夜行バスといえば、狭い空間で長時間の移動を強いられることがネックでした。そんな「我慢」の時間を、まるでホテルの一室にいるかのようにくつろげる、広い個室を備えたバスが続々とお目見えしています。
「ゼログラビティ姿勢」にワンタッチで調整できる
今年に入り、大手バス会社が次々と高級夜行バスの運行を開始しています。西日本ジェイアールバスのドリーム ルリエやWILLER(ウィラー)のリボーンなどが、夜行バスの概念を打ち破る豪華な素材のシートを採用。メディアでも多く取り上げられました。
1月に運行開始したドリームスリーパーのウリは、日本のバスとして初めて完全個室を実現したこと。カーテンで座席を仕切れるバスはこれまでもありましたが、ドリームスリーパーの仕切りは扉。閉めれば、内部は完全なプライベートスペースとなるのです。
居心地の良さの秘密はシートの構造にもあります。車内でくつろげるように、座席の角度は自分の好みに合わせて電動で調節可能。また、無重力のような浮遊感を味わえるゼログラビティ姿勢にも全自動で調節可能。自然に身体の力が抜け、リラックス状態へと導いてくれます。
座席のシートには高級ふとんでおなじみ昭和西川の「ムアツクッション」を採用。振動のある車内でも快適に眠れるよう、様々な工夫が凝らされています。
11席という少人数制のため、乗客1人ひとりが丁寧なサービスを受けられるのもウリ。例えば、バスの出発後に見られるのが、2人いる運転士の1名が各座席を回る姿。冷えた水とおしぼりを手渡してくれ、「何か困ったことはありませんか?」と言葉をかけてくれます。
乗客が特別感を得られる接客は、通常の夜行バスでは体験することができないものです。このホスピタリティについて、関東バス経営管理室の大田さんはこう語ります。
「ドリームスリーパーの運転士の研修にはかなり力を入れているんです。大手航空会社のキャビンアテンダントの教育係を当社の研修に迎え、接客のノウハウを伝授してもらっています」
苦痛だったはずの夜行バスの乗車時間は、いまや贅沢な旅のひとときとなりました。時間をムダにせず、なおかつ翌日のレジャーや仕事に支障をきたしたくないという欲張りなユーザーにオススメです。
業界初の扉付き完全個室でホテルのようにくつろげる
東京←→大阪 ドリームスリーパー
大人片道1万8000円〜2万円
東京〜大阪間で運行する高速夜行バス。業界初の扉付き完全個室と「ゼログラビティ姿勢」の快眠シートを取り入れ、長い移動時間でもストレスのないリラクゼーション空間を実現しました。11の座席を備えます。
多忙なビジネスパーソンにもオススメ
PC作業にも便利な大型テーブルを搭載
縦長のテーブルは、大型ノートPCでも余裕で置けるサイズ。座席とテーブルの距離が近いため、ラクな姿勢で仕事や食事ができるのもポイントです。両サイドにはストッパーとなるフレームも備え、卓上の物が落ちにくい作りに。
テーブルは座席前の壁に設置。引き出し/収納を簡単に行えます。揺れるバス内でも高い安定性。
無料Wi-Fiや、USB、コンセントを完備
各座席にUSB充電コンセントとACコンセントがひとつずつ装備され、PCとスマホを同時に充電することが可能。Wi-Fiは利用するキャリアを選ばず、時間無制限で使えるのがうれしいところ。移動時間を利用して作業したり、ネットコンテンツを閲覧したりできます。
USBポートやコンセントは壁の手が届きやすいところに設置。席に座ったままでもすぐに接続できます。
高級感あふれるウッディな内装の個室。落ち着いた色合いでゆったりくつろげます。
荷物は座席上の棚か前の座席の下へ収納。キャリーバッグなどは乗車時にトランクへ入れます。
車内は土足禁止で、入り口でスリッパに履き替えます。通路に敷かれたふかふかのカーペットがラグジュアリー感を演出。
車内は11席のみにもかかわらず、車体の大きさは通常の夜行バスとほぼ同じ。
ドリームスリーパーのココがラグジュアリー
車内には乗客の「あったらいいな」が満載。いい意味で“夜行バスらしくない”至れり尽くせりの細やかなサービスに脱帽!
1.全自動で座席の角度を調節できる
身体に最も負担のかからないといわれるゼログラビティ姿勢にワンタッチで調節してくれます。リクライニングやフットレスト、高さの3つのボタンで、好みのポジションに微調節することも可能です。
ボタン横にライトの明るさを調整できるレバーを備えます。ライトは前方の壁と頭上に2つ配置されています。
2.各個室に1つずつイオン発生機を設置
除菌・消臭効果のあるイオン発生機を搭載。車内のイヤなニオイや花粉、細かなホコリなどをブロックしてくれます。低騒音設計のため、静かな車内でも気にならず、睡眠を妨げられることもありません。
各座席にシャープのプラズマクラスターイオン発生機を設置。食事のニオイなどもすぐに消臭されます。
3.ホテルさながらの充実したアメニティ
座席にはマスク、耳栓、歯ブラシセット、アイマスク、ヘッドホン、ヘッドホンカバー、スリッパ、ブランケットのアメニティグッズ一式が常備。バス後部のパウダールームでは、歯磨きや洗顔が行えます。
カゴに一式まとめられています。ブランケットとヘッドホン以外のアメニティグッズはすべて持ち帰りOK。
ライター松林の試乗インプレ!癒しの音楽とシートで翌日も疲れ知らず
各座席には、ヒーリング効果抜群のBGMチャンネルを4つ用意。心地良い音楽を聴きながら、広いシートに身を任せるとぐっすり眠れます。身体に負担のかからない姿勢を保てるので、翌日に疲れが残りませんでした。