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2018/10/15 17:00

「国民的SUV」の素質を持ったクルマはどれだ? フォレスター/CR-V/エクリプス クロスを5項目で徹底採点比較

依然として人気の高いSUV市場に、国産の注目車が続々と投入。いずれも高い走行性能やデザインに加えて、ファミリーカーとして申し分のない使い勝手を誇ります。新時代の「国民車」として最新SUVを審査しました!

 

【審査した人】

本誌クルマ担当 川内一史

妻と2人暮らしの34歳。クルマ選びはまず見た目から入り、走りやすさに重きを置きます。趣味のゴルフで“使える”かにも目を光らせます。

 

自動車ライター 塚田勝弘さん

自動車専門誌編集者から本誌クルマ担当を経てフリーライターに転身。7歳と4歳の子を持つ父としての目線からも審査します。

 

使い勝手を高めたSUVはミニバンに代わる存在に

“平成のファミリーカー”といえばミニバンです。シートも荷室も広大なスペースを確保し、乗り降りしやすい両側スライドドアを備えるなど、実用性では文句なし。ただ、使い勝手を重視した結果、箱型一辺倒となり、自由度の低いデザイン性を指摘する声も多いです。

 

そんななか、新世代の「国民車」として注目されているのがSUVです。スポーティな走りと所有欲を満たすデザインに加えて、最新の国産SUVでは安全装備や室内の広さも高レベルで実現。若年ファミリーを中心に人気を集めています。

 

「国民的SUV」の座に最も近いのが、スバルの新型フォレスターです。元々のウリである悪路走破性に加えて、ファミリーカーとしての使い勝手も高められました。価格を300万円前後に抑えた点も評価したいです。

 

ホンダのCR-Vも魅力的なモデル。総合的に進化を遂げつつ、3列7シート車もラインナップしたチャレンジに拍手を送りたいです。

 

【その1】高い走破性と安全性を備えたスキのないオールラウンダー

スバル

フォレスター

280万8000円〜309万9600円

最新世代の車体を採用し、居住性や積載性が大きく進化。先進の「アイサイト」に加えて、運転者のわき見運転や居眠りを検知して警告する「ドライバーモニタリングシステム」を採用し、安全性能も高いです。【駆動方式:AWD】【総排気量:2498cc】【乗車定員:5人】【WLTCモード燃費:13.2㎞/ℓ】

SPEC【X-BREAK】●全長×全幅×全高:4625×1815×1730㎜●パワーユニット:2498cc水平対向4気筒DOHC●最高出力:184PS(136kW)/5800rpm●最大トルク:24.4㎏-m(239Nm)/4400rpm

 

↑ホイールベースを3㎝拡大したぶん後席の足元が広くなりました。身長180㎝以上の人でも余裕です

 

↑従来モデルからの美点である、運転席での視界の広さを踏襲。インテリアの質感も向上しています

 

 

↑荷室は広く、ゴルフバッグを横向きに4本積めます。開口部もワイドな設計で、積み降ろしが楽チンです

 

↑リアドアの開口部が拡大し、さらに足元にステップを設けて乗降性を高めました。高齢者や子どもにやさしいです

 

【JUDGEMENT】

長距離ドライブでも快適な乗り心地を実現

マイルドな乗り心地を実現し、100㎞を超える長距離ドライブでも快適。同社の哲学である「ダイナミック×ソリッド」を体現したデザインは、好みが分かれるかも(川内)。

 

乗り心地の良さが抜群で走行性能にも不足はない

後席は小さい子どもでも乗り降りしやすく、大人でも余裕を持って乗れるスペース。荷室の広さもうれしいです。ターボ仕様は用意されないものの、走りにも不足なし(塚田さん)。

 

【その2】3列シートを新ラインナップしファミリーのニーズに応える

ホンダ

CR-V

323万280円〜436万1040円

2016年に日本での販売が終了していたミッドサイズSUVが待望の復活。ハイブリッド仕様が新設定されました。ガソリン車には3列7シーターがラインナップされ、多人数ファミリーのニーズにも応えます。【駆動方式:FF】【総排気量:1993cc】【乗車定員:5〜7人】【WLTCモード燃費:21.2㎞/ℓ】

SPEC【HYBRID EX】●全長×全幅×全高:4605×1855×1680㎜●パワーユニット:1993cc直列4気筒DOHC+モーター●エンジン最高出力:145PS(107kW)/6200rpm●モーター最高出力:184PS(135kW)/5000〜600Orpm

 

↑サンシェード付きの電動パノラミックサンルーフがタイプ別に設定されます。開放感が抜群です

 

↑先代よりドア開口部を拡大し、2、3列目への乗降性を向上させました。ランニングボードはオプション設定

 

↑販売店オプションとなるカメラモード付きのルームミラー。オフにして通常のミラーとしても使用できます

 

【JUDGEMENT】

新設定のハイブリッドは高い燃費性能と走りを両立

実燃費に近いWLTCモードで21.2㎞/ℓの高い燃費性能を実現する、新設定のハイブリッドは秀逸。ガソリン車を選ぶなら、ファミリーには7人乗りモデルがオススメです(塚田さん)。

 

デザインはオーソドックスで万人に受け入れられる

オーソドックスで万人受けするデザイン。同社のヴェゼルよりひと回り大きいボディのため、コンパクト車に慣れている人は狭い道を走行する際は多少気を使うかも(川内)

 

【その3】SUVのレベルを超えた軽快なハンドリングが魅力

三菱自動車

エクリプス クロス

253万2600円〜309万5280

同社4年ぶりの新型車として登場し、ひと月で約5000台を販売。アウトランダーの車体を使いつつ、クーペ要素を取り込むことで、走りとデザインを高レベルで両立する。後席が広く、実用性も十分です。【駆動方式:FF】【総排気量:1498cc】【乗車定員:5人】【JC08モード燃費:15.0㎞/ℓ】

SPEC【G】●全長×全幅×全高:4405×1805×1685㎜●パワーユニット:1498cc直列4気筒DOHCターボ●最高出力:150PS(110kW)/5500rpm●最大トルク:24.5㎏-m(240Nm)/200〜3500rpm

 

↑ボディ下部はSUVらしく、上部がクーペ風のユニークなデザイン。スポーティとラグジュアリーが融合しています

 

 

↑タッチパッドコントローラーを同社で初めて採用。車載ディスプレイを手元から直感的に操作できます

 

【JUDGEMENT】

後席が見た目より広くファミリーでも十分使える

全高を低くしたクーペ風のコンパクトSUVでありながら、後席のスペースは見た目よりも広く、実用的。子どもが2人いるファミリーでも十分に使えます(塚田さん)。

 

上質で力強いデザインとスムーズな走りが魅力

流行のクーペスタイルに、力強さをプラスしたデザイン。同社アウトランダー譲りの走りも魅力で、高速走行中でも振動が少ないです。ハンドリングもスムーズです(川内)。

 

 

近日発売?NEXT国民的SUVはコレだ!

今冬から来春にかけて、注目の国産SUVはまだまだ登場予定です。人気のクロスオーバーからラグジュアリーカーまで、爆売れ必至の3モデルをチェック。

 

C-HRのレクサス版は高級感と装備が充実

レクサス

UX200

2018年冬日本発売予定

最新車体の「GA-C」を採用する。トヨタ C-HRのレクサス版といわれますが、そこはレクサスらしく、高い質感が与えられます。先進の装備も多く盛り込まれるはずです。

 

都市型SUVの元祖がミドルサイズで復活

トヨタ

RAV4

2019年春日本発売予定

2016年に廃版となったRAV4が新型(5代目)として復活します。元々はコンパクトで都市型SUVの元祖的存在ですが、新型は「TNGA」車体のミドルサイズになりそうです。

 

開発が遅れている2代目はe-POWERもラインナップ予定

日産ジューク

2019年日本発売?

世界的にヒットしたクロスオーバーSUVの2代目は、e-POWERも設定される見込み。2015年発表のグリップス・コンセプト(写真)がベースになるといわれています。