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2016/4/5 11:44

【レポート】スバリストは本当に“ガチな人”が多いのか? 初の公式ファンミーティングで調べたら熱量が異次元だった

3月27日、栃木県佐野市の富士重工業「スバル研究実験センター」で開催された「スバル・ファンミーティング」。同社初の試みとして行われ、応募倍率3・4倍の狭き門を突破した約1000台のスバル車、2500人の「スバリスト」が大集結した。

 

通常は開放されることのない“スバルの聖地”が会場ということもあり、数多くのファンは興奮を隠し切れない様子。会場には「てんとう虫」の愛称で親しまれたスバル360から最新のBRZまで、新旧多彩なスバル車が詰めかけ、スバリストたちは親睦を深めていた。

 

イベントではテストコースとして使用されている高速周回路での走行体験やバスツアー、トークショー、ワークショップなどが開催。だが今回、GetNavi webは少し変わった切り口で取材を展開してみた。巷では“スバリスト”は熱狂的な人が多いとか、個性的な人が多いといわれているが、本当にそうなのか? そこで、5組のスバルオーナーを取材した。

 

妄想の世界をハンドメイドで具現化する男

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インプレッサ
平成21年式
柴田晃季さん

会場でもひと際目を引いた全日本ラリー仕様のインプレッサ。 ラリー好きの柴田さんがもし自分が全日本ラリー選手権に出場するなら……との妄想からデザインした細かなデカールは、カッターを使ってハンドメイドしたという。柴田さんのインプレッサは1.5ℓのNAエンジンを搭載しており、「高回転までストレスなく吹き上がるレスポンスの良さが大きな魅力」と語る。今年でオーナー歴4年目を迎えるそうだが、大学時代に手に入れた思い出の愛車は、当時のバイト代をすべて注ぎ込んだ可愛い相棒。今年から社会人になったものの、サラリーのほとんどを捧げてしまうのは大学時代と変わらずで、底のなしの愛を見た。

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左ハンドルの帰国子女に寂しさを感じる男

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レガシィLSi
平成3年式
池添祥正さん

会場では少し地味な存在だったが、よくみるとマニアックな1台を発見。富士重工の100%子会社であるスバル・ワールド・トレーディングが30台の限定で輸入販売した、北米仕様のレガシィである。SIA製の2.2lエンジン(EJ22E)を搭載し、日本製の2lエンジンよりも200ccのアドバンテージを持っていた超レアモデルだが、オーナーの池添さんは「左ハンドルなのに、誰も気がついてくれないので寂しい」と笑う。そんなオーナーは、このレガシィのほかにスバル360、R2、プレオ、ブラット(レオーネーベースのピックアップ)など複数台のスバル車を保有。スバル歴は30年を超える筋金入りのスバリストである。

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6つの魅力がスラスラ出てくる男

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インプレッサ
平成12年式
橋野雄介さん/美穂さん

2.0 WRXタイプRの最終モデルを愛車にする橋野さん。学生のころから憧れ、社会人になって手に入れたインプレッサのオーナー歴は今年で5年目を迎える。最近はサーキットに通いハイスピード・ジムカーナを楽しむ走り屋だが、スバルに対する愛情は半端ではない。①音が最高!! ②スタイリッシュ ③軽くて速い ④車との一体感が味わえる ⑤いい意味でシンプル ⑥SUBARU車だから、と6つの魅力を教えてくれました。彼女の美穂さんも他のメーカーとは違うエンジン音や独特の乗り心地など、助手席に乗っていてもインプレッサに魅了されてしまったという。私は「助手席代表のスバリストです」と豪語するキュートな笑顔が印象的。

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スバルの“生き字引”的存在、現る

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スバル1000
昭和42年式
岩崎喜一さん

「いまでは普通のことですが、飛行機屋の作った軽いボディ、アルミ製エンジン、モノコックボディ、FF駆動は当時としてはとてもユニークでした」と教えてくれたオーナーの岩崎さん。「FFレイアウトと軽いボディは雪や横風に強いんだけど、ハンドルが重たくて小回りが効かないのが弱点」と笑う。実はこのスバル1000は2代目になるそうだが、免許を取ってから現在までスバル車以外を所有したことがないという。1000、1300G、レオーネ、サンバー、フォレスター、レガシィ・ランカスターなど十数台のスバル車を乗り継ぎ、現在はスバル1000とレヴォーグを愛車にする御大。スバリストというよりも、富士重工業とともに生きてきた”スバルの生き字引”なのである。

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イケメン顔に虜になってしまったファミリー

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レヴォーグ
平成27年
岡野展之さん/理恵さん/詩織ちゃん

昨年、スカイラインから乗り換えたというレヴォーグオーナーの岡野さん。乗り換えた理由を「周囲の評判が高く、試乗したら走りの良さに感動してしまいました」と語る。また、フロントマスクの精悍さと優れた安全性は大きな魅力だったようだが、奥様の理恵さんが「イケメン顔」に熱を上げてしまったとのこと。クルマ好きの岡野さんは「スバルの水平対向エンジンは、ポルシェに負けない素晴らしいメカニズム。オリジナリティの強さは男心を刺激します。独特のエンジン音はクルマ好きにはたまらない!」という。スバルに対しての印象をお聞きすると「他の自動車メーカーに比べて、安全に対する意識が強く、安心して家族を乗せることができる」と高評価だった。

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誰もがスバルの特性を知り尽くしたうえで魅力を語る

いかがだっただろうか? 確かに、目立つクルマを多めに取材した、というのは否定できないがが、語り口調はどの人も実に熱かったのは事実。また、会場に一刻も早く着きたいはずなのに、丁寧に取材に応えてくれるなど、とにかくフレンドリーで親しみやすいという印象だ。

 

さらに、驚いたのはどの人もクルマに詳しい。いや、スバル車に詳しい。比較して購入したのではなく、スバルの哲学や企業理念に惹かれて指名買いでスバルを選んだ人が多数。だから、愛車の魅力を聞くと、クルマの性能についてプロ顔負けのインプレッションが飛び出し、自動車評論家もやったことがないようなチューニングやクルマカーライフを送っている。筆者は様々なファンミーティングを取材しているが、これらは他のメーカーではあまり見られない光景だ。

 

改めて結論。ガチな人も多いが、それ以上にとにかく「アツく優しい」のがスバリストである。

 

【URL】

スバル http://www.subaru.jp/
スバル ファンミーティング http://www.subaru.jp/fan_meeting/