文房具
2019/11/12 19:30

キングジムの“スマホ「テプラ」”と専用テープをレビュー!アプリでサクサク操作でき片付けがはかどる

スマホでラベル作りを遊べるラベルライターと専用テープ

「オフィスではよく使うけど、自宅にはなくても問題ないなー」と思われている道具がある。実はそういうやつには“家にあっても便利”というケースがままある。流通の現場でよく使われている、ガムテープ用のディスペンサーは個人ユースでもかなり便利だし、シュレッダーも小型のものを家庭に一台は備えておくべきだ。

 

で、そういった“家庭にもあるといいツール”として代表的なのが、ラベルライターだと思う。何しろ、家の中には「これ、何が入ってたっけ?」という謎の収納が多すぎるのだ。

 

例えば、たまにしか使わないマイナスドライバーを捜すために、謎の引き出しを片っ端から開いたり、謎の箱を振ってみたり、謎の戸棚を覗いたり、と大変な思いをしたことはないだろうか?

 

そんなもの、ただ「工具」と印字したラベルを、引き出しなり箱なりに貼っておけば済む話なのである。また、そうすることで道具の住所が明確になるため、前回までと違う場所に収納して混乱する、というトラブルも回避できる。オフィスでそういった使い方をして「便利だなー」と思っているのに、家庭で使わない手はないだろう。

 

そういった用途に最適な家庭用ラベルライターもいろいろ発売されているが、今回はそんな中でも最新のおすすめ製品を紹介したい。

 

家庭用テプラの最新版はコンパクト&使いやすい

ラベルライターと聞いてピンと来ない人だって、「テプラ」と言えば通じるのではないだろうか(テプラとは、キングジムの商品名だ)。

 

仕事用のイメージが強いテプラだが、実はホームユース向けに「<テプラ>Lite」というラインナップが存在する。そのLiteシリーズの最新アイテムが、「<テプラ>Lite LR30」だ。

↑キングジム「<テプラ>Lite LR30」6800円(税別)
↑キングジム「<テプラ>Lite LR30」6800円(税別)

 

一目見てまず、「ちっさ!」と声が出るレベルで小さい。約幅71×奥行き46×高さ76mmと片手に余裕で乗るコンパクトさで、重量も電池・テープを入れた状態で約132gとスマホとほぼ同じぐらい。これなら家のどこにでも置いておけるし、なんならどこかの引き出しに放り込んでおいても問題ないだろう。

 

ただ、その際はまず引き出しに「テプラ」と印字したラベルを貼っておくことをおすすめする。それぐらいしないと、すぐ紛失しそうなサイズ感なのだ。

↑手に持つとこれぐらいのサイズ感。単4形乾電池4本で駆動するので、電源コードを気にせずどこへでも持っていける
↑手に持つとこれぐらいのサイズ感。単4形乾電池4本で駆動するので、電源コードを気にせずどこへでも持っていける

 

じゃあ、早速「テプラ」のラベルを作ってみよう……といきたいところだが、その前にひとつ、やっておくことがある。専用アプリのダウンロードだ。

 

「<テプラ>Lite LR30」はキーボードレスで、文字の入力から印刷指示までを全てスマホアプリ「TEPRA Lite」で行う、“スマホ専用テプラ”なのである。

↑従来のアプリ「TEPRA LINK」とは異なる、テプラLite専用アプリ。iOS・Android対応
↑従来のアプリ「TEPRA LINK」とは異なる、テプラLite専用アプリ。iOS・Android対応

 

アプリを立ち上げたら、「新規作成」「テンプレート」「保存ファイル/印刷履歴」からモードを選ぶ。ゼロからオリジナルラベルを作りたいなら「新規作成」でいいが、様々なシチュエーションに合わせたラベルのひな形が揃っている「テンプレート」も便利だ。

 

ラベル作成画面に入ったら、あとはテープの場所に合わせてテキストや絵文字を入力しよう。文字周りを外枠で囲むのも楽しい。

↑ラベルのデザインができたら、本体の電源を入れて「プリント」ボタンをタップするだけ。面倒なペアリングなど不要だ
↑ラベルのデザインができたら、本体の電源を入れて「プリント」ボタンをタップするだけ。面倒なペアリングなど不要だ

 

テープのデザインができたら、出力してみよう。「<テプラ>Lite LR30」の電源が入っているのを確認したら、アプリ画面下の「プリント」をタップするだけでOKだ。

 

通信はBluetoothで行うが、ペアリング設定などは必要なし。スマホから近くにある本体を探して自動で接続してくれるのだ。この自動ペアリングが、本当にラクで素晴らしい。プリントのキュー出し→検索→接続→印字までの流れもスムーズで、快適である。

↑カットボタンは、思い切りよく一気に押し込むのがコツ
↑カットボタンは、思い切りよく一気に押し込むのがコツ

 

あとニョロッと出てきた印字済みラベルを、本体上部のハサミマークボタンを押し込んでカットすれば、ラベルの完成だ。

↑ついつい熱中して作ってしまう似顔絵作成機能。Miiなどの似顔絵に慣れていれば簡単だ
↑ついつい熱中して作ってしまう似顔絵作成機能。Miiなどの似顔絵に慣れていれば簡単だ

 

↑私物には似顔絵入りの名前ラベルを貼るスタイル
↑私物には似顔絵入りの名前ラベルを貼るスタイル

 

アプリには、いくつか面白いモードがある。

 

輪郭や目・鼻といったパーツを組み合わせて作る似顔絵作成機能は、家族の持ち物を仕分けるのに最適。ちょちょっと作業するだけで個人用ラベルが簡単に作れるのは面白い。

 

また、写真挿入機能は、スマホ内の写真をモノクロに変換して印刷できる。人物や風景などをきれいにモノクロ化するのは難しいが、手書きの文字やイラストならば、問題なく使えるだろう。じいじ・ばあばへのプレゼントに孫の手描き文字と絵入りのラベルを貼って贈る、なんていうのは気が利いてる使い方ではないか。

 

この辺りの機能はもちろん、従来のテプラにはなかったもので、キングジムも「スマホ専用ツールとしての面白さ」をしっかり作り込んできた感じだろう。

↑写真機能を使えば、手書き文字もこのとおり簡単にラベルに
↑写真機能を使えば、手書き文字もこのとおり簡単にラベルに

 

とはいえ、このアプリは使い勝手の面で不満もある。特にフォント周りは、かなり困った感じ。印字できるフォントはスマホ内蔵のものに限られるのだが、iOSだと和文フォントは「HiraginoSans(角ゴシック)」「HiraMaruProN(丸ゴシック)」「HiraMinProN(明朝)」しかないし、それが大量の英文フォントに紛れて並ぶので、探すのも大変だ。せめて「ヒラギノ角ゴ」のように日本語表記してくれないと困る。

 

あと、手描き風やポップ体などホームユースで多用されがちなフォントは、ひらがなだけでも、アプリ側で使えるようにしてくれているとありがたいのだが……。この辺りはアップデートで解消されることを望む。

【記事まとめ】
いろいろある! キングジムのグッとくる商品たち

遊びでガンガン使える専用の「<テプラ>Lite LR30」テープ

この「LR30」を含む「<テプラ>Lite」シリーズは、オフィス用の「<テプラ>PRO」とは別の専用テープが必要となる。

 

紙テープへの感熱印字方式なので、放置すると次第に字が消えてくる(家庭内の蛍光灯下だと約1年)、水回りに使えないというデメリットはあるが、その分テープ単価が安いというメリットにもつながる。

↑「<テプラ>PRO」用36㎜幅テープ(左)と比べると、圧倒的にシンプルな「<テプラ>Lite」用15㎜幅テープ(右)
↑「<テプラ>PRO」用36㎜幅テープ(左)と比べると、圧倒的にシンプルな「<テプラ>Lite」用15㎜幅テープ(右)

 

PROテープが8mで1000円越えなのに対して、Liteテープは4mで380円(税別)。量的にもオフィスほど使うことはないだろうし、それよりは気軽に色や柄を変えて使えるほうが、ありがたいように思う。

 

また、キッチンなど水回りで使うのであれば、水しぶきがかかっても大丈夫なフィルムテープを選ぶこともできる。

↑水しぶきぐらいなら耐えるLiteフィルムテープ。単色から柄物までラインナップは豊富だ
↑水しぶきぐらいなら耐えるLiteフィルムテープ。単色から柄物までラインナップは豊富だ

 

↑柄テープでラベルを作るとこんな感じ。かわいい
↑柄テープでラベルを作るとこんな感じ。かわいい

 

もうひとつ、Liteで面白いのは、専用のマスキングテープにも印字できるということ。柄のバラエティも多く、かつ、マステなので貼り剥がしも可能。プレゼントのラッピングをオリジナルのマステラベルで、というのも面白いのではないだろうか。

↑こちらも柄が豊富なLiteマスキングテープ。ラッピングなどには最適だ
↑こちらも柄が豊富なLiteマスキングテープ。ラッピングなどには最適だ

 

↑似顔絵をプラスしての、誕生日プレゼント用ラッピングもウケそうだ
↑似顔絵をプラスしての、誕生日プレゼント用ラッピングもウケそうだ

 

印字が1年しか保たないというのは確かに困るが、そこはあくまでもホームユース。テープコストも安いことだし、ガンガン新しいラベルを作って貼り替えて遊ぶ、と割り切るのが良さそうだ。

 

例えばカメラでも、フルサイズ一眼レフにはフルサイズの面白さ、インスタントなチェキにはチェキで別の面白さがある。仕事で使うテプラとは違って、「気軽にラベルを作る」という“遊び”ができるのが、「<テプラ>Lite」とLiteテープなのである。

 

 

【バックナンバー】
きだてたく文房具レビュー