【琴平線のお宝5】車両の出入りホームから楽しめる仏生山駅
瓦町駅から仏生山(ぶっしょうざん)駅までは南下、ほぼ直線の路線が続く。地図を見ると、路線が仏生山駅へわざわざ立ち寄っている印象がある。これは路線を開業するにあたって、地元から熱烈な誘致運動があったためだとされる。
この仏生山駅には、ことでんの車両所と検車区、さらぶ工場が隣接している。上り下りホームから、こうした施設がほぼ見回せることもあって、鉄道好きにはたまらない駅でもある。前述したレトロ電車や、ラッピング電車が車庫に並ぶ。運用がない日でも、この駅に行けば、多くの電車の姿を楽しむことができる。検修施設を出た試運転電車などの行き来もホームから眺めることができて楽しい。
【琴平線のお宝6】ため池風景を楽しむならば岡本駅がおすすめ
ちなみに仏生山駅からは、太平洋戦争前に塩江温泉鉄道という会社の路線が伸びていた。線路幅1435mmの標準軌を採用した路線で、ガソリンカーが走っていた。その後に高松琴平電気鉄道の塩江線となるが、太平洋戦争直前の1941(昭和16)年に不要な路線として廃止されている。
さて、先を急ごう。仏生山(ぶっしょうざん)駅を発車するとカーブを描き、列車は西へ向かう。
次は空港通り駅。駅の名のとおり空港通り(国道193号)が駅の上を立体交差している。高松市内と高松空港を結ぶ空港バスにも、乗り換えできる。しかし、最寄りのバス停(空港通り一宮バス停)まで約400mと遠いせいか、乗換え客はほとんど見かけなかった。高松空港から同バス停まで乗車14分、終点の高松駅まで45分かかる。料金も同バス停に下車するのと高松駅での下車では310円の差がある。もう少し接続が良ければと感じた。
円座駅(えんざえき)を過ぎると、住宅風景は途切れ、田畑が増えてくる。沿線にはかんがい用のため池も多くなってくる。讃岐ではため池が多く見られるが、どのぐらいの数があるのだろう。調べると1万4619か所だそうだ。数では兵庫県、広島県に次いで3位だが、県の総面積に対するため池の密度では全国一。どおりで琴平線の沿線にも多く見られるわけである。
そんなため池風景が気軽に楽しめるのが岡本駅だ。駅の近くに奈良須池(ならずいけ)があり、その堤が絶景&撮影ポイント。まるで琴平線を撮影してくださいというばかりに、堤がほぼ“お立ち台”状となっている。