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2018/10/21 17:30

【保存版】「鉄道写真」上達を目指すなら「LED表示器」にこだわりたい! 代表的車両の傾向と対策

【表示器の傾向1】一世代前の車両に多い「3色LED表示器」

すでに撮影のコツを身につけている人へは、より実践的な内容として、各地を走る代表的な車両のLED表示器の傾向に加えて、遅めのシャッター速度が必要な新型車両の情報をお届けしよう。ここからは各地を走る代表的な車両に付けられたLED表示器の傾向と、どのぐらいのシャッター速度を選べば良いのかを見ていきたい。

 

まずは1990年前後から徐々に広まった3色LEDの傾向から。3色LED表示器は赤、緑、橙(だいだい)の3色で文字を表示する。橙は赤と緑を同時点灯して色を造り出している。

●JR東日本E231系 → シャッター速度250分の1前後

↑湘南新宿ラインを走るE231系。3色LED表示器が使われている。この写真は250分の1のシャッター速度で撮影したもの。運転台下の列車番号まできれいに撮影できた

 

3色LED表示器を使う代表的な車両としてはJR東日本のE231系がある。東海道本線や高崎線、東北本線などを走る近郊形車両。さらに山手線、中央総武緩行線、常磐線など、多くの路線を現在も走っている。大半のE231系は、シャッター速度250分の1ぐらいで十分に撮影が可能だ。

 

3色LED表示器を使っている他鉄道会社の車両も、多くが250分の1前後のシャッター速度で撮影できる。一部の例外車両を見ておこう。

 

●横浜高速鉄道Y500系 → シャッター速度125分の1以下

↑横浜高速鉄道のY500系は125分の1以下のシャッター速度が必要だった。なお、東急東横線の兄弟車両5050系から転用された車両は250分の1での撮影が可能だった

 

横浜高速鉄道のみなとみらい線だけでなく東急東横線や、東京メトロ副都心線に乗り入れるY500系。兄弟車両の東急東横線の5050系がカラーLED表示器を使っているのに対して、Y500系は3色LED表示器を利用している。きれいに写すためには125分の1以下のシャッター速度が必要だった。

 

●関東鉄道常総線の気動車 → シャッター速度速度80分の1以下

↑関東鉄道常総線のディーゼルカーは5000系をはじめシャッター速度を遅くしての撮影が必要になる。80分の1ともなると、かなり撮影の難度が高まる

 

3色LED表示器を使用する車両のなかでも、撮影が難しいと感じたのが一部路線の気動車に使われている表示器だ。

 

上の写真は関東鉄道のキハ5000形だが、80分の1というかなり遅いシャッター速度でようやく撮影可能だった。関東鉄道以外にも伊勢鉄道のイセⅢ形といった車両も、かなりシャッター速度を落とさないと厳しい。

 

会津鉄道の気動車のように250分の1で撮影できる車両もある。全国の気動車すべてでないところが、LED表示器の難しいところでもある。

 

【表示器の傾向2】1000分の1で撮れる「カラーLED表示器」も

2004年から次第に浸透していったカラー表示器。現在、導入される新型車両のほとんどがこのカラーLED表示器が使われている。登場してから10年以上が経つだけに、使われ始めたころに比べて、新しい表示器は美しく高性能になりつつある。

 

撮影可能なシャッター速度に関しては、千差万別だ。同じ車種でも路線で異なる例も見られている。1000分の1で撮ることが可能な表示器が現れる一方で、100分の1近くでようやくという表示器もある。

 

ここでは代表的な車両と、まだ登場して間もない新型車両を中心に見ていこう。

 

●JR東日本E233系 → シャッター速度125分の1〜320分の1

↑中央線のE233系は導入された年代で表示器が異なるよう。写真は200分の1で撮影した例。125分の1〜250分の1と車両により撮影可能なシャッター速度が異なる

 

↑横浜線のE233系。320分の1でシャッターを切ったが、左は表示器が撮影でき、右は撮影できなかった。導入した年代により使われている表示器が異なることから、このように差が出る

 

首都圏を走る通勤用の代表格がJR東日本のE233系。京浜東北線をはじめ、埼京線、京葉線、横浜線など、多くの路線を走る。この車両のカラーLED表示器、導入された年代により性能が異なるもよう。上の横浜線のように、偶然にすれ違った電車の表示器で、その差がわかる。

 

●JR西日本323系(大阪環状線) → シャッター速度400分の1前後

↑大阪環状線の新型323系。400分の1という速いシャッター速度でも十分に表示器が読めた。これだけ速いシャッター速度であれば、いろいろな角度から撮影できてありがたい

 

JR東日本とともにカラーLED表示器を利用する車両が多いのがJR西日本。この西日本の車両は、速いシャッター速度での撮影可能な車両が多い。大阪環状線の323系、広島近郊を走る227系、関西全域を走る225系など250分の1から一部は400分の1でも撮影可能だった。

 

ただしJR西日本の車両のなかでも関西本線の201系や、山陽本線の115系といった例外がある。車両の検査・更新時にあとから取り付けられた3色LED表示器は、100分の1以下での撮影が必要なようだ。

 

●東急電鉄田園都市線2020系 → シャッター速度400分の1

↑東急電鉄の田園都市線の新型2020系は、シャッター速度400分の1での撮影が可能だった。大井町線の新型6020系も同じように400分の1での撮影できる

 

東京急行電鉄の新型車両2020系や6020系はシャッター速度400分の1で撮影が可能。これだけ速いシャッター速度だとかなり撮りやすい。

 

このように比較的、速めのシャッター速度で撮影できる各社の新型車両として、相模鉄道の20000系や、京王電鉄京王線用の5000系が挙げられる。

 

●大阪モノレール3000系 → シャッター速度1000分の1

↑大阪モノレールの新型3000系は1000分の1のシャッター速度でも写真のように表示器がしっかりと撮影できた

 

10月から走り始めた大阪モノレール(大阪高速鉄道)の新型3000系。試乗する機会があり、駅に停車したときに、シャッター速度をいろいろ変えて表示器を撮影してみた。

 

すると400分の1はもちろん、1000分の1でも鮮明に表示器を写すことができた。このシャッター速度の速さは画期的なこと。ここまでなるとシャッター速度を気にせずに安心して撮影が楽しめそうだ。

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