男の子のママあるあるだと思うのだが、今まで電車になどまったくもって興味がなかったのに、我が子が電車に目覚め、プラレールにハマり、呪文のように列車名を唱え始めると、嫌でも電車の種類を覚えてしまう。
散歩コースとして、線路沿いの「電車がよく見えるスポット」をしっかりおさえている。ハッピーセットにトミカのおもちゃがつくとわかるや否や、息子を喜ばせたいがためにマックに通う。なんならコンプリートしたいので、同じく男の子を持つママ友とトレードしたり。いつのまにか自分自身が電車好きになっていた、なんてことは珍しくない。
そして、子どもも親も電車に夢中になると、おそらくこんな願いが心の中に生まれてくるのではないだろうか。
「ドクターイエローを生で見たい!」と。
子鉄&ママ鉄の憧れ!「ドクターイエロー」とは
ご存じない方のために簡単に説明すると、「ドクターイエロー」とは線路の歪みや架線の状態などを走りながら調べる、いわば「電車のお医者さん」。輝く黄色のボディが印象的だ。
東京~博多間を10日に1回ほどの頻度で走っていて、運行予定などは公に発表されていない。そのため、見かけたら幸せになれるというジンクスがあるくらいである。
独身の頃、出張や帰省で東京~大阪間をかなり頻繁に移動していた私だったが、実は一度もお目にかかったことがなかった。そもそも「ドクターイエロー」という存在を知らなかったため、もし遭遇していたとしても視界に入っていなかったのかもしれないが。
今回は、そんな幸福の黄色い新幹線・ドクターイエローをなんとか生で見たいと思い、見事成功した私の記録をお伝えしたい。
ネットを駆使してドクターイエローに出会う!
確実にドクターイエローを見るためのポイントは2つ。
ネットで検測時刻をリサーチ
まずは、いつ走るかがわからないと始まらない。
JRに勤めている友人に聞いたらダイヤを教えてくれないかとも思ったが、さすがにそれ無理だろう。というわけで、ネットで検索しまくった結果、ドクターイエローに関する情報や今月の検測(走行、ではなく検測というのも、なんだか通っぽくていい)予想日をアップしているブログやHPにヒット!
なかには、ビックリするくらい細かい情報をアップしてくれているブログもあり、アメンバーであれば「○○駅は何時頃通過予定ですか?」などというコメントにも、親切に返答してくれていた。一体どこのどなたなのだろうか。ドクターイエローへの深い愛情を感じずにはいられない。
ひとつのブログで確認できればOKだが、複数のサイトの情報を見比べておくとさらに安心である。
当日は、ツイッターや掲示板などでリアルな運行状況をチェック
ドクターイエロー通の方の情報はほぼ間違いがないが、もちろん運行状況に乱れが起こることも有り得る。
そこで、当日はツイッターやドクターイエローマニアたちの掲示板をマメにチェックしておこう。「西の皆さん、東京駅をいま出発しました!」「○○駅、いま通過しました!」など、ドクターイエローが今どのあたりを走っているかがリアルタイムでわかるのだ。
自分が待機している駅近くの投稿や情報が得られれば、ドクターイエローはもう目の前だ。
私の場合は、ちょうど帰省とドクターイエローののぞみ検測日が重なることをキャッチしたため、岐阜羽島駅にて待機。予定時刻が近づくに連れて、ホームには少しずつ人が集まってくる。今日は通過するだけなのに。どうやら毎月来ている人もいるようだ。ドクターイエロー、半端ないって。
そして見事、ドクターイエローが通過していくところに遭遇できた。こだま検測であれば停車しているドクターイエローを拝めたのだが、致し方ない。ほんの数十秒だったが、そのかっこよさと言ったら…写真にもバッチリおさえることができた!
もう、とにかくカッコいいのだ。オーラが違う。息子も大喜びしていたが、私自身がめちゃめちゃ興奮してテンション上がりまくりだった。
見たい!乗りたい!特急列車が目白押し
あれから数年。最近は少し電車への熱が下がり気味だった息子と私だが、こんな本を見つけて、再びアツい想いが再燃! 『スーパー特急のひみつ100』(栗原 景・著/学研プラス・刊)は、見開きにドカンと迫力ある電車の写真が載っていて、文句なしにカッコいい!
息子と2人でページをめくるたび、「あ、これ乗ったことある!」「うわ、めちゃカッコいい!」と盛り上がる盛り上がる。
外観や車両の特徴、豆知識なども盛り込まれているので、「へーそうだったのかー!」という発見もあり、見ていて飽きない。
いろいろと気になる電車はあったが、「かっけー!」と声を揃えたのがラピート。なんばと関西国際空港を結ぶ南海電鉄のアクセス特急で、ロボットみたいな顔と発色の良いブルー、「レトロフューチャー」をテーマにした車両デザインに魅了されてしまった。客室の窓が楕円形なのもクールだ。
それから、車両のデザインだけでなく、内観や設備などがユニークなものも。阿蘇~別府間を走るJR九州の「あそぼーい!」は、木のボールのプールや図書館など、親子で楽しめる設備がたくさんあるとのこと。
東京~新庄間を走るJR東日本の「つばさ」には、なんと足湯や湯上がりラウンジつきの車両があるらしい。
鹿児島中央~指宿間を走るJR九州の「指宿のたまて箱」は、ドアが開くと、浦島太郎がたまて箱を開けた時の煙に見立てて、ミストが出るのだとか! いつか乗ってみたい。
お金がかからず、最高の想い出が作れること間違いなし!
これらの列車は、ドクターイエローと違って運行時刻が簡単にわかるので、乗車することはもちろん、お目当ての列車を見るために駅に行くだけでも楽しめる。
夏休みも残りわずか。テーマパークなどに遊びに行くのもいいが、どこも混雑しているだろう。何かとお金もかかる。ここはひとつ、駅へお好みの特急列車に会いに行くというプランはいかがだろうか。
そして、タイミングがあえば、ぜひドクターイエローとの遭遇にチャレンジしてみてほしい。我が家は、ラピート目的でなんばまで遊びに行こうかと計画中である。
【書籍紹介】
乗ってみたい! スーパー特急のひみつ100
著者:栗原景
発行:学研プラス
日本全国の特急列車のひみつを100紹介。新幹線からJR、私鉄の特急、観光特急から通勤特急まで、たくさんの列車を掲載する。迫力の写真と正面のイラスト、くわしいデータなど、乗りたくなる情報が満載のSG(スゴイ)100シリーズ第6巻。