ、封筒の口を切り開く最後の所で、メイン刃を穴に突っ込むためのガイドの先端が封筒端に当たり、刃が止まってしまうことがある。パッケージ裏の説明にもある通り、こういうとき刃が止まっても無理矢理最後まで引き切ること。するとガイドの先端のトガリで封筒を突き破ることができるのだ(あまりスマートじゃないけど)。
いくらサクサク開封できるからといって、やはり一日に何通も開けていたらいずれは切れ味が落ちることは予想できる(1ヶ月ほど継続して使っているが、今のところはまだ大丈夫そう)。そういう場合、アケルンダーは刃交換が簡単にできるようになっている。というか、そもそも最初からグリップ内に交換用の替刃がストックされているという準備の良さだ。
しかも、メイン/サブで同じ刃を共用しているので「どっちの刃を入れたらいいかわからない」というトラブルがない。切れ味が落ちたら、とにかくストックから刃を取り出して替えたらいいだけである。
刃を交換するときは、「OPEN」の矢印通りにカバーをスライドさせれば刃が見えるようになる。慣れないと指で刃を直接つまむのはちょっと危ないので、爪楊枝かなにか細いもので刃をつついて取り出して交換して欲しい。