文房具
2017/3/28 17:53

女子力53万の文房具をおっさん連中が持つためには? 切れ味抜群の「スティッキール ボーテ」を“男前”にアレンジ!

いま、文房具好きの間でハサミに関してちょっと困った問題が起きている。……といっても、困っているのは基本的に男性、とくにおっさんばかりなのだが。

 

で、筆者を含めたおっさん連中がどう困っているのかというと「持ち運び系ハサミの中で一番良く切れるとウワサの新製品が、可愛すぎて筆箱に入れておきにくい」のだ。正直、本当に困って途方に暮れている。

 

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サンスター文具 スティッキール  ボーテ 各1080円

サンスター文具の「スティッキール ボーテ」(ピンク・ペールピンク・ホワイト・バイオレット・ミントグリーンの5色展開)は、ご覧の通り女子向けというか、女子以外が持つという想定を1mmもしてないルックスの超女子ハサミである。もう、すっごいジョシジョシしているのだ。

 

↑見た目はほぼコスメという女子力の高さ
↑見た目はほぼコスメという女子力の高さ

 

パールのつやつや塗装も、リボンをあしらったリングも、全部女子っぽすぎ。これをおっさんが堂々と使いこなすとなると、ちょっとハードルが高い。サイズも、先代の「スティッキール」と比較すると、直径1.5mm、長さは16mmも小さい。先代も「女子向けのコンパクトなハサミ」とかなり謳っていたが、それよりさらにスリム&コンパクト化しているわけだ。

↑先代スティッキールとの比較。一回り以上コンパクトになって筆箱にも収納しやすい
↑先代スティッキールとの比較。一回り以上コンパクトになって筆箱にも収納しやすい

 

小さいのは持ち運びに良いが、さすがにここまで小さくなるとおっさんの手にはやや辛い。グッとハンドルを握って切る時に安定させる、という使い方は最初から考えない方が良いだろう。

 

むしろ「指でつまんで気軽に適当にチョキチョキさせて切る」ぐらいの感覚で使うと、これがおそろしく良い仕事をしてくれるのだ。肝心の刃も、先代から比べると大きく変化している。まず一目でわかるのが、刃幅が広くなったのと片側カーブ刃の採用だ。

↑ボーテ(左)と先代スティッキール(右)。進化して刃幅が広くなったため、力を入れて切る時の安定感も高い
↑ボーテ(左)と先代スティッキール(右)。進化して刃幅が広くなったため、力を入れて切る時の安定感も高い

 

実は先代もファニーな見た目のわりに良く切れると評判だったが、このボーテの新しい刃はさらに良くなっている。カーブ刃はものを切るときに滑って刃が逃げることもあるが、滑りにくい直刃と良く切れるカーブ刃を組み合わせることで、切れ味を安定させているのだ。

↑切れ味が高く、段ボールや厚紙でも刃の先端までしっかり切り込める
↑切れ味が高く、段ボールや厚紙でも刃の先端までしっかり切り込める

 

切り比べてみるとわかるが、まず靴下のタグや厚紙を切るとき、カーブ刃のおかげで刃の先端まで使い切ってざっくり切れる。試しにコピー用紙を4回折り重ね(16枚厚)て切ると、写真の通りはっきり刃の入り具合に差が出ているのがわかるだろう。

↑コピー用紙を4回折って重ねたものをカット。刃のサイズはボーテが一番短いが、唯一刃の先までフルに使って切れている
↑コピー用紙を4回折って重ねたものをカット。刃のサイズはボーテが一番短いが、唯一刃の先までフルに使って切れている

 

とはいえ実際のところ、持ち歩き系のハサミでこんな無茶な厚物切りをする機会はほとんどないだろうが、それでもハサミだ。切れないよりは切れた方がうれしいというもの。あと、これは直接に切る性能には関わってこないが、開閉バネを刃に内蔵しているので、見た目がとてもスッキリして美しい。この辺りのルックス的なこだわりは、男女問わず良いものは良いって感じ。

↑刃の内側に開閉バネが仕込んであるので、外からはほぼ見えない
↑刃の内側に開閉バネが仕込んであるので、外からはほぼ見えない

 

ともあれ、ボーテがかなりクオリティ高いハサミだというのは理解してもらえたと思う。あとはアレだ。この女子力53万を超えるぎゃんかわなハサミを、我々おっさんがどう持ち歩くかという問題だ。まず気になるのは、キャップのパールカラー。ともかくここがあまりにも女子色過ぎて、おっさんの手を阻む。

↑マステ巻きは有効な手段。お相撲さん柄で男子力をアピールする
↑マステ巻きは有効な手段。お相撲さん柄で男子力をアピールする

 

なので、まずはマステを巻いてしまうことで色をカバーするのは良さそうだ。迷彩色など女子感の薄い柄のマステを使うことで、さらにおっさん寄りに引きこむことも可能だろう。もう少し手を加えられるのであれば、中央のリボンは削り落としてしまい、キャップ全体は塗装しなおすのもアリ。

↑メッキとリボンを削り落として再塗装。さすがにここまでやると面倒くさいので、もうそのまま持ち歩いてもいい気がしてきた
↑メッキとリボンを削り落として再塗装。さすがにここまでやると面倒くさいので、もうそのまま持ち歩いてもいい気がしてきた

 

ここまで煽っておいてなんだが、もちろん女子力そのままでおっさんが持ち歩いたって、なんら法に触れるわけではない。要は、気分的にイケるかどうかの問題だ。とにかく持ち歩く価値は充分にあるハサミなので、自分にマッチした状態で筆箱に放り込んでおいて損はない。