文房具
2022/9/7 17:00

6年ぶり最新ポメラ「DM250」はビジネスで即活躍する完成度! 興味がある人は即購入を

キングジムの人気デジタルメモデバイス「ポメラ」から、最新の「DM250」が登場しました。前モデル「DM200」から6年ぶりの最上位モデルです。

↑7月29日に発売されたDM250。キングジム公式オンラインストアでは、6万280円(税込み)で販売されています

 

ポメラは、テキスト入力に特化したデジタルメモデバイス。用途をあえて絞ったことや、携帯性に優れることから、文章作成の機会が多い人たちの支持を得て、ロングセラーとなった製品です。そのなかでDM250は、バッテリーが約24時間持つうえ、充電やPCとの接続で使えるUSB Type-Cを搭載するなど、着実な進化を遂げています。

 

それでいて、DM200が備えていたテキスト入力のしやすさを継承。さらに、縦書きの脚本などの作成に適したシナリオモードを追加したほか、校正支援機能「ATOK for pomera[Professional]」を強化したり、1ファイルあたりの保存可能文字数を20万字に増やしたりと、文章を書くうえでの基本性能も向上しています。

 

【製品フォトギャラリー】※画像をタップすると閲覧できます。一部SNSからは閲覧できません。

 

長文を書くのに向いているといった理由から、ヘビーユーザーの多いポメラ。DM250は、そうしたユーザーのニーズにしっかり応えています。一方で、まだポメラを使ったことのない人は、活用できるのでしょうか。

 

そんな疑問に答えるべく、今回はポメラ初心者の20代と30代に持ってもらい、ビジネスシーンでどのように使ったのかをレポートしていきます。

 

【使ってもらった人】

↑左はフリーで編集・ライターをしているほか、企業の広報活動や制作会社での編集・制作をこなす20代の山口 真央さん。本業をいくつも抱える「複業」を実現しています。一方の右はGetNavi webの編集部員で、ワールドカテゴリや海外ニュースを主に担当する30代の久保田 遼。子育てをしながら編集部で記事を制作しています

 

 

すぐに使えて、作業に集中しやすいところがビジネスで活躍

そもそも、文章を書くことに特化したポメラは、以下の3つの特徴が大きなポイントです。

・インターネットは利用できない

・起動が速い

文字入力にこだわっている

 

ひとつ目のインターネットが利用できない点は、PCやタブレット、スマホなど、ほかのテキストを打つデバイスとは決定的な違いです。

 

複数の本業を抱える“複業”スタイルで仕事をする山口さんは、この点について「PCだと、チャットツールの通知がきてしまい、意図せず作業が止まってしまいがちです。ポメラはそうしたことがなく、作業に集中できるのがうれしかった」と言います。

 

一方、編集部の久保田は「ほかのデバイスと違って、セキュリティ性が高いのではと感じました。普段何気なくクラウドサービスを使っていますが、不意にファイルをアップロードしてしまったり、漏洩してしまったりする可能性は否定できません。ポメラはその心配がないため、見られたくない文章を書く心理障壁が下がるように感じました」とのこと。

 

もうひとつは、起動の速さ。ポメラは本体を開いてすぐに文章を書き始められます。これには、2人ともかなりの魅力を感じたようで、最初に使用感を聞いたところ「起動の速さがとにかくいい」と口をそろえていました。

 

特に山口さんは「PCだと、開いて、アプリを立ち上げてと、数秒待つことになりますが、そのストレスから解放されました」と、ポメラならではのメリットを感じていました。

 

最後は、キーボードです。日本語配列はもちろん、日本語入力に特化した親指シフトに対応。また、DM250は設定でUS配列に変更できます。さらに、キーを押し込んだときの沈み込み方にこだわるなど、入力の快適さにも力を注いでいます。

↑キーボードはデフォルトで日本語配列になっており、設定で配列を変更できます。キーピッチは17mmと十分な距離を確保。なお、キーボードの左上には電源ボタンがあります

 

このキーボードについて、山口さんは打鍵感に戸惑った様子を見せつつも「開いたときに、ヒンジ部分に角度が付くのはいいですね」とコメント。また、久保田は「打ち心地がよかったです」と述べ、特に不満なく使えたようです。キーボードは普段使っている製品に左右されるところ。人によって、使い始めは山口さんのように戸惑うこともありそうですが、慣れたらまた違った評価になるかもしれません。

 

すぐに作業を始められて、作業に集中しやすいうえに、公開してはいけない文章を書くのにも最適。ポメラの特徴はビジネス作業で十分に実力を発揮しそうです。では、複業で活躍する山口さんと編集部の久保田はどういったシーンでDM250を活用したのか、またどんな使い方ができそうだと感じたのか、具体的に見ていきましょう。

 

自宅で使っていた電子ペーパーがポメラに置き換え、Web会議でも活躍

山口さんは主に自宅作業時で活用したそうです。

 

「家での使用は快適でした。特にメモするときは、いままで電子ペーパーで手書きのメモを取ったり、PCでメモを取ったり、あるいは付箋に何か書いたりと、複数のデバイスやアイテムを使っていたのですが、ポメラに一元化できました

 

また、スマホで電話をしながらポメラを片手で開いてやり取りを書き留めたり、PCでWeb会議をしながらポメラでテキスト入力したり、といった使い方もしたとのこと。その際、ATOK for pomera[Professional]の校正支援機能が活躍してくれたと言います。

↑Web会議中に入力はポメラにお任せ

 

「PCやタブレットなどの、ネットに接続できるデバイスは閲覧用、ポメラは入力用と使い分けました。そうすることで、単純にディスプレイが増えたという印象ですし、ポメラで入力に集中できたのもありがたかった点です。

 

それと入力中、誤字になりそうなところを変換時に直してくれました。ATOK for pomera[Professional]による予測変換の精度の高さを感じました。あとで見返しても誤字はなかったと思います

↑DM250はATOK for pomera[Professional]の機能がより強化され、このように勘違いで覚えた誤用の修正提案もしてくれます。特にWeb会議のように、PCでながら作業する場合、誤字が出やすいですが、ATOK for pomera[Professional]が支援してくれるおかげで、誤字は見当たらず。あとで見返す際も見やすいですし、会議の相手にそのまま送るのも安心です

 

もうひとつの使い方として挙がったのがシナリオモードです。

 

「上段と下段に分かれているシナリオモードは、Webメディアのタイアップ記事の構成を作るときに利用しました。上段は記事の大きな流れを書き、下段に内容や詳細をまとめていくと見やすかったです」

↑DM250から搭載されたシナリオモード。「今回の使用中はチャンスがなかったのですが、たまにラジオの構成台本やYouTubeの動画脚本を作ることもあって、そういうときに活用できそうとも思いました」と話してくれました

 

Web記事の構成案や、台本・脚本などを作成する機会は、それほど多くないかもしれません。ですが、一般的なビジネスの現場であれば、プレゼンで発表する場はあるはず。そういったときに、たとえば資料を見せながら、どういった説明を口頭でするかなどをシナリオモードでまとめておく、という使い方ができるでしょう。

↑バッテリーが少なくなってきたら、付属のUSB Type-CケーブルとACアダプターで充電します

 

本業、副業、さらには複業と、ひとつの事業にとどまらないワークスタイルが、今後のビジネススタイルの大きなポイント。そうした働き方を実践する山口さんを見ると、ポメラをあらゆる現場で使用していることがわかりました。作業の内容やアウトプットが違う複業であっても、文章を書く・まとめることは必須。そんな場面でポメラが活躍してくれます。

 

外出先ですぐ入力が便利、プライベート利用や論文執筆もよさそう

編集部の久保田は、外出先での活用が多かったそうです。

 

「外出先で企画のアイデアが浮かんだときや、情報整理をしたいときなど、自分の考えを言語化するために使いました。やはり取り出してすぐに入力できるのがいいですね。それと、1回の充電で24時間程度使えるため、外で使う際にバッテリーを気にすることがなく、安心できました

↑外出先でポメラを活用。思いついたことをすぐに書くのはもちろん、あとで見返すほか、集中して作成した文章をいつもとは違う環境で推敲することもできます

 

加えて、プライベートのほか、意外な使い方もできそうとのこと。

 

「読書メモとしても使いました。読んでいる最中に浮かぶアイデアを大事にしていて、そういったことを書き留めたり、純粋に本についてのメモを取ったりできました。

 

あとは、論文の執筆に良さそうだと感じました。以前、大学院に在籍していたのですが、論文は執筆中、基本的に指導教授にしか見てもらいません。自分の研究にはアイデア勝負の側面があるので、校了前の論文は、できるだけ“内密”にしておきたい文章の1つ。だから、先にも述べたようにポメラと相性はいいと思います

 

久保田の使い方を見ると、持ち運びやすく、バッテリーも長時間持つため、外出の多いビジネスユーザーも活用できることがわかります。また、元々は長文を書くユーザーに人気のポメラ。オフィシャルに公開できない論文や原稿作成にも向いています。こうした使い勝手の幅が広いのも魅力です。

 

ポメラをもっと使うこなす方法は? 開発者に聞いてみた

ここまで、ポメラ初心者でもビジネスシーンで使えるところを見てきました。ただ、使っていくなかで気になる点もあったそうです。そこで、ポメラに関する疑問点を、キングジムの開発本部 電子文具開発部 デジタルプロダクツ課のリーダー、清水 翔平さんに話を聞きました。

↑キングジムの清水 翔平さんにオンラインで話を聞きました

 

編集部(以下、――) DM250はバッテリーの容量が増えたぶん、重量も増加しています。もっと軽いと、ネットに接続できるノートPCと一緒に持ち運べそう、という意見がありましたが、軽量化についてはいかがでしょうか。

 

清水さん(以下、清水) DM200からは確かに40g増えていますが、対してバッテリーは約6時間延びています。逆にいうと、バッテリーを減らしても数十gの減量です。それならばと、今回はバッテリーを優先しました。とはいえ、剛性を失わない程度に内部で使っている板金に複数の穴を開けるなどして、軽量化の努力はもちろん続けています。

 

また、確かにノートPCと持ち歩くのは大変かもしれませんが、タブレットであれば、持ち運びのハードルも下がるかなと考えています。その際、ポメラはBluetoothキーボードとしても使えるので、タブレットとポメラをBluetoothで接続して、タブレットをディスプレイに、ポメラをキーボードにするといった使い方も可能です。ぜひ活用してみてください。

 

―― ありがとうございます。もう1点、ATOK for pomera[Professional]」の予測変換機能の精度が非常に高いのを感じました。さらに踏み込んで、校閲機能まであるといいんじゃないかという意見も出たのですが、近い機能はありますか?

 

清水 近い機能ですと、「正規表現検索機能」があります。たとえば、長文を書いているとき、ひとつの表現が頻出した場合に同じ言葉を使っているか検索する、あるいは「取る/撮る/録る」といった、同じ音の漢字をまとめて検索する、などが可能です。表記ゆれなどのチェックに役立つはずです。さらに、直したいところが複数あった際は、置換で一気に修正もできます。正規表現検索機能を活用していただければ、校閲もしっかりできるでしょう。

↑正規表現検索機能。ここに載っているのは一例で、ほかにも検索方法はあるそうです

 

 

ポメラに興味のある人は、いまが買いどき

これまで使ったことのないデバイスを、ビジネスでいきなり取り入れてみるのは抵抗感がある、という人もいると思います。ですが、DM250は初めて使った人にとっても、ちょっとしたメモから論文作成まで、ビジネスシーンで幅広く活躍することがわかりました。製品の完成度が高いからこそ使いやすいのでしょう。6万280円(税込み)という価格は一見すると高価ですが、使用シーンの多さを見ればその価値は十分あります。

 

特に使い始めてみると、パッと開いてすぐに入力できるポメラは、自宅・外出先問わず、メモを取る場面でなくてはならない存在になりそうです。

 

今後は、複業スタイルで働く人も、ビジネスで外出する人も増えるでしょう。そうしたときに、これまで見てきたように、Web会議で文章をまとめる、動画の脚本を書く、あるいは外出先でメモを取るなどの場面でポメラを使う機会は大いにあります。また、慣れてくればヘビーユーザー同様、長い文章を書く際もポメラが手放せなくなるはず。

 

働き方が多様化すればするほど、ビジネスで文章に触れるシーンは増えていくため、ポメラが必要になるわけです。

 

そのなかで、DM250はコアとなる文章を書く基本性能を向上させつつ、長時間のバッテリーやUSB Type-Cの搭載といったトレンドもおさえており、今後数年の活躍が見込めます。ポメラは気になってはいるものの、なかなか手が出なかった、という人はいまこそ手を伸ばしてみる時期でしょう。

 

【フォトギャラリー】※画像をタップすると閲覧できます。一部SNSからは閲覧できません。

 

撮影/篠田麦也