ポケットが足し引きできる薄型クリアーファイル
もうひとつ紹介したいのが、キングジムのクリアーファイル「ヒクタス±」。昨年発売の「フィタス」に対して、こちらは早くも10年前にポケットの増設機能を実装していたベテランである。
クリアーファイルで不便なところといえば、ポケット数でページが固定されているところ。ポケットが足らず「あと1枚入れば1冊で資料が完結するのに……!」という歯ぎしりをしたことのある人も多いのではないだろうか?
また、逆にポケットが余ってしまうのもスッキリしない。紙の入ったポケットと入ってないポケットでは手触りが違いすぎて、めくっているときに微妙に気持ち悪いのだ。
クリアーファイルのそういうスッキリしない感を「ヒクタス±」は、ポケットを細い樹脂製スティックで綴じるという、ちょっと変わった方式で解決している。
まず、ファイルをポケットの中央で開いたら、綴じ具のスティックを少し上にスライドさせる。するとスティックの凹んだところで押さえパーツから抜くことができるのだ。これであとは、ポケットを必要に合わせて足し引きできる、という仕組みである。
増やす方だと、20ポケット~60ポケットタイプなら最大で+10ポケット(リフィル5枚追加)が可能。これだけ増やせれば、だいたい納得いくページ数で収められるのではないだろうか。
しかも、ポケットを増やしても背幅が変わらないので、見た目はスリムなまま。
実際に資料をクリアーファイルで管理している方なら、この実用性の高さはハッキリと感じられるはずだ。
【著者プロフィール】
きだてたく
最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。近著にブング・ジャムのメンバーとして参画した『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)がある。