【きだてたく文房具レビュー】クリアファイルを飲み込むクリアファイル
いま、来年2月に出る予定の超面白い文房具本(ご期待ください!)を執筆している最中なのだが、現時点でかなり時間が無く、なかなかのギリギリ進行。そのため、ちょっとした空き時間を見つけては原稿チェックをせねばならず、チェック用の原稿プリントアウト100枚ほどを、常にカバンに放り込んで持ち歩いている。
これが重いのはまぁ仕方ないとして、A4の紙束100枚というのがやたらと持ち運びにくい。
最初は適当な角2封筒にドサッと放り込んでいたのだが、厚みがあるためにきちんと納まりきらず紙の端が飛び出していたり、あとは何度もカバンから出し入れしているうちに封筒のカドが擦れてボロボロになってきたりと、あまり具合がよろしくなかったのだ。
こういうの、どうしたらいいんだろう? と考えていたら、フと、先日の文房具関連展示会で新製品として紹介されていたクリアファイルを思い出した。アレ、使えるんじゃないだろうか。
ということで思い出したアレというのが、セキセイの「ActifV フリップファイル」。一見したところ、特に代わり映えのしない普通のクリアファイルなのだが、まず容量が違う。コピー用紙でなんと100枚を飲み込んでしまうのだ。100枚! それ、まさにいまピッタリ欲しいやつである。
マチの厚さが最大で16㎜とかなりの幅広になっているため、実際にコピー用紙100枚(厚さ約9㎜)を入れても、キツキツにならない。指を差し込む余裕もあるので、書類を取り出すのもかなりラクだ。「100枚収納可」とあるのは、それなりに安全マージンを取った数字のように思える(実際130枚ぐらいは安定して入った)。
また、普通のクリアファイルごと収納ができるので、たとえば会議資料を人数分それぞれクリアファイルに入れて、それをさらに収納する……という使い方も可能だ。
今回の使い方で言うと、頻繁に中の書類を取り出すという条件があるのだが、これまたフリップファイルは充分に条件を満たしていた。
収納した紙が勝手に飛び出さないようにフラップ状のフタがついているのだが、製品名の通り、フラップのタブをめくる(flip)するように反らすだけでフタがガバッと大きく開き、書類にアクセスすることができるのだ。このフタが非常に良くできていて、閉まった状態だと振ろうが逆さにしようが勝手に開くことはないが、手でめくれば何の力もいらずにスルッと開く。片手でも簡単にできるので、これが非常に使いやすい。
フタが短辺側についているタテ型とヨコ型があるが、これは自分の使っているカバンの形状で使い分けるといい。このフラップ状のフタのおかげで、ファイル自体はカバンの中に入れたまま、書類の出し入れができるからだ。
つまりリュックならタテ型がいいし、トートやビジネスバッグならヨコ型が便利、ということ。
今回の筆者の使い方は、「最初からたっぷり紙を入れて持ち運ぶ」用途だったが、例えば、展示会などでカバンの中に空っぽのフリップファイルを入れておき、ブースで資料やカタログをもらう度に、その場でどんどん放り込んでしまうのだ(展示会の資料はクリアファイルに入っていることも多いが、もちろんそれもそのまま入る)。
本体がしっかりした厚めの素材でできているので、多少手荒に扱っても、中身が折れ曲がるようなことはない。また、マチが厚いこともあって、ファイルボックスに入れてもへにゃっと崩れることなく自立してくれる。プロジェクトごとに資料を分類して整理する際にもかなり使えるだろう。
大量の書類持ち歩き・資料の分類整理などほぼ万能に使える気がするので、このフリップファイル、ちょっとまとめ買いしてみたいと思う。
【著者プロフィール】
きだてたく
最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。