文房具
2018/4/24 17:00

大きなおともだち歓喜!「ハンディ顕微鏡DX」のミクロ視点で我が家が大冒険ランドに

500円玉を拡大すると国家機密が見える?

冷蔵庫の次は、いつもの財布の中身を拡大してみよう。

 

例えば10円玉を落射モードで拡大してみると、肉眼ではまったく認識できていなかった細い線が、いっぱい刻まれているのだ。

↑見慣れた10円玉も、拡大すると驚きの精密さ

 

↑約250倍で見てようやく分かるような細い溝も。どうやって作っているのか不思議だ

 

たかだか直径23.5㎜の中にこれだけの複雑な起伏があったとは! かなり探検しがいのあるミクロの世界である。

 

ただ、ハンディ顕微鏡DXを直に10円玉に載せると安定しないので、じっくりと見るのが難しい。そういう時には、木工用ボンドで転写コピーを取ってしまうと観察がラクになる。

↑顕微鏡を直接置いて見にくいものは、ボンドを塗って写し取る

 

↑乾燥したら、パックをめくるように剥がす。完全に透明になるまで待つのがポイント

 

10円玉の上に木工用ボンドを少し厚めに塗って、透明になるまでしっかり乾燥させたら、剥がして軽く伸ばしてからスライドガラスに貼るなり、ライトパネルに直接置くなりすればOK。

 

細かいエッジまで写し取った透明コピーを透過モードで見ると、これまた不思議な世界が楽しめるのだ。

↑肉眼で10円玉を見ても、こんな規則的なドットってあったっけ? と疑問を感じる。こういう凹凸は透過モードのほうが、陰影がくっきりするので見やすいだろう

 

木工用ボンドによる転写コピー法は、ほかにも指の指紋やボールの表面など、顕微鏡を直接載せられないものに使うと有効なので、覚えておいて損はない。

 

もうひとつ硬貨で、500円玉には顕微鏡じゃないと見えない超極小の刻印が入っているのをご存知だろうか?

 

裏と表の両面にあるのだが、見つけやすいのは裏(500と刻まれている方)。「5」「0」「0」という数字のフチにそれぞれ「N」「I」「P」「P」「O」「N」が各0.18㎜という小ささで入っているので、ぜひ見つけてほしい。

↑ヒントは、赤で印をつけたあたり。これも転写コピーしたほうが探しやすいかもしれない

 

↑250倍にしてようやく「P」の文字発見!

 

実は、このマイクロ文字の情報は、硬貨を作っている造幣局のサイトにも載っていない。もしかしたら、偽造対策のための国家機密かも……? なんて話をしながら探すだけでも、充分楽しめるはずだ。

 

机の上も探検しよう!

続いては、机の上に移動して紙モノを拡大だ。

 

手元に付箋があったら、裏返してハンディ顕微鏡DXをセット。

↑付箋を顕微鏡で見ると、貼って剥がせる秘密がわかる

 

↑画面左が粘着面で、右が普通の紙部分

 

ペタペタとくっつく粘着面を拡大すると、紙の繊維の隙間に、さっきの大葉の表面のような透明のツブツブが見える。実はこれが、付箋の粘着材なのだ。

 

付箋の粘着は、面全体に糊がべったりついているのではなく、この球体状の粘着材が点々とピンポイントでくっつく仕組み。だから、ふせんは貼った後から剥がすこともできるというわけ。

 

もし机の上に宅配の段ボールがあるなら、それも拡大しておこう。ツルツルした表面を削ぐように剥がすと、茶色いモロモロとした紙が出てくるので、拡大してみると……?

↑段ボール表面の表面を薄く剥がすと、また秘密を発見!

 

↑太さや色もバラバラの繊維に混じって、印刷インクの残骸も

 

茶色や白色の紙の繊維に混じって、赤や青、緑の点が確認できた。

 

段ボールはそのほとんどが再生紙で作られているため、原料の雑誌や新聞など古紙に印刷されたインクがかすかに残っているのである。普通にティッシュなどの紙繊維を拡大して見るだけでも面白いが、古紙再生の段ボールは、さらにカラフルで見応えがあるのだ。

 

UVライトで秘密を照らし出せ

最後に、「UVライトモード」も試してみよう。UV=紫外線を当てるいわゆる“ブラックライト”で、いつもの照明では見えないものが浮かび上がってくるのである。

↑非破壊検査などで活用されるブラックライト=UVライトは、紫外線が蛍光成分を浮かび上がらせる

 

例えば、配達されたハガキのフチを照らすと……?

↑ごく普通のハガキも、ブラックライトで照らすと謎の模様が!

 

普通では見えないバーコードが現れる。

 

これは郵便局で使われている自動仕分け機が、手書きの宛名を読み取り、その内容を特殊なインクで印刷しているのだ。そのため、配達済みのハガキや封書にはこのようなバーコードが隠されているのである。※投函された場所によっては、バーコード印刷がない場合もあります。

 

最後にもうひとつ、ブラックライトでぜひ照らして欲しいのが、トイレの床と壁。

 

なんだかプラネタリウムのように、辺り一面の光点が見えるかもしれない。だが、そんなキレイなものじゃない。実はこれ、我々男子がトイレで小をする際に、気付かず飛び散らしていた飛沫汚れ。通常の明かりでは目視できない汚れも、ブラックライトで丸見えになってしまうのである(汚いので、写真は載せないが、ぜひ自分の目で確認してください)。一度見てしまったら、もうトイレ掃除を奥さんに任せっぱなしにできなくなること請け合いだ。

 

……いかがだろうか。家庭内のごく身近なものに潜んでいる「肉眼では見えない世界」を探検するだけで、これだけの秘密が見つかるの、すごくないか! ?

 

考えてみたら、例えば2DKの家だって、顕微鏡で見たらおそろしく広大な土地である。未だ見ぬ秘密はごろごろと転がっているに違いない。ご自宅探検隊の探索行はまだまだ続くのである。

 

さらに、このGWや夏休みにハンディ顕微鏡DXを野外に持ち出したとしたら……そりゃもう、見て楽しいものは無限にあると言っていいんじゃないだろうか。

 

試してもらったのは……


雑食系文具ライター/きだてたく さん
最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。ブング・ジャムのメンバーとして参画した『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)が発売されたばかり。

 

【レイメイ藤井の顕微鏡ラインナップ】

「ハンディ顕微鏡ZOOM」2160円
60倍〜120倍に拡大し落射モードで観察できるお手頃モデル。UVライトも搭載する。

「ハンディ顕微鏡petit」1620円
手の中に収まるほどのコンパクト・軽量モデル。拡大倍率20倍で落射モードを楽しめる。UVライト付き。

 

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