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2019/8/20 18:30

フライトシミュレーター設置付き客室!?「羽田エクセルホテル東急」はハイテンションホテルだった

ターミナルに直結する羽田エクセルホテル東急は、今年12月に開業15周年を迎えるにあたり、ホテルを大幅にリニューアル。その目玉としたのがフライトシミュレーターを設置した客室です。この部屋はすでに7月18日より予約を受け付けていますが、ホテルではこのほどその部屋を報道関係者に披露。その部屋の概要についてお伝えしたいと思います。

↑羽田エクセルホテル東急に、新たに用意された「スーペリアコックピットルーム」

 

羽田エクセルホテル東急は2004年12月1日、第2ターミナルの開業に合わせてオープンしました。空港直結という利便性もあり、これまでに羽田空港の利用者を中心に多くの宿泊客を迎えてきましたが、それから15年が経ち周囲は大きく変化しています。インバウンド客の大幅な増加によって羽田空港周辺はホテルが相次いで開業し、2020年3月には第2ターミナルの一部が国際線化。さらに来春には住友不動産ヴィラフォンテーヌが、空港敷地内最大規模となる1700室のホテルを国際線ターミナルに開業予定です。

↑ホテルのエントランスには飛行機が羽田から各就航地へ飛んでいく姿をイメージしたデジタルサイネージを設置

 

この日、対応していただいた同ホテル貴崎清孝総支配人によれば、「リニューアルにあたっては各ホテルが差別化を求められており、そのため、記憶に残る、興味をそそる企画が必要と考えた」そうです。そこで貴崎総支配人は自らが趣味で通っていたフライトシミュレーター体験型店舗「LUXURY FLIGHT」(東京都大田区)の全面協力を得られることになり、これが「“遊び心”を感じられる客室」(貴崎総支配人)を実現することになったというわけです。

↑自ら飛行機マニアを自称する羽田エクセルホテル東急総支配人の貴崎清孝氏

 

このフライトシミュレーター付客室は「スーペリアコックピットルーム」と呼ばれ、4階の4227号室に用意されました。部屋の広さは31平米あり、元々はトリプルで使っていた部屋なんだそうです。同客室に設置されたフライトシミュレーターはボーイング737-800型機を模したもので、パイロットの訓練で実際に使われるものと同等のものです。

↑フライトシミュレーターは、訓練生が実際に使うボーイング737-800を模したもの

 

この部屋を利用するプランは2つ用意されました。一つは操縦体験ができる「フライトシミュレーター体験プラン」で、航空会社の元機長がインストラクターとなり、その指導の下で東京/羽田〜大阪/伊丹間の操縦体験ができます。1日最大2回実施され、料金は1回あたり90分間で3万円(税別)。日中に行われるプランで宿泊はこの中には含まれませんので、宿泊を希望する場合は別途予約する必要があります。

もう一つはこの部屋へ宿泊する「フライトシミュレーター雰囲気体感プラン」です。このプランではシミュレータと部屋の間にアクリル板が貼られるため、シミュレーターに入ることはできませんが、シミュレーターの映像を通して羽田空港を離着陸するときの景色を昼夜を通して見ることができます。つまり、宿泊をしながらコックピットにいるかのような気分を楽しむ、いわば“雰囲気”を味わうプランと言えるでしょう。部屋はツインで、宿泊料は通常より約5000円ほど高い2万5300円から(税、サービス料込み、東京都宿泊税別)。Web予約限定となっています。

↑振り返れば一般的なツインルーム。ベッドで横になりながらシミュレータを眺められます

 

客室に入ると、そこは今までのホテルにはない特別な空間が広がっていました。シミュレーターはPCで遊ぶゲームとは異なり、パイロットがトレーニングに使用するホンモノの機材。それだけにその大きさは巨大で、客室では異様な存在感を放っています。試しに右側の副操縦士側に座らせていただきましたが、操縦桿やスイッチなど手に触れるあらゆるものがホンモノを伝えてきます。これを操作しながら90分間にわたって元機長やインストラクターの指導の下、羽田空港~伊丹空港を疑似フライトできるのです。一度でもパイロットに憧れた人ならまさに夢のような空間となるでしょう。

↑前方の“窓”には東京/羽田~大阪/伊丹を疑似フライトした風景が映し出されます

 

同ホテルによれば予約状況は好調のようで、導入初日から9月30日までの予約ベースではすでに22.2パーセント(8/1現在)の投資回収率を達成。貴崎総支配人によれば「販売開始から2週間とは思えない好調ぶり」になるとのことです。

この他、羽田エクセルホテル東急では、羽田空港のC滑走路(空港東側で南北方向に延びる滑走路)に面する「滑走路ビュー」の部屋も用意しています。ここではC滑走路を離着陸する飛行機を間近に見ることができ、「デラックスダブル」なら窓際に用意してあるイスとテーブルを使い、くつろぎながら滑走路を眺めることができるのです。

↑C滑走路に面したツインルームも用意。離発着を眺められ、記念日に利用する人も多いといいます

 

↑「滑走路ビュー」の部屋から見たC滑走路。離発着する様子が昼夜を通し目の前で展開されます

 

また、「プレミアフライヤーズ」という部屋には、実際に使われていたファーストクラスの座席を設置。実際にシートをフルフラットにすることができ、そこに座りながら飛行機を眺めれば飛行機ファンならずとも格別のひと時が味わえます。

↑実際に使われていたファーストクラスの座席を設置した部屋「プレミアフライヤーズ」

 

羽田エクセルホテル東急では、他にも飛行機にまつわる様々な仕掛けを用意していました。ホテルのエントランスには、飛行機が羽田から各就航地へ飛んでいく姿をイメージした空港らしいデジタルサイネージを設置。カフェ&ダイニング「フライヤーズテーブル」には大型スクリーンを用意して飛行機の製造工場の様子やコックピット映像などを常時流して来店者を楽しませてくれます。さらにこの「フライヤーズテーブル」では飛行機をモチーフとしたケーキなどを用意しています。羽田エクセルホテル東急は、空港直結ホテルならではの利便性だけでなく、その特色を最大限に活かすことで航空ファンや訪日外国人を大いに楽しませてくれることでしょう。

↑カフェ&ダイニング「フライヤーズテーブル」には飛行機の製造工場の様子やコックピット映像などを映し出す大型スクリーンを用意

 

↑滑走路を飛び立つ飛行機をイメージしたケーキ※カフェ&ダイニング「フライヤーズテーブル」

 

↑飛行機を模したオリジナルのシュークリームを用意※カフェ&ダイニング「フライヤーズテーブル」

 

↑注文に応えて準備されえる機内食風の弁当※カフェ&ダイニング「フライヤーズテーブル」

 

【フォトギャラリー】※GetNavi web本サイトにてご覧になれます。