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2017/7/27 14:00

世界のカムリが新型になって日本のセダンに新風を巻き起こすーー見所は「フルTNGA」と「流麗なデザイン」

世界的なSUVブームや、日本市場で定着したミニバンの勢いによりかつてクルマを代表するカテゴリだったセダンの存在感が薄まりつつある。2016年度(4月~3月)の乗用車の販売でも、上位30台に入っているのはクラウンとカローラの2台のみという状況だ。

 

ところが、そんな現状に一石を投じてくれそうなニューモデルが登場した。それが新型カムリである。正直な話、これまであまりクルマ好きには刺さる感じではなかったカムリだが、新型はうって変わって、積極的に選びたくなる1台に仕上がっている。

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↑G“レザーパッケージ”。ボディカラーのエモーショナルレッド<3T7>はメーカーオプション。オプション装着車

 

本記事では、カムリのこれまでの変遷に触れながら、同車の魅力である「フルTNGA」と「流麗なデザイン」をキーワードに掘り下げていく。(トップ写真はG“レザーパッケージ”。ボディカラーのエモーショナルレッド<3T7>はメーカーオプション。オプション装着車)

 

公式サイト:

 

【カムリの歴史】日本が世界に誇るミッドサイズセダン

カムリの前身となる「セリカ・カムリ」は1980年に誕生し、1982年にはセリカが外れて現在の車名「カムリ」となった。早くから海外への進出を図ったカムリは、グローバルカーの先駆者。とりわけその高い人気を象徴するのが、アメリカで15年連続して乗用車販売数ナンバーワン(※1)の座に輝いたということ。

 

世界各国からやってくる競争相手の多いアメリカでこれほど受け入れられたという事実が、その完成度の高さを物語る。それでいて価格がリーズナブルに抑えられていることも魅力に違いない。

 

その高い評価はアメリカのみにとどまらず、いつしかカムリは世界100か国以上の国や地域で販売され、累計販売数はすでに1800万台(※2)を超えるなど、ワールドワイドに活躍の場を広げている。

※1:2002年1月~2016年12月。トヨタ自動車調べ
※2:2016年12月時点。トヨタ自動車調べ

↑カムリの過去モデル。米国ではケンタッキー州にある工場などでカムリが生産される。写真は2014年に生産累計1000万台記念時のもの

 

とはいえトヨタは、そこに甘んじることはない。ただ出来が良い、そつなくまとまっているだけでは先が見えてしまう。そんな危機感から、新型カムリはゼロから刷新し、より魅力的なセダンへと生まれ変わった。

 

【新型カムリの魅力その1】フルTNGA

トヨタが全力を挙げて取り組んでいる「TNGA(Toyota New Global Architecture)」。これはクルマづくりの構造改革により全体を最適化することで、クルマの基本性能や商品力をさらに高めようというものだ。すでにトヨタではプリウスを皮切りにC-HRと、プラットフォームの改革をスタートさせているが、パワートレーンにもその考え方を盛り込んだのは、カムリが初となる。

 

そして、新開発プラットフォームによる優れた重量バランスと、低められた重心高がもたらす走りは、これまでとは隔世の感がある。従来の出来がよろしくなかったわけではない。新型があまりに素晴らしいのだ。

 

サスペンション形式は、フロントに新開発のマクファーソンストラット式、リヤにダブルウィッシュボーン式を採用。ボディ開口部に採用された環状骨格構造や、高度な溶接技術、構造用接着剤などを採用したボディは剛性の高さを実感させる。

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走りは操縦安定性に優れ、横揺れが少なく、姿勢変化が極めて小さくおさえられていている。フラット感が高く、乗り心地も上々だ。ボディがよいからサスペンションをより理想的に動かすことができていることをうかがわせる。

 

この優れたシャシーと、ラック平行式電動パワーステアリングシステムと新開発のステアリングコラムにより、操舵フィールも素晴らしい。切りはじめの応答遅れがなく、軽快でスッキリとしていて、フロントタイヤがしっかり路面を捉えている感覚が伝わってくる。

 

動力性能も予想を超えていた。高い熱効率・高出力を両立した新開発「2.5Lダイナミックフォースエンジン」と、進化を続ける「THS-Ⅱ」(※3)を組み合わせることで、優れた動力性能と低燃費を実現している。ここまでできるのかと驚かずにいられないほどリニアに仕上がっていた。

※3:THS-ll:Toyota Hybrid System ll

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また、小型化されたモーターをはじめ、より軽量でコンパクトになったパワートレーンを、従来よりも低く車体の中央よりに搭載したことは、ハンドリングの向上にも効いている。

 

そんなふうに、よいものとよいものが組み合わさった相乗効果で、走りには一体感があり、スポーティそのもの。ドライブして楽しめるクルマに仕上がっている。

 

しかもそれでいて燃費は、33.4km/L(※4)(JC08モード)を達成したというからたいしたものだ。

※4:Xグレードの場合。JC08モード燃料消費率(国土交通省審査値)

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↑エンジン部

 

また、先進安全装備についても、「Toyota Safety Sense P」を全車標準装備するとともに、リヤクロストラフィックオートブレーキ機能をトヨタブランドで初採用するなど、ぬかりはない。

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↑「リヤクロストラフィックオートブレーキ」のイメージ図

 

【新型カムリの魅力その2】流麗なデザイン

より低く、よりワイドに。TNGAの恩恵はスタイリングにも活かされている。低重心であることを視覚的にも感じさせるシルエットに、歴代カムリとはまったく異質の、“攻め”たデザインで全身が覆いつくされているのだ。

 

フロントはトヨタ独自のキーンルック(※5)をより進化させた、個性的なマスク。印象的なヘッドランプの造形も目を引く。

※5:知的で明晰な印象を与えるトヨタ独自のフロントの表情。トヨタマークの立体的な強調とダイナミックなアンダープライオリティーとの組み合わせで表現。

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↑台形上のアンダー部分と個性的ヘッドライトにより、ひと目見てカムリだとわかるアイデンティティを確立

 

サイドビューは、低められたフード、フェンダー、ベルトラインに加え、四隅に配置されたタイヤにより、よりクーペらしさを引き立てている。量産できるギリギリの造形を実現したというボディパネルの抑揚豊かな面構成も印象深い。当初のデザイナーのスケッチをそのまま現実のものとしたかのようにプレスラインがきれいに再現されている。

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↑走りだけでなく、サイドビューもスポーティさを実現

 

そして、よりワイドさを強調する張り出したショルダーやLEDランプが与えられた後ろ姿まで、どの方向から見てもスキがない。一方、エクステリアにまったく負けておらず、実に“攻め”ているインテリアの変わりぶりにも驚かされた。

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↑インパネ部を運転席から助手席に区切る造形に注目。囲まれ感があり、パーソナルスペースが強調されており、クーペのような印象も受ける。写真はG“レザーパッケージ”。内装色のベージュは設定色(ご注文時に指定が必要です。指定がない場合はブラックになります)

 

デザインはもとより、非常に上質に仕立てられていることもよくわかる。その上質感と呼応するかのように、静粛性も高められていて、乗り心地のよさともあいまって車内は極めて快適な空間に仕上がっている。

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↑G“レザーパッケージ”。ボディカラーはグラファイトメタリック〈4X7〉。内装色のベージュは設定色(ご注文時に指定が必要です。指定がない場合はブラックになります)

 

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TNGAの恩恵で、ベルトラインやヒップポイントに加えて、インストルメントパネルの厚みを抑えて上面が低くなった。エンジンフードの高さも40ミリ低くなったため、運転環境がより開放的で見晴らしがよくなったことも新型カムリに乗ると実感する。

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↑トランクも先代比84L増の524Lと大幅に容量を拡大。美しいスタイリングながら実用性も高められている。写真はG。ボディカラーはダークブルーマイカメタリック<8W7>

 

新型カムリは、ただのセダンではない、大人がカッコよく乗りこなせるクルマへと変身を遂げているのだ。

 

【まとめ】積極的に選びたくなるセダンへと進化

かつてクルマといえばセダンを指した時代は過ぎ、セダンはコダワリを持って乗るものとなった。それに合わせてセダン自体の在り方も変わってきた。

 

先進テクノロジーの数々を身に着け、すべてをリニューアルした新型カムリは、まさしくそれを象徴するクルマであり、より魅力的なセダンを求めるユーザーの思いに応える、トヨタ入魂の1台である。

 

そんな新型カムリの登場は、セダンの素晴らしさをあらためて見直すよいきっかけになるのではないかと思う。

 

【車両情報】

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トヨタ

カムリ

6年ぶりにフルモデルチェンジしたモデル。最高出力は178PS/5700rpm 、最大トルクは22.5kgf・m/3600~5200rpm。モーター最高出力は120PSで、最大トルクは20.6kgf・mとなり、システム全体では211PSを出力する。トヨタブランド新採用の「リヤクロストラフィックオートブレーキ」は、後退時の死角に左右後方から接近してくる車両を検知し自動的にブレーキ制御を行う。全国のトヨペット店、トヨタカローラ店、ネッツ店(東京地区は東京トヨタでも販売)を通じて販売。

 

公式サイト:

撮影/篠原晃一

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