ホルダーをパカッと開くと、中はこのとおり。
カードサイズに収まるような平らな形の油性ボールペン(赤・黒)と付箋(大・小)がセットされている。ケースの端からペンを引き抜き、付箋にメモを取る、という作業がこれひとつで完了するわけだ。カードホルダーを台にして書けるので、場所も選ばない。
大付箋が貼られたシートは、インデックスのついた仕切りになっている。ここはメモをとった付箋を一時的に収納しておくのにもいいし、名刺なら予備を2~3枚ストックしておくことも可能。いつもランチに使っているお店のサービス券などを入れておく、なんてのもアリだ。
ちょっとした紙片を紛失することなく確実にとっておけるのは、日常生活の上で意外と便利なのである。
実はこのペモ アイディー、元々は1980年代にゼブラから発売されたカード型ペンセット「カーディー」がベースになっている。’80年代といえばシステム手帳がブームになったタイミングであり、そのシステム手帳のカードポケットに収納しておけるカード型文具も一緒にブームになった、という経歴がある。
残念ながら、システム手帳ブームの終焉とともにカード型文具の存在も消えてしまったのだが、そこから30年以上経った今、IDカードホルダーという新たな居場所を見つけ、カード型文具が実用ツールとして再評価されるようになったのは、面白いものだと思う。
【著者プロフィール】
きだてたく
最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。ブング・ジャムのメンバーとして参画した『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)が発売されたばかり。