デジタル化が進む一方で、“紙の手帳”の人気は衰え知らず。機能やデザイン、サイズ、紙質など、むしろ選択肢の幅は増えています。そろそろ翌年の手帳を準備する頃ですが、「どれを選べばいいのかわからない」と、“手帳迷子”になっている人も多いのでは?
今年で10回目を迎える「手帳100冊! 書き比べ総選挙!!」(以下、手帳総選挙)は、会場に並ぶ100冊以上の手帳を、持ち込んだ愛用のペンで書き比べして楽しんだり、自分に合った1冊を選び抜いたりしながら投票できるイベント。そこで編集部はこの「手帳総選挙」に参加し、定番から新作まで2022年に使いたいおすすめの手帳をピックアップしました。
今年で10回目を迎える「手帳総選挙」とは?
この手帳総選挙を主催するのは、手帳愛好家による日本手帖の会。2010年に発足し、会の活動として恒例となった手帳総選挙は、2021年で10回目を迎えました。東京、横浜、大宮、名古屋、神戸、仙台、博多と全国を巡回。ジャンル問わず魅力的な手帳が100冊以上展示され、実際にページをめくりながら使い心地を確かめられるのはもちろん、日頃使っているペンで書き込みも可能。お店ではなかなか書き込みができないので、実際に買ってみたら「インクが裏抜けしてしまう」「思ったよりも書き込みスペースが小さかった」など失敗することもありません。楽しみながらお気に入りの一冊を見つけられます。
日本手帖の会で代表をつとめる折比嘉育郎(おりひかいくお)さんによると、ここ10年で手帳のトレンドが変化してきているそう。男性ユーザーを中心としたビジネス向けの手帳から、女性でも使いやすい手帳が増え、スケジュールを管理するツールから、日記や手書きを楽しむツールへと進化しているのだとか。2022年版はとくに、女性向けの手帳ラインナップも充実しているとのこと。
「最初は公民館を借りて始めました。自費で手帳を買ってきてみんなで書き比べしてみよう! というオフ会のようなイベントでしたが、回を重ねていくごとに東急ハンズさんやロフトさんなど一緒に取り組んでいただける店舗さんも増え、今年で10回目を迎えることができました。趣味で始めたものでしたが、全国規模に広がりたくさんの方と一緒に楽しめるイベントになったのはうれしい限りです。
徐々に女性の来場者数も増えています。スケジュール管理がデジタル化されていますが、近年は自分の暮らしを豊かにする振り返りや日記、これからの未来を考えるツールとして手帳を愛用される方が増えてきたように感じます。その変化も感じながら楽しんでいただきたいですね」(日本手帖の会 代表・折比嘉育郎さん)
ではここからは、第10回手帳総選挙で編集部が見つけた、2022年に使いたいおすすめの手帳を紹介していきましょう。
機能性もデザインも万人に支持される定番
まず紹介するのは、無駄のないデザインと機能で、1年を通じて使い続けやすいことから定番として安定した人気を誇る手帳の2022年版。
※手帳に貼られた番号は、「手帳総選挙」でのエントリーナンバーです。
・ほぼ日「ほぼ日手帳 Planner(A6)」
ほぼ日
「ほぼ日手帳 Planner(A6)」
2750円(税込)
1月始まり。「ほぼ日手帳」の使い勝手はそのままに、すべてのページが英語表記になったインターナショナル版。表紙に箔押しされた「手帳」の文字のみクラシックな日本語表記でありながら、「ほぼ日手帳」の定番でもある各ページ下に記載された“その日の言葉”も英語で表記されており、英語を勉強中の人にもうれしいですね。別売りのカバーを、お馴染みの多彩なラインナップから選べます。
・MARK’S「EDiT(エディット)週間ノート(セミA5)ポケット」
MARK’S(マークス)
「EDiT(エディット)週間ノート(セミA5)ポケット」
2640円(税込)
12月始まり。TO DO管理のしやすさに定評ある「EDiT」の週間ノートタイプ。2022年版ではこのポケット付きカバーが新登場し、持ち運びがさらにしやすくなりました。メモページも102ページと充実しているので、スケジュール管理とノート機能を1冊で完結できそうです。プリントされた文字の存在感が抑え目で、プライベートや仕事など幅広い用途で使えます。
・東急ハンズ「hands+ダイアリー タイムスケールブロック ウィークリー(B6)」
東急ハンズ
「hands+ダイアリー タイムスケールブロック ウィークリー(B6)」
2530円(税込)
12月始まり。東急ハンズオリジナルのスケジュール帳「hands+ダイアリー」から、チャート式に記入し管理できる、3か月ごとのチャート付きB6マンスリーと、ウィークリーが複合したタイプ。スケジュール帳に必要な要素を凝縮しており、日付など印刷された文字が大きく見やすいのも特徴。スケジュール・タスク管理としての機能はもちろん、日記帳としても愛用できるカジュアルさも持ち合わせています。オリジナルのコシのある紙を使用。
続いて、紙の質感や色にもこだわった2022年手帳をピックアップ。
提供元:心地よい暮らしをサポートするウェブマガジン「@Living」
紙の質感や色にもこだわった手帳
1年間使い続ける手帳なので、中の紙にもこだわっていきたいところ。毎日使いたいと思えるような質感や毎日使うペンとの相性のいい手帳を選びたいですよね。
・Luddite「ファンクションノートPRO」
Luddite(ラダイト)
「ファンクションノートPRO フリーフィールドV(バーチカル)(B6)」
「ファンクションノートPRO パラレルプランナー(B6)」
各 1980円(税込)
中の紙に、巴川製紙所が製造する手帳専用紙「トモエリバー」を使用。薄く嵩が抑えられる一方インク抜けが少なく、書き心地もなめらか。。この「ファンクションノートPRO」は、日付が空欄になっているため好きな日から使い始められます。他にも1日1ページごと書き込める「デイリープランナー」や、見開きで1週間の予定が書き込める「セパレート」、0〜24時まで予定が書き込める「バーチカル」などフォーマットが10タイプが展開。
・パイロット「クルールフォンセB(B6)」
パイロット
「クルールフォンセB(B6)」
各1045円(税込)
1月始まり12か月分。筆記具メーカーのパイロットが考案した、手書きが映えるノート「couleurfonce(クルールフォンセ)」のダイアリータイプ。なんといっても紙色に特徴があり、ブラック・グリーン・ネイビーの3色がラインナップ。黒ペンでは見にくいため、パステルやメタリックカラーのペンを使って彩りを楽しめます。
・ニトムズ「STALOGY(スタロジー) エディターズシリーズ 365デイズノート(A6)」
ニトムズ
「STALOGY(スタロジー) エディターズシリーズ 365デイズノート(A6)」
1650円(税込)
ニトムズのデザインステーショナリーブランド「STALOGY」の、ダイアリーとして使えるノート。日付を自由に記入し始められるブランクタイプの1日1ページで、計368ページを綴じていながらコンパクトなのは、薄く軽い紙を使っているから。ノートのように丸めて手で持てる厚みです。鮮やかな色の表紙が目印で、ほかに赤や水色も。
お馴染みのノートと同じデザイン、同じ素材でスケジュール管理
多くの人にとって馴染みのある定番ノートと、同じデザイン、同じ紙、同じ罫線を採用した手帳も注目。
・ロディア「マンスリーダイアリー」/コクヨ「キャンパス ダイアリー」/マルマン「クロッキーダイアリー」
左=ロディア「マンスリーダイアリー(A5)」1月始まり
中=コクヨ「キャンパス ダイアリー ベーシックスタンダードタイプ(A5)」12月始まり
右=マルマン「クロッキーダイアリー(ポケットサイズ)」日付自由記入式
660円/495円/660円(すべて税込)
フランス生まれのブロックメモの代名詞「ロディア」、学童用ノートとして誰もが一度は使ったであろうコクヨの「キャンパスノート」、スケッチに多用されるマルマンの「クロッキーブック」に、それぞれダイアリータイプが発売されています。ロングセラーならではの品質で、スケジュール管理も快適に行えるはず。
・デルフォニックス「Rollbahn(ロルバーン) ダイアリー横型(L)」
デルフォニックス
「Rollbahn(ロルバーン) ダイアリー横型(L)」
1650円(税込)
10月始まり。今年20周年を迎えたロルバーンのダイアリーは、2か月分見開きで使えるリングノートタイプ。横長で、ノートPCの手前に広げておくにも邪魔になりません。。ノートページが140ページ分もついており、スケジュール管理もメモもこれ1冊でまかなえそうです。
・コクヨ「野帳手帳2022 ヨコ型 ハードカバー」
コクヨ
「野帳手帳2022 ヨコ型 ハードカバー」
1100円(税込)
1月始まり。コアファンも多い「測量野帳」のダイアリー。コクヨオリジナル帳簿用紙を中紙に採用、作業着やスーツ、コートのポケットにすっぽり入るサイズで、耐久性に優れたハードカバーで立ちながらでも記入しやすい点など、“野帳”らしさは健在です。
最後に、個性豊かなフォーマットをもつ2022年手帳を紹介します。
提供元:心地よい暮らしをサポートするウェブマガジン「@Living」
個性豊かなフォーマットをもつ手帳
最後に紹介するのは個性豊かな手帳たち。懐かしいデザインをそのまま受け継いだクラシカルな手帳から、365日分を横展開で確認できる手帳まで。
・博文館「懐中日記(B7)」
博文館
「懐中日記(B7)」
1210円(税込)
1月始まり。明治時代から使われており、日本最古の手帳とされる「懐中日記」。カバー表紙の絵柄は毎年の干支に合わせて作られ、これを楽しみに愛用しているファンも多いそう。文庫本ほどの大きさなので、本棚やカバンに常備しておき毎日忘れずに書き込めるはず。
・新潮社「マイブック 2022年の記録(文庫サイズ)」
新潮社
「マイブック 2022年の記録(文庫サイズ)」
440円(税込)
1月始まり。新潮文庫をモチーフに、手帳へとアレンジしたもの。毎日1ページずつ書き込んでいくことで完成させる、自分だけの文庫本。文庫本と同じく右開き(縦書き)なので、たまには縦書きを楽しみたい、という人にもおすすめです。
・Scikaku「ポケットプロジェクト」
Scikaku(サイカク)
「ポケットプロジェクト」
2485円(税込)
12月始まり。一見すると短冊のようですが、経本専門の製本職人の技術が集約された蛇腹形状になっており、広げると表裏で365日分超のスケジュールを網羅。ひたすら横方向へ展開するので、入り組んだプロジェクトの進行管理などにも重宝しそうです。付属のスリーブケースに収納して、角折れなどもなく持ち運べます。
・佐々木印刷「四角い手帳 3年ウィークリー(B5変形)」
佐々木印刷
「四角い手帳 3年ウィークリー(B5変形)」
2860円(税込)
1月始まり。ウィークリーを上下に3年分併記したフォーマットで、正方形のため、横一列に1週間をレイアウトしつつカレンダーも横に配置。記入スペースも十分なので、子育ての記録や3か年プロジェクトの進行管理などにも便利です。
選ぶのも楽しみのひとつ。試して投票して、1年の相棒を見つけよう
まだ紹介したい手帳はたくさんありますが、続きはぜひ手帳総選挙で確かめてみてください。東京では11月下旬に東急ハンズ銀座店で開催予定です。またクライマックスとして、12月には「手帳収穫祭2021」が開催予定。手帳総選挙の結果発表に加えて、ミニショップやミニギャラリーも多数出店するとのこと。毎年個性豊かな手帳がランクインしているとのことなので、今年の1位を予想しながら楽しめそうです。
【イベントデータ】
手帳100冊! 書き比べ総選挙!! @東京
日時=2021年11月27日(土)11:00~20:00/11月28日(日)11:00〜18:00
場所=東急ハンズ銀座店(東京都中央区銀座2-2-14 マロニエゲート銀座1)
参加費・予約=なし
イベント情報 https://tsj.connpass.com/event/200431/
問い合わせ https://twitter.com/NipponTecho/
手帳収穫祭2021
日時=2021年12月19日(日)10:00〜18:00
場所=すみだ産業会館ホールD(東京都墨田区江東橋3-9-10 墨田区・丸井共同開発ビル8階)
チケット購入=要
イベント情報 https://tsj.connpass.com/event/200440/
問い合わせ https://twitter.com/NipponTecho/
【プロフィール】
日本手帖の会代表 / 折比嘉育郎(おりひか・いくお)
本職はITエンジニアで知的生産システムの開発・運用に従事。日本手帖の会では、交流の場「手帳サロン」、書き比べ「手帳総選挙」等のイベント開催や、書籍監修、企業・学校向け講座、海外交流等の活動を行っている。