ビジネスツールの主役の座をパソコンが奪取して久しい。さらに最近では、スマホやタブレットも併用され、さまざまなディスプレイがデスクを占有している状態。ノートやファイルを広げたり、メモを筆記したりするために残されたスペースはわずかで、その限られたスペースをいかに効率よく使うか、頭を悩ませているビジネスパーソンは多いのではないだろうか。
そんな机上で繰り広げられがちな悩みを、スッキリ解決してくれる2つの“助っ人”プロダクツを紹介しよう。
【机上のお悩み1】
ペンスタンドが倒れやすくて気になってしまう……
ペンスタンドは、ペンをすぐ手に取れて便利な反面、バランスを失ってぐらついたり倒れたりしてしまうのが難点。またトレイタイプでは、目当てのペンを見つけにくく、机上の場所をとってしまう。どうにかならないか……?
押しても引いても倒れない「オクトタツ」が解決!
円柱形のボトル型ペンスタンドは、なぜすぐに倒れるのか。ノートの端が上部にコツンと当たった程度で倒れるし、底部に手を軽くブツけるとまるで足払いされたかように机上に沈む。さらにペンの重心が左右の一方に寄っただけでもヨロヨロと傾き、ひどい時はペンを取り出すと同時にバランスを崩し、机上にペンを散らしながらノックダウンすることも。結論からいうと、今までペンスタンドといわれてきた製品は、単に“ペンが入る”というだけで、筆記具を入れてしっかり自立させようという気はサラサラなかったのである。
長年見過ごされてきたこの難題をスッキリと解消してくれるのが、キングジムの“倒れないペンケース”、「オクトタツ」だ。置くと立つ! その名の通り、ペンを出し入れする時も、手やものが当たっても倒れにくいという、構造を初めて実現したペンスタンドといえる。
その秘密は、パッドとバネにあり!
倒れにくい秘密は、ペンケースの底面に内蔵した吸着パッドと衝撃低減バネにあった。底蓋を外して置くだけで、“吸着パッド”がスチールや木製机の表面にしっかりと密着。ペンを取り出したり、ものが当たったりした際の衝撃は“衝撃低減バネ”で抑え込む。この独自機構の合わせ技で、安定感のある自立を可能にしている。
パッドの粘着力はいずれ弱まってしまうのでは?
吸着パッドに机のホコリがくっついて、いずれ粘着力は弱まってしまうのでは? という心配は無用だ。粘着力の低下が気になるようになったら、ウェットティッシュや水で濡らした指で拭いて自然乾燥させれば復活、長く使い続けられる。
吸着パッドの蓋が邪魔にならない?
使う時に開けた底蓋は折り畳めるので、ペンスタンドのメリットである省スペース性はキープできる。また、キャップを閉じればカバンに入れて持ち運べるので、カフェや取引先の会議室など外出先でも活躍する。
小物が下に落ちて取り出しにくいのでは?
外したキャップは底蓋の上にセットできる省スペース設計。また大サイズの「No.2566」は、上部に消しゴムやクリップといった小物を入れられるスペースがつく。底に入ったものを取り出しにくい、ボトル型ペンスタンドの“小物問題”もこれで解消されるはず。
解決!
実際に使ってみると、吸着パッドと衝撃低減バネによるペンスタンドの安定感のよさに驚かされる。机の端に置いても安心できるし、しっかり自立するので、片手でも筆記具が取り出しやすい。また、吸着パッドを置いた後がベタつくこともなく、蓋を閉めれば、すぐに他の場所に移動して使うこともできた。「机が狭くてものが当たりやすい」「スタンドに多くの筆記具を差している」という悩み多き人はぜひ、使ってみてほしい。
【商品情報】
キングジム「オクトタツ」
No.2564 各950円+税
No.2566 各1200円+税
直径48×高さ192mm、筆記具を約8本収納できる「No.2564」と、直径60×高さ215mm、15本収納できる「No.2566」の2サイズを展開。「No.2566」のキャップには、高さ15.5mmの小物入れがついている。各サイズともカラーラインラインナップが豊富で、キイロ、アカ、ピンク、ミドリ、アオ、クロの6色を用意している。
https://www.kingjim.co.jp/sp/octotatsu/
さて、もうひとつは「付箋やブロックメモにメモするのがもったいない」というお悩みである。
【机上のお悩み2】
付箋やブロックメモにメモするのがもったいない……
急なタスクや備忘録、電話の取り次ぎなど、ちょっとしたメモに付箋を使っているけど、イチイチ使っていてはもったいないし、すぐ剥がれてどこかに紛失してしまう。どうにかならないか……?
付箋サイズの電子メモ「ブギーボード」が解決!
ビジネスシーンでは、タスクや電話のメモ、備忘録などの“ちょっとしたメモ”が発生することが多い。しかし、電話を取り次ぐたびに、「A社の○○さんからTELアリ」のような、一読して捨てられるメッセージを付箋に書くのは、どうももったいない気がするし、備忘録を貼り付けておいたものの、知らぬ間に剥がれ落ちて忘却の彼方……なんて考えるだけでおそろしい。そして何より、ブロック状になった付箋は、けっこう書きにくいのである。そこで思わず膝を打ったのが、キングジムの付箋サイズ型「ブギーボード」だ。
文房具好きにはすでにおなじみの電子メモパッド「ブギーボード」は、スリムで軽量な本体や、滑らかな書き心地、電源のオン/オフ操作なしですぐに書き込め、ワンタッチで瞬時に消去できる手軽さが人気のデバイス。この特徴をそのまま付箋サイズに凝縮したのが、「BB-12」である。
その秘密は“コレステリック液晶”にあり!
紙にペンで書くように筆圧で線の太さが変わる、ハイコントラストな3.9インチのディスプレイを搭載。このディスプレイは、アメリカのケント州立大学におかれた世界初の液晶研究所によって開発された、究極の低消費電力ディスプレイ“コレステリック液晶”である。筆記=加圧によって液晶の分子構造を変化させることで、筆跡を浮かび上がらせる仕組みで、専用スタイラスや指先などでも直接書き込みができる。何度でも繰り返し使え、書いたものを消す時にしか電力を使わないので、コイン型電池1個で約3万回も書き換えが可能だ。
軽くてコンパクトだと付箋のように失くしてしまわない?
背面にマグネットが付いているので、冷蔵庫など金属面にも貼り付けられ、オフィスのパーテーションや、家庭では家族への“冷蔵庫メモ”としても活用できる。金属面のないところでも、付属のマグネットシールを使えば、この“電子付箋”の定位置を確保できる。
解決!
電子ペーパー系デバイスのディスプレイにはさまざまあるが、「ブギーボード」の液晶は、とにかくスラスラとなめらかに文字や図、絵などが書ける上、黒地に文字がくっきりと浮かび上がる高コントラストのおかげで、メモが目につきやすいのもポイント。また、電池一個でおよそ3万回もメッセージを残せるので、紙の付箋と比較してもコストパフォーマンスは抜群。わずかなスペースさえあれば使えるので、電話をしながら使うメモとしてはぴったりだ。
【商品情報】
キングジム「ブギーボード BB-12」
各2700円+税
サイズは幅86×奥行き5.5×高さ86mm(スタイラス除く)で、質量はわずか約40g。CR2016コイン型リチウム電池1個で約3万回メモが書き消せる。スタイラス、マグネットシールが付属。カラーバリエーションも多く、ブラックとホワイトの基本色のほか、オレンジ、イエロー、ブルーの全5色展開。
https://www.kingjim.co.jp/sp/boogieboard/bb12.html
文/安藤政弘 写真/湯浅立志(Y2)