【新特急の誕生⑤】座席カラーの黄色は決して派手ではなかった
さて、001系に乗車する。すぐに驚いてしまった。
乗降口から入ったエントランスのカラーは黄色。さらに座席の色は黄色がベース。昨秋に行われた記者会見で座席は黄色ということを見聞きして知ってはいたものの、華やか過ぎるのではと、筆者はふと思うのだった。
だが、思い起こすと半世紀前にすでに似たような“変化”が西武鉄道にはあった。
1969(昭和44)年に西武鉄道は車両カラーの大変革を行った。それまでの西武鉄道の電車は“赤電塗装”と呼ばれる赤とベージュの2色だった。今で言えば“地味め”な色だった。そこに黄色にベージュという当時としてはざん新な車体カラーの新型101系を投入した。
その後の西武鉄道の車両は新101系、2000系、3000系、9000系と黄色の車体カラーで統一されていく。近年の西武鉄道には多彩な車体カラーの車両が走っているが、赤電から変わる当初は、かなりの驚きをもって迎えられた。幼い時の筆者が思ったように。
でも、慣れるにしたがって、明るくていいな、となっていった。明るい鉄道会社のイメージを造り出すため黄色い車体カラーが一役かっていたように思える。
【新特急の誕生⑥】エントランスの丸みなどおもしろ発見が続々と
このほかにも車内での“おもしろ発見”は尽きない。いくつかの例を写真で見ていこう。
思わず1号車から8号車まで探険したくなるような造り。短い時間ではとても巡りきれなかった、そんな新型特急だった。
ところで試乗してみて乗り心地はどうだろう?
小手指車両基地から池袋駅までの30分ほどだったこともあり、また設計最高速度の120km/hに近いスピードで走る区間がなく、本来の性能に接する機会は残念ながらなかった。とはいうものの、現在の10000系に比べてモーター音は抑えられ、非常に静か。乗り心地も穏やかという印象だった。
【新特急の誕生⑦】3月16日以降、どのような運用となるのか?
3月16日の西武鉄道のダイヤ改正に合わせて登場する新型特急001系。まずはどのような運用が行われるのだろう。A編成8両のみが運用に入る予定だ。
平日 | 下り5本、上り6本(池袋〜西武秩父間3往復、池袋〜飯能間2.5往復) |
休日 | 下り5本、上り5本(池袋〜西武秩父3往復、池袋〜飯能2往復) |
詳しい時間は下記のダイヤを参照していただきたい。なお新型特急の導入以降もありがたいことに特急料金の変更はない。
また運行される前に3月2日(土曜)・3日(日曜)は西武球場前でお披露目イベントを開催の予定。また2月19日(火曜)〜3月18日(月曜)は所沢駅構内コンコースに「Laview」特設ブースが設置される予定だ。
なお2019年度中には西武池袋線・西武秩父線での運行される特急はすべてが001系に変更される予定となっている。10000系が残るのは西武新宿線のみとなる。同路線では本川越駅のホームが現状の10000系7両のみに対応できる長さとなっていて、同駅のホームの改良工事をされるのを待って001系の導入されることになりそうだ。
これまでとは大きく異なる新型特急001系「Laview」。ぜひとも新時代の特急の姿を自らの目で確かめ、そのおもしろさを体感していただけたらと思う。
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