8月も半ば、お盆の時期になると、筆者も含めて文房具関連のライターはほぼ例外なく、「あー、そろそろかー」と、なんとなく身構えることになる。何に身構えているかというと、9月、新しい手帳シーズンの始まりに対してである。
お盆が過ぎるとそろそろ、各メーカーから新年度手帳のプレスリリースも送られ始める。「今年はどんな手帳が流行るのかな」とか「なんか目新しい手帳が発売されたら、紹介記事が盛り上がるんだけどな」とか、そういうことをこの時期から考えておかないと、新年度手帳の情報に乗り遅れてしまう。ということでワレワレ、結果として自然とお盆に対して身構えてしまうわけである。
で、そんな手帳シーズンが来る前に、手帳本体ではなく手帳関連グッズで面白いモノが発売されていたので、今回はそのあたりを紹介しておこうと思う。
端からチラっと見せるインデックス
今年のISOT(国際文具紙製品展)でも“面白い新製品”として話題になっていたのが、デザインフィルの「チラットINDEX」。
なにがどう面白いかというと、まず手帳からほとんどはみ出さないインデックスシールである、ということ。インデックスといえばそもそも手帳やノートからはみ出してこそ、どのページに何があるかという目印になるのだが、この「チラットINDEX」は、そこをあえてはみ出さないように作られているのだ。
貼った時のはみ出し幅は、わずか2.5㎜。普通は、使い道に合わせて「マンスリースケジュール」「1月ウィークリー」「タスク管理」などをインデックスに直接自分で書き込むものだが、2.5㎜しか幅がないとなると、米粒写経並みの筆先精度が要求される。これはまず不可能だ。
なので「チラットINDEX」はそもそも書き込まない
最初から1〜12までの数字が印刷されたものと、12種類の記号が印刷されたものの2パターンがあり、どのページにどの数字(または記号)を貼ったかは自分で憶えておけよ、というシステムになっているのだ。不親切に思えるかも知れないが、しかし普通の書き込み型インデックスでも、開く時にいちいち何が書いてあるかを確認して開いているだろうか? 使っているうちにすぐ「このあたりにマンスリーがあるはず」など場所を憶えてしまうから、インデックスはページを正確に開くための指がかりにしかすぎないはずだ。
であれば、数字や記号が書いてあるのはむしろ親切。「3月のウィークリーは斜線パターンだな」というぐらいの使い方で、充分に実用になるのである。
もちろん、幅2.5㎜というのはイジワルでやっているのではない。これぐらいはみ出していない方が便利なのだ。
はみ出しすぎるインデックスシールは剥がれやすい。カバンの中でシールのはみ出し部分が引っかかって剥がれたり、ページがめくれており曲がったりするのは良くあるトラブルだが、この程度のはみ出しなら、ひっかかる可能性はほぼない。なにより手帳カバーをしているなら、幅2.5㎜はだいたいカバーの内側に納まってしまう。見た目にもスッキリとして、ページを開く指がかりには充分。さらに剥がれ落ちる心配も少ない。
使ってみると「へー、これぐらいのチラ見せで充分だったのか」と気付かされる、新しいインデックスシールである。
ベルトシールは“ベリベリ”が正解
同じくデザインフィルから新しく発売された「ベルトシール 面ファスナー」は、これまで発売されていた手帳用ベルトを増設するシールシリーズの最新バージョンだ。
これまでのベルトシールはマグネットとスナップの2種類だったが、新たに面ファスナー式のベルトがラインナップされたということになる。
カバーにゴムバンドやベルトなどが付いていないタイプの手帳は、カバンの中で勝手に開いたりして不便なもの。じゃあベルトをシールで貼り付けて増設すれば便利! ペンホルダーまでついてさらに便利! ということで、ミドリのベルトシールはこれまでも愛用者も多い手帳関連グッズだ。しかし、従来のマグネット式もスナップ式も、留めるポイントは1点のみ。中にどんどん資料を挟んだりスクラップ的な貼り込みをしたりして手帳が分厚くなっていくと、どうしても留めにくくなってしまう。
そんな使いにくさに対しての解決案が面ファスナー式のベルトだ
面ファスナー式は留め幅が約40㎜あり、この間であればどこでも固定が可能。多少の貼り込みで分厚くなったとしても、柔軟にベルト位置を変えて留めることができるのである。
マグネットのようにパチンパチンと開閉できる小気味よさはないが、毎年後半になると手帳がパンパンに膨れあがるタイプの人なら、好きなところでベリベリできる面ファスナー式がベストかもしれない。