新しいiPhoneが登場して約1か月、Android機もミドルクラスからハイエンドを中心に様々な端末が普及している現在、スマートフォンは多種多様な使われ方をしています。
クルマ業界もその例に漏れません。かねてからスマホをナビ代わりにするなど、カー用品もスマホとの関わりを強めていましたが、ここにきてカロッツェリアから非常に優秀なスマホ連携アイテム「スマートフォンリンク MVH-7500SC(以下MVH-7500SC)」が登場しました!
スマートフォンリンク MVH-7500SCってどんなアイテム?
MVH-7500SCは、クルマの中でのスマートフォンの機能性、操作性を追求したカーアイテム。専用アプリをインストールしたスマホをクレイドルにセットすることで、前面にある物理的なボタンで、使い慣れたカーナビや音楽アプリを、カーナビ専用機のように活用可能です。確かにカーアイテムなのですが、クルマ内でのスマホの利便性を向上させるという意味で、まぎれもないスマホガジェットです。
この記事では、MVH-7500SCがスマホガジェットとしてどれだけの実力を秘めているのかを、年間十数台のスマホを使い続け、また関連ガジェットを自腹購入して使い倒してきた筆者がレビューします。MVH-7500SCの独自機能を解説しつつ、クルマに導入すると具体的にどのようなメリットがあるのかお伝えしましょう。
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【チェック項目01】設置性・視認性の高さは?
スマホをカーナビとして利用する場合、コンビニやサービスエリアで乗り降りするたびに脱着を繰り返します。スマホを車内に置いたままでは盗難の危険性がありますし、車外で行動するときも手放せないアイテムです。そこで重要になるのがスマホの設置性ですが、この点はしっかりと作り込まれています。クレイドルの上側の爪をスマホの側面で押し上げるだけで簡単に装着できます。慣れれば片手で十分こなせますね。
ダッシュボードに装着するタイプのクレイドルは固定が甘くて、走行中に端末が揺れて画面を見づらくなることがあります。しかしMVH-7500SCのアームは金属と強化プラスチックを組み合わせて高剛性に設計されており、振動がほぼ抑えられています。ダッシュボードに装着するタイプのクレイドルより重心が低いことも功を奏していますね。この防振設計はカーナビ、カーオーディオを長年作り続けてきたカロッツェリアのノウハウが活きています。
視認性は当たり前ですがスマートフォンのディスプレイ性能によります。しかし最近の端末には広視野角、高輝度のIPS液晶、有機ELディスプレイが採用されているので不満を感じることはないはず。もちろん太陽光が直接ディスプレイに反射しているときは画面が見にくくなりますが、それはすべてのディスプレイで言えることです。
あとはクレイドルを左右に角度調節できると、さらにうれしいですね。上下の角度調節は可能ですが、次期モデルではぜひ改善してほしいポイントです。
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【チェック項目02】ハード操作性の実力は?
MVH-7500SCを試用して最初に実感したのが、手探りで操作できる物理ボタンの使いやすさ。最近のスマホは画面を大きくするために前面から物理ボタンが廃止されており、手探りで操作できません。その点MVH-7500SCと組み合わせれば、AVキー、音声キー、ナビキー、メッセージキー、電話キーと物理ボタンが用意されており、登録済みの機能、アプリをワンプッシュで呼び出せます。安全性という観点から物理ボタンは非常に重要な装備と言えます。
ダイレクトキーの「音声キー」(マイクのアイコンのボタン)をプッシュすると起動するのが「音声認識機能」。車内に取り付けたマイクを通じて、「ナビ (行く先)」、「ミュージック (曲名)」と発声すれば、ハンズフリーで操作可能です。
スマホをカーナビとしてフル活用する際に必ず問題になるのが連続動作時間。どんなに大容量のバッテリーを内蔵しているスマホでも丸一日ナビゲーションさせていればバッテリー残量はゼロになってしまいます。その点MVH-7500SCは前面にUSB端子が装備されているので、最短距離でスマホに給電可能です。USBケーブルは付属していませんが、100円ショップなどで短めのケーブルを調達しましょう。オススメはカールして伸び縮みするケーブルです。
ユニークなのがフロントパネルの取り外し機能。治安の悪い場所に長期間駐車するときにフロントパネルを取り外すことで、盗難に遭う危険性を下げられます。ちなみに取り外した状態でワイヤレスで利用する機能はありませんが、別売のリモコン「CD-R500」を用意すれば、各種主要機能を遠隔操作可能です。助手席、後部座席の同乗者に渡しておくと重宝しますよ。
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【チェック項目03】アプリ操作性の実力は?
MVH-7500SCのために開発された専用アプリケーションが「Pioneer Smart Sync」。iPhone用、Android用がリリースされており、MVH-7500SCとBluetooth接続することでナビゲーションアプリの起動、LINEやFacebook Messnegerなどのメッセージ表示と読み上げ、音楽のコントロール、サウンド設定などが利用可能となります。つまりPioneer Smart Syncはスマホ内のアプリ、コンテンツを統合管理する「ハブ」的な存在になるわけです。この点がスマホ用カーナビアプリを単体で使う場合との大きなアドバンテージとなります。
例えばスマホにカーナビアプリがインストールされていると、Pioneer Smart Syncに候補として表示されます。ここでデフォルトのカーナビアプリを設定しておけば、ナビキーや音声認識機能でそのアプリを呼び出せるわけです。スマホ向けカーナビアプリは日々進化しているので、定期的にチェックして、そのとき最も自分に合ったアプリを選択しましょう。
最近のスマホは6インチ以上の大画面タイプが流行り。それでもスマホの電話帳アプリは、センターコンソールの上では文字が小さくて読みにくいです。Pioneer Smart Syncは車内での利用に特化しており、たとえば電話帳表示では名前が大きく表示されるので、画面に顔を近づけなくても素早く読み取れます。車内での利用を想定していないスマホ標準アプリの使いづらさを、Pioneer Smart Syncが補完してくれるわけですね。
個人的に一番気に入ったのがメッセージアプリとの連携機能。LINEやFacebook Messengerなどの対応アプリのメッセージは受信時に自動的に画面に表示され、「メッセージ」キーを押せばクリアな音声で読み上げてくれます。スマホを手に取らずに済む便利かつ安全な機能です。
気に入ったというか、感心させられたのが「ドライブサポート機能」。設定内の「衝突検知」に連絡先を登録しておくと、衝突を検知して一定時間スマホの操作がない場合に、登録している宛先に電話、またはメッセージ(SNS)を自動で発信。役立つことがないことを祈りたいですが、自分がスマホを操作できないほどの怪我を負ってしまったときに命を救ってくれるかもしれない重要な機能です。
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【まとめ】スマホの汎用性、車載専用機の利便性のどちらも重視したい方にオススメ!
長年カーナビ、カーオーディオ専用機を開発してきたカロッツェリアの製品だけにエンターテイメント機能も充実。シートに合わせた音場調整、迫力の低音を楽しめる「スーパー轟サウンド」、再生音楽に合わせて歓声や拍手をミックスする「ライブシミュレーション」、スマホの処理性能を活かした圧巻の「31バンドイコライザー」、フロントパネルのイルミネーションカラーやPioneer Smart Syncの背景画像を変更する機能も用意されています。
スマートフォンには数多くのアプリがリリースされており、ダッシュボードに装着するクレイドルさえ用意すれば、さまざまな用途に活用できます。ただそれは個別に利用できる機能であり、また車内での利用を想定していないアプリは凝視して、かつ細かな操作が必要となります。その点MVH-7500SCとスマホを組み合わせれば、自分が普段よく使っているアプリが登録できて、前面のダイレクトキーや音声認識機能で快適に、そして安全に活用できるのです。今後、対応アプリも増加予定とのことで、さらに使い勝手が増していくでしょう。
スマートフォンリンク MVH-7500SCは、スマートフォンならではの汎用性、カーナビ専用機としての利便性のどちらも重視したいと言う方にオススメできるアイテムです。
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撮影/我妻慶一