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2018/11/12 18:15

新鮮な発見が次々に!– 見て乗って食べて良しの【上信電鉄】の旅

 

【発見の旅5】富岡製糸場以外にも発見が多い上信電鉄の沿線

上信電鉄の沿線は観光要素にも事欠かない。

 

世界遺産に登録された富岡製糸場はもちろんのこと、駅からやや離れてはいるが、ぜひ訪れたい城下町。最近注目のB級グルメ、隠れたようにひっそりと立つ史跡など、訪れてみたいポイントがふんだんにある。

 

ここからは写真を中心におすすめの観光ポイントを紹介しよう。

 

◆佐野橋(佐野のわたし駅から徒歩約2分)

高崎市街の西側を流れる烏川(からすがわ)。上信電鉄が渡る烏川橋梁付近には、大正期まで渡船場があったとされる。近年、駅もでき、木造の佐野橋を渡れば、対岸まで散策が楽しめる。

↑上信電鉄の駅としては最も新しい佐野のわたし駅。2014年12月に開業した。烏川に面していて、河畔と広がる風景が楽しめる。古くには烏川の両岸をつなぐ渡船場があり、人や牛馬、荷車などを運んでいたとされる

 

↑上信電鉄の烏川橋梁に平行に架かる木造の佐野橋。佐野のわたし駅から徒歩2分と近い。川の氾濫で橋が流されることが多々あり、かけ替えしやすいように木造にしたとされる。対岸には田畑がひろがり散策コースとして、上信電鉄の撮影ポイントとしておすすめだ

 

◆城下町・小幡(上州福島駅から車で約8分)

上州福島駅がある甘楽町(かんらまち)の町内には、江戸時代に小幡(おばた)藩という2万石の小さな藩があった。この藩を立ち上げたのは、織田家。

 

織田信長の次男であった信雄(のぶかつ)。その四男にあたる信良(のぶよし)が立藩した。全国統一を目指した信長の孫にあたり、また残された直系にもあたる信良だったが、すでに徳川の天下となり、小さな藩の支配しか認められなかったわけだ。小幡では7代にわたり織田家の統治が続いたが、7代目が蟄居処分となり、出羽(山形)高畠藩(たかはたはん)に移封されている。そんな織田家ゆかりの地が、群馬の地にあることがおもしろい。

↑織田信長の孫により立藩された小幡藩。現在も一部に城下町の面影を残す。特に桜の季節は訪れる人が多い。写真の雄川堰(おがわぜき)は織田家が統治した17世紀中ごろに造られた用水路。上州福島駅からレンタサイクルの利用で約20分(駅に貸し出し用の自転車あり)

 

◆富岡製糸場(上州富岡駅から徒歩約10分)

日本の近代化のために1872(明治5)年に設けられた富岡製糸場。今も敷地内に多くのレンガ建ての建物が残され、往時の姿を伝えている。2014年に富岡製糸場と絹産業遺産群が世界遺産に登録された。

 

近代日本の礎を築いた製糸場とその関連遺産だけでなく、上州富岡駅の近くの倉庫群などにも、当時の富岡の繁栄ぶりが目に浮かぶようで興味深い。

↑世界遺産への登録にあわせ2014年3月に建て替えられた上州富岡駅。現在の駅舎は3代目にあたる。駅構内にインフォメーションコーナーもある。左には富岡市のイメージキャラクター「お富ちゃん」が立つ

 

↑上州富岡駅の駅前からは「まちなか周遊観光バス」も運行される。乗車運賃は100円(ガイド料を含む)で、約40分でまちなかを1周する。富岡製糸場前も経由するので便利だ。特製の8輪電動バスを利用していて環境にもやさしい

 

↑日本の近代化に大きく貢献した富岡製糸場。現在も当時のレンガ造りの建物が多く残る。見学料1,000円、開場は9〜17時/年末12/29〜31日のみ休み 画像提供 富岡市

 

◆下仁田かつ丼(下仁田駅近くの食事処で味わえる)

昨今、駅近くの食事処や店舗が店じまいしているところが多くなっているが、上信電鉄の終点、下仁田駅ではそのような心配は無用だ。

 

むしろ、ここではぜひ食べておきたいメニューがある。「下仁田かつ丼」だ。かつ丼といえば、普通は卵とじかつ丼や、ソースかつ丼が一般的だが、この下仁田では、揚げたカツをさっと醤油だれで潜らせる。さっぱりした味が特徴だ。大正後期から町内の飲食店で提供された味で、現在では、町の名物として駅そばの8店舗で名物かつ丼の味が楽しめる。

↑下仁田駅そばの8軒で下仁田かつ丼が味わえる(800円〜)。写真は日昇軒の下仁田かつ丼。カツが2枚重ねでボリューム満点だが、さくっとした衣味、しつこさはなく食べやすかった。スタンプラリーも行われ(冬期を除く)、8軒全店めぐれば農産品をプレゼント

 

↑下仁田駅そばにあるレンガ建ての「下仁田倉庫」。1921(大正10)年と1926(大正15)年に建てられた2棟が連なる。繭(まゆ)の保管場所として使われた。観光施設ではなく外観しか見ることができないが、こうした歴史的な建物が沿線に数多く残るのがおもしろい

 

◆上野三碑(山名駅、吉井駅などから徒歩で)

今回は紹介できなかったが、沿線に点在する上野三碑(こうずけさんぴ)も世界遺産に登録され、注目を集めている。

 

古代(7〜11世紀)に上野国に住んだ朝鮮半島からの渡来人が立てたとされる石碑で、日本では18例しか現存しない石碑の中で最古のものを含む三碑だとされる。

 

三碑のうち、山上碑(西暦681年・年号は建てられた時期=以下同)へは上信電鉄の西山名駅または山名駅から徒歩約20分。多胡碑(西暦711年ごろ)へは吉井駅から徒歩25分、金井沢碑(西暦726年)は根小屋駅から徒歩10分。吉井駅または山名駅から三碑めぐりバスも運行されている。

 

歴史好きの方は訪ねてみてはいかがだろう。

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