【きだてたく文房具レビュー】かゆいところに手が届いたオフィス通販の新製品
“オフィス通販”と聞くと、どうしても“まったく普通のアイテムを安く早くお届け”というイメージがある。
もちろんそういう一面もあるだろう。だが、実は最近のアスクルやカウネットなどオフィス通販会社は“まったく普通じゃない”機能を持ったオリジナル文房具の開発なんかもやっているのだ。なにせ、彼らはユーザーに直接製品を手渡す立場。製品のここがイヤ、ここを改良しろ、という文句もダイレクトに聞いている。開発にあたって、これほど役に立つものはない。
以前にも、そうやって開発された便利文房具を紹介したが、また新たにアスクルのカタログで面白いものが出ているのを見つけたので、さっそく紹介したい。
「キャップ開けっぱなしで3日間」に耐えるラインマーカー
アスクルとシヤチハタが共同開発したのが、「乾きにくいラインマーカー」。
名前そのものズバリ、キャップを開けたまま放置しても、ペン先チップが乾きにくいラインマーカーである。わかりやすさ前提のオフィス通販アイテムらしいネーミングだ。
ラインマーカーの書き込みは、ペン筆記のついでにやることが多いので、いちいちキャップを開閉するのが面倒くさい。とはいえ、うっかり開けたままにしておくとそのままキャップを閉め忘れて、結果、半日後に気付いた時にはもうペン先がカスカスに……ということも、筆者は経験している。
「そんなだらしないこと、しないよ!」という生真面目タイプの人であっても、キャップの開閉という作業自体には手間がかかるし、面倒だと感じているはず。キャップを閉めなくても問題ない、というのは、作業効率化に直結する便利さなのだ。
シヤチハタは以前に、インクが乾燥時にペン先チップで薄い膜を張ることで乾燥から守る油性マーカー「乾きまペン」を出していた。今回のもそれと同じ仕組みかな? とはじめは思ったのだが、どうやら聞いてみると違うらしい。
今回のラインマーカーは新たに“水分を保持する特殊なインク”を搭載。これにより、ペン先で水分を失った顔料の粒子が目詰まりを起こす“ドライアップ”を防ぐようになっているそうだ。
実際に試してみたところ、確かに3日間キャップ開けっぱなしでもペン先がかすれた感じもなくスムーズにマーキングできた。5日後、1週間後でもこの通り。色が煮詰まって濃くなるということもなく、平常通りの筆記感だ。
もちろん、夏場ほど気温が高くないという現在の状況もあるだろうが、それでも能書きに偽りなし、といった感じである。
続いて、もうひとつの新製品が「書く」と「開ける」を合体した現場ワーク専用マーカーである。
「書く」と「開ける」が合体! 現場ワーク専用マーカー
もうひとつ紹介したいのが、お馴染み油性マーカーのド定番、ゼブラ「マッキー」の新アイテムとして登場した「マッキーワーク」だ。
こちらはアスクル限定ではなく、2018年8月までの先行販売という形になっている。
流通センターや倉庫、引っ越し業者など物流の現場で作業する人が絶対に手放せないのが、油性マーカーと段ボールの開梱用カッター。その二大アイテムが悪魔合体した!ということで、不便な要素が全く感じられない製品なのである。
マッキー要素は従来の「ハイマッキー」と同じ、使い切りのツインマーカータイプだという点。
段ボールやビニールパッケージ、プラスチックまで素材を選ばずガシガシ書ける油性マーカーの代名詞として、現場ワーカーには欠かせない筆記具である。全世界の累計販売数8億本以上という、お馴染み過ぎるぐらいに手馴染みのある製品だけに、こちらに関してはもう今さら何も言うことはないだろう。
対してお馴染みでないのが、キャップから10㎜ほど伸びた黄色い樹脂パーツ。これがマッキー“ワーク”という名前の元になっている、段ボールオープナーだ。
先端が鍵のようになっており、尖ったカドの部分から梱包テープに突き刺してズバババッと切り引くと開梱できる。
刃はついていないので、ビニールテープ梱包だと切り開くのに少し力が必要だが、その代わりに中の荷物にダメージを与える危険性は少ない。また、ポケットにそのまま突っ込んでも安全だ。
あと、ラベルにも「使用上の注意」として記載されているが、使うときは軸だけでなくキャップまでしっかり持つこと。力を入れすぎてパコッとキャップが外れると、だいたい握っていた手の方に黒々と油性インクが付いてしまう。何度か試しても外れるようなことはなかったが、念のためそこは注意しておいた方がいい。