【2018年の話題7】車両保存すら困難な冬の時代の到来
2018年に起きた鉄道の話題で気になった事柄を最後にあげておきたい。
2018年12月8日に「近江鉄道ミュージアム」が閉館となった。彦根駅に隣接して設けられていた同ミュージアム。1985年に近江鉄道が貨物輸送を終えた後も、使っていた電気機関車11両を中心に車両を保存、2007年にはミュージアムとして整備した。開館日が週末のみと限られていたものの、貴重な車両が楽しめるとあって、鉄道ファンを中心に根強い人気を誇った。
国鉄や各地の民営鉄道が電化した当初に使っていた車両がほとんどで、大正期に東海道本線電化用に米国から輸入した機関車や、東芝の前身、芝浦製作所が製造した車両など、産業遺産に指定されてもおかしくないような車両が揃っていた。
近江鉄道は「老朽化に伴い当社では継続的な保存が困難」とし、順次解体していく方針だ。申し出があれば無償で譲渡するという話だったが、多額な輸送費がかかるために、その後に良い話は聞こえてこない。残念な結果になりそうだ。