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2018/11/24 21:30

最近乗ってよかったクルマ3台ーーボルボV60に、スバル フォレスターに、BMW X5

本記事では、プロが最近乗って良かったと思ったモデルを厳選して、コンパクトにお届けします。今月の目玉は、ボルボの最新モデルV60。輸入ワゴンの大本命と言われる本車の実力をくまなくチェックしました。国産車では、SUV市場をさらに賑わせている5代目スバル フォレスターに試乗。走りや乗り心地は、評判に違わぬ性能の高さを感じられました。

 

【その1】上質な走りを楽しめる、輸入ワゴンの“本命” ボルボ V60

SPEC【T5インスクリプション】●全長×全幅×全高:4760×1850×1435㎜●車両重量:1700㎏●パワーユニット:1968㏄直列4気筒DOHC+ターボ●最高出力:254PS/5500rpm●最大トルク:35.7㎏-m/1500〜4800rpm●JC08モード燃費:12.9㎞/ℓ

 

正面衝突時の被害軽減など安全性能もさらに強化された

ボルボを象徴するステーションワゴンのなかでも特に人気の高いV60に、2代目となる新型が登場。外観は、先代のスポーティな風情を継承しながらも、上質なワゴンに相応しい伸びやかさと実用性の高さを感じさせる仕立てとなりました。全長が先代より伸びた一方で全幅は狭くなり、日本の路上でも扱いやすいサイズをキープしています。

 

最新のボルボらしく、安全性もハイレベル。衝突回避・被害軽減ブレーキは、本車で新たに「対向車対応機能」を追加。正面衝突時の被害を最小限に抑えます。

 

日本仕様のエンジンは2Lガソリンターボがベーシックで、来年3月以降に2種類のプラグイン・ハイブリッドが追加される予定。今回は2Lターボに試乗したが、質感の高い走りが印象的だった。適度に締まったフラットな乗り心地や、洗練度の高いステアリングの操舵感、積極的に走る楽しさが見出せるエンジンなど、ボルボならではのクオリティ。輸入ワゴンの“本命”といえる出来映えです。

 

【注目ポイント01】取り回しの良いサイズ感を実現

伸びやかなスタイリングのボディは先代モデル比で全長が125㎜延長されています。しかし、全幅と全高はそれぞれ15㎜と45㎜縮小することで、取り回しの良さをキープしています。

 

【注目ポイント02】足下の空間を広げて居住性がアップ

スマホライクに操作できるタテ型タッチパネルを配した室内回りは、最新のボルボらしく質感が高いです。また、足下の空間を大幅に拡大したことで、居住性がアップしました。

 

【注目ポイント03】荷室の広さはドイツ車を凌ぐ

通常時の荷室容量は529ℓで、先代の430ℓから拡大されました。これは、同クラスのドイツ車と比べてもかなり広いです。後席を完全に畳むことで、容量は最大で1441ℓにまでアップします。

 

 

【その2】ライド感は「1クラス上」のレベルに スバル フォレスター

SPEC【アドバンス】●全長×全幅×全高:4625×1815×1715㎜●車両重量:1640㎏●パワーユニット:1995㏄直列4気筒DOHC+電気モーター●最高出力:145[13.6]PS/6000rpm●最大トルク:19.2[6.6]㎏-m/4000rpm●WLTCモード燃費:14.0㎞/ℓ●[ ]内は電気モーターの数値

静粛性が高められたためロングドライブにもオススメ

新型フォレスターは、外観こそ先代のイメージとあまり変わりませんが、中身は格段に進化しました。試乗で特に印象深かったのは、滑らかな乗り心地。日常域から積極的に操る場面まで、1クラス上のSUVとまったく遜色がないレベルのライド感を獲得しています。静粛性もかなり高められているので、ロングドライブを楽しみたいユーザーにもオススメできます。

 

エンジンは、2.5Lガソリンと2Lガソリン+電気モーター(ハイブリッド)という2本立てで、いずれも動力性能は上々。ミッションはCVTを組み合わせるが、アクセル操作に対する反応にも不満はありません。街乗り主体ならハイブリッド、ロングドライブがメインならガソリン仕様が相応しいです。

【注目ポイント01】スポーティな仕様のグレードにも注目

2.5ℓのガソリン車には、SUVらしい内外装を採用したグレード「Xブレイク」を設定。走破性を重視したオールシーズンタイヤとなっています。

 

【注目ポイント02】レジャーでも使える荷室

荷室容量は、ガソリン仕様で通常時520ℓ。ハイブリッドでも509ℓを確保しています。アウトドアなどのレジャーなどでSUVらしく使いたいニーズに応えられます。

 

【注目ポイント03】運転者の動きを見て警告

安全装備では「ドライバーモニタリングシステム」が新搭載。運転者が一定時間以上目を閉じていたり、顔の向きが前方から外れたりすると検知して警告します。

【その3】同社セダンの流れを汲む“最高級サルーン的SUV” BMW X5

SPEC【xDrive30d】●全長×全幅×全高:4922×2004×1745㎜●パワーユニット:3.0ℓ直列6気筒ディーゼル●最高出力:265PS(195kW)/4000rpm●最大トルク:620Nm/2000〜2500rpm●カタログ燃費:約14.7〜16.7㎞/ℓ

 

車高を上げるオプションでオフロード仕様にもできる

BMW X5は、先代の登場からわずか5年で次世代を投入します。国産車であれば標準的なスパンですが、輸入車としてはかなり早いといえます。同社のスポークスマンによれば「最新技術をいち早く顧客に提供するため」ということなので、大いなる期待を胸に抱き、米国で行われた国際試乗会に赴きました。

 

実際のところ、X5から受けた印象は“最高級サルーン的SUV”。同社のセダン、7シリーズや5シリーズの流れを汲むボディやシャーシ、パワートレインの構成を採用しており、この出来が期待以上に良いのです。しかも、オプションで車高を上げるサスペンション機能を用意し、オフロードでの走破性も大幅に向上させました。来年早々に日本上陸するのが待ち遠しいです。

 

【注目ポイント01】ドライバー重視のコックピットレイアウト

運転席は高めのポジションとして操作性が向上。ヒーター付きシートを標準装備。荷室は645ℓで、シートを倒せば最大1860ℓに拡大します。

 

【注目ポイント02】オフロードさえも“駆け抜ける歓び”

SUV(同社ではSAVと呼ぶ)らしく、オフロードの走破性も高められました。大きな段差や荒れた路面でも不快感なくグイグイと進みます。

 

文/小野泰治、萩原秀輝  撮影/篠原晃一 写真/宮門秀行