カレーをはじめ、様々な料理に欠かせないスパイスやハーブ。その製造現場では、商品として出荷できない原料も出てきてしまいます。今回紹介するのは、なんとそれらを活用したクレヨンの話。
展開しているのは、カレーにまつわる商品を筆頭に、スパイスブランド「GABAN」や調味料など多彩な商品を展開しているハウス食品グループ。発表会に参加し、書き心地や「香るのか?」などを体験してきました。
10種のスパイスを使った、香りも楽しめる十色のクレヨン
「彩るスパイス時間 CRAYONS」のカラーラインナップは10色。各色にスパイスやハーブが使われていて、それぞれのクレヨン自体に原材料名が割り当てられています。入手方法は、クラウドファンディングの支援にて。クレヨンのみ(2000円)か、もしくは「彩るスパイス時間 PICTURE BOOK」というぬりえのセット(2500円)です。
まずはクレヨンからチェックしてみました。10色はそれぞれ、クローブ、シナモン、ターメリック、タイム、バジル、パセリ、ホワイトペパー、パプリカ、レッドペパー、ローリエが採用されています。印象的なのは、アースカラー的な落ち着いた色調であること。これはスパイスが原料であることに由来していると思うのですが、真の意味で自然な風合いになっています。
個人的に気になっていたのは、香り。かいでみると、確かに素材のフレーバーを感じることができます。特にシナモン、クローブ、バジル、タイムがわかりやすいと思いました。これはスパイス自体に香りが強いもの、弱いものがあるからでしょう。
ぬりえもひねりが効いた仕様で話題沸騰中
次は、クレヨンを使って「彩るスパイス時間 PICTURE BOOK」に試し塗りをしてみました。この冊子、ただぬりえになっているだけではなく、各スパイスにゆかりのある国とともに、ストーリーが解説されています。
また、右側のページもその国をモチーフとしたイラストの仕様に。イタリアであればベネチアングラス、ブラジルであればジャングルに生息するトゥッカーノなどの鳥が描かれ、ぬりえを楽しめるようになっています。
書き心地を試してみました。質感はライトで、「ポンキーペンシル」や「クーピー」に近いニュアンスも。ベタっとした感じがないので、手が汚れにくくなっています。ゴリっと濃く塗るというよりも、サラっと描く感じでしょうか。繊細なタッチを表現しやすい、上品な書き心地だと思います。
開発担当者に、誕生のきっかけなどを聞いてみました。ひとつは、世界的にSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みが活発化するなか、ハウス食品グループでは「食事業を通じて人と地球の健康に貢献し、持続可能な社会を実現する」ことが社会に対して果たすべき責任であると考え、その一例が「彩るスパイス時間CRAYONS」であるということです。
具体的なテーマとして掲げているひとつが「循環型モデルの構築」。限りある資源の有効活用を進めるなか、その一環として、製造工程で発生する“製品に適さないスパイス原料”をクレヨンに仕立てたそうです。
製品化にあたって強力なパートナーとなったのが、青森県の「mizuiro株式会社」。同社は規格外品の野菜を使った「おやさいクレヨン Vegetabo」をすでに販売していて、野菜の活用で培った知見をスパイスに応用する形で「彩るスパイス時間CRAYONS」を製作してもらったそうです。
当初、支援金額の総額が20万円に満たない場合は企画中止となっていましたが、あっという間に目標を突破。500%を超える勢いでサポーターが増えています。
プロジェクトは5月26日まで。創作に使うもよし、食育やプレゼントにするのもいいでしょう。サスティナブルなクレヨンで、日々の生活に彩りを加えてみませんか。
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