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2019/9/25 17:30

2%の差が大きい! クルマは“エコ”なモデルこそ増税前が買い!

クルマの2%増は大きいが税制が変わることで複雑に

価格が高いクルマは、やはり2%の増税による負担が大きい。このため政府は増税に伴う消費の落ち込みを防ぐ&エコカーの普及を進めることを狙いに、クルマに関する税制を10月より変更します。その内容は、自動車取得税の廃止。消費税と合わせて“税の二重取り”と批判されてきましたが、これが廃止になります。新たに創設されるのが、「環境性能割」。要は「環境性能が凡庸なクルマに対しては購入時に最大3%の税金をかけますよ。環境性能がとても良いクルマに関しては税金はかけません」というものです。

 

また、10月以降に登録した新車に関しては、毎年の自動車税が割引になるという“アメ”も用意されています。現行車は環境性能割の恩恵を受けられるモデルが多いが、やはり2%の差はクルマでは大きい。試算してみると、環境性能の高いクルマほど増税前に購入すべし、という結果になりました。環境性能+安全性能の高いモデルを狙うなら、増税前のあと1か月余りで、納車に持ち込みましょう!

 

【わかりにくいクルマの税】 こう変わるを解説

その1 「自動車取得税」が廃止され、「環境性能割」が新たに導入

新車を購入する場合、車両本体価格の90%の額の3%相当が「自動車取得税」としてかかっていましたが、これが廃止になります。その代わり「環境性能割」が登場。2020年度燃費基準を大幅に超えて達成するクルマに対しては非課税とし、未達成に加え、少々超えて達成(+10%)というクルマに対して課税をするというもの。来年9月30日までに登録を完了したクルマに関しては、優遇措置として課税額が1%減となります。

 

その2 「自動車税」が排気量に応じて、ずーっと割引!

10月以降に新車登録をしたクルマに関しては、自動車税が“ずーっと”割引になります。自動車税が割引になるのは、税創設以来初めてのことといいます。その額は登録車の約9割を占める2000cc以下のクルマほど大きく、1000cc以下のクルマでは、年間4500円の割引、1500cc以下のクルマでは年間4000円の割引となります。

 

増税前と増税後を、マツダCX-8でシミュレート!

マツダCX-8を5年間乗ったとすると……

●増税前は2019年9月に登録・納車、増税後は2019年10月以降に登録・納車した場合での納税額の比較。自動車税は9月登録の場合6か月分、10月登録の場合5か月分の支払いとなります。また、自動車税(2年目)は、「自動車税のグリーン化特例」が適用され、CX-8(クリーンディーゼルモデル)の場合、おおむね75%軽減の金額で算出しました。試算は7月時点、国土交通省と経済産業省から発表されているデータを基に編集部で行ったものであり、実際に施行された場合計算値と異なる場合があります。

 

【クルマ】押さえておくべき4大トレンド

“環境にやさしい”“交通事故のない”という社会的な要請を盛り込んでいるのが大きなトレンド。特に運転支援技術の普及は顕著です。

 

【トレンド1】パワーユニット

ガソリン、ハイブリッド、クリーンディーゼル、そしてEVとパワーユニットは多彩。ただ燃費性能が良いグレードの方が車両本体価格は高くなります。

 

【トレンド2】運転支援技術

安全運転をアシストする運転支援技術の普及が進んでいます。現在日本で販売されている新車の7割に装着されているほど。選ばない理由はありません。

 

【トレンド3】コネクティッド

要は「インターネットにつながるクルマ」。エージェント(名称は各社異なる)につながり、様々な情報提供や緊急時の自動通報などが可能。

 

【トレンド4】ボディカラー

最近のトレンドは“多色展開”。ツートーンが選択できる仕様も増加しています。ただし、特別色となり有料オプションとなるカラーも多いので、見積もり時には注意して検討したい。

【その1】1.4リットル直噴ターボエンジンと970kgの軽量ボディが生む走りを堪能

 

8%時に買うと3万4000円おトク!

2020年度燃費基準未達成

 

スズキ

スイフトスポーツ

183万6000円〜

2017年9月20日発売 発売から23か月経過

 

スイフトの中でもスポーティ性能を極めるモデル。軽量高剛性の新プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」と直噴ターボエンジン、軽量ボディが生み出す“意のままの走り”が楽しめるモデルです。ぜひ6MTも検討を!

 

SPEC●全長×全幅×全高:3890×1735×1500mm●車両重量:970kg(6MT)●パワーユニット:1371cc直列4気筒DOHCターボチャージャー付●最高出力:140PS●最大トルク:230Nm/2500〜3500rpm

 

↑燃費を向上させた軽量・小型エンジンをベースに、排気ガスを利用して圧縮した空気をシリンダー内に強制的に送り込むターボチャージャーを搭載

 

↑スポーティなメーター類。中央にはパワーやブーストなどを表示するインフォメーションディスプレイを配置しています

 

↑6速AT(写真右)のほか、6速MT(写真左)ももちろんラインナップ。意のままに操りたいのならMTが断然オススメです

 

【買いのワケ】この価格でこの内容は驚異的、数あるなかでもイチオシ

パワフルなターボエンジンと欧州仕込みのフットワークによるエキサイティングな走りをリーズナブルに味わえる稀有な1台。コストパフォーマンス高し。

 

【買い時診断 B+】増税による影響は小さいため待つのもアリ

まったく古さを感じさせないものの、間もなくマイナーチェンジを迎えそうなタイミングなので、様子見でもOK。

 

【その2】ドライバーの望みに応えてくれる新感覚、走行・安全性能にもぬかりなし!

 

 

8%時に買うと9万400円おトク!

2020年度燃費基準未達成

 

BMW

3シリーズ

452万円〜

2019年3月9日発売 発売から5か月経過

 

AI音声会話システムによりナビや空調のコントロールを行うことができる「BMWインテリジェント・パーソナル・アシスタント」を搭載。国内初となる「ハンズ・オフ機能付き 渋滞運転支援機能」も搭載します。

 

SPEC(320i M Sport)●全長×全幅×全高:4715×1825×1430mm●車両重量:1560kg●パワーユニット:1998cc直列4気筒DOHCエンジン●最高出力:184PS●最大トルク:300Nm/1350〜4000rpm

 

↑スマホと接続することで、コントロール・ディスプレイから最新ニュースなどを閲覧できる「BMWオンライン」が利用可能

 

↑メーターパネル右側に配置されたタコメーターは珍しい反時計回転。2個のメーター間にナビなどの情報を表示します

 

【買いのワケ】憧れのBMWの中核セダンが鮮やかにモデルチェンジ

魅力的なセダンの大本命。強力なブランド力はもちろん、見栄えもよく、走りもエキサイティングと、すべてがわかりやすいところが強みと言えます。

 

【買い時診断 B】PHEVの登場も控えており、ひとまず待ってみても良い

特別低金利実施中ですが、これからPHEVの「330e」などバリエーションが増えていくタイミングなので待ちでも良し。

 

【その3】最も売れた3列シートSUV パワーユニットの選択肢も豊富

 

 

8%時に買うと5万3600円おトク!

2020年度燃費基準クリーンディーゼル(XD)

 

マツダ

CX-8

289万4400円〜

2017年12月14日発売 発売から20か月経過

 

2018年に最も売れた3列シートのSUV。大人に似合う優雅な内外装が印象的ですが、シートユーティリティや豊富な収納スペースなど、その使い勝手は優秀。選べるエンジンが多いのもうれしい。

 

SPEC(25S)●全長×全幅×全高:4900×1840×1730mm●車両重量:1710〜1740kg●パワーユニット:2498cc水冷直列4気筒DOHC16バルブ●最高出力:190PS●最大トルク:252Nm/4000rpm

 

↑右からクリーンディーゼル、ガソリン、ガソリン+ターボと3種類のエンジンが揃います。好みに応じて選べるのが魅力です

 

↑インテリアの随所に配置されたメッキ加飾は、削り出しの金属を想起させるもの。優雅かつ力強い印象を与えています

 

【買いのワケ】しっかり“使える”3列シートを持つ万能SUV

3列シート車は欲しいがミニバンには抵抗のある人へオススメの1台。デザインも走りも洗練されていて、現行の国産車で最強の実用車に違いありません。

 

【買い時診断 A】すでに完成度は申し分なく増税前のいまが狙い目

CX-8は早くも一度、大がかりな改良を経ています。今のマツダは頻繁に商品改良しますが、いま決めても後悔しません。

 

【その4】高い走破性と操縦安定性を誇る世界初の4WDシステムを搭載

 

 

8%時に買うと4万8300円おトク!

2020年度燃費基準+50%達成(ハイブリッド)

 

トヨタ

RAV4

260万8200円〜

2019年4月10日発売 発売から4か月経過

 

前後トルク配分に加えて後輪トルクを左右独立で制御する先進のシステム「ダイナミックトルクベクタリングAWD」を搭載。より骨太な印象を受ける「Adventure(写真)」では2トーンのカラーが選択可能。

 

SPEC(HYBRID G)●全長×全幅×全高:4600×1855×1685mm●車両重量:1690kg●パワーユニット:2487cc直列4気筒DOHC16バルブエンジン+モーター●最高出力:178PS●最大トルク:221Nm/3600〜5200rpm

 

↑デッキボードの裏面は樹脂製となっており、反転させれば雪や泥で汚れた荷物も気兼ねなく載せることが可能

 

↑すべてのシートにおいて最適な素材や座面形状を採用。これによって、疲れにくさが徹底して追求されています

 

【買いのワケ】スクエアなボディが生む力強さと豊富なボディカラーが魅力

8角形の造形を組み合わせた「クロスオクタゴン」デザインは、力強いルックスを生み出します。2トーンも含め全12色から選べるボディカラーも魅力的です。

 

【買い時診断 B】人気集中で納車はかなり先になりそうならば「新古車」狙いもあり

人気沸騰中で、納車までに時間がかかっています。9月末までに手に入れたいなら、走行距離が極めて少ない「新古車」を狙うべし。

 

【その5】顔はゴツくても走りはクリーン!

 

 

8%時に買うと7万1600円おトク!

2020年度燃費基準クリーンディーゼル

 

三菱

デリカ D:5

384万2640円〜

2019年2月15日発売 発売から6か月経過

 

ガソリン仕様とは前面スタイルが異なるクリーンディーゼルモデル。高度な操縦安定性を実現する独自のAWCシステムや3つのドライブモードで、悪路も何のその。

 

SPEC(G)●全長×全幅×全高:4800×1795×1875mm●車両重量:1940kg●パワーユニット:2267ccDOHC16バルブ4気筒ディーゼルエンジン+ターボチャージャー●最高出力:145PS●最大トルク:380Nm/2000rpm

 

↑力強さとレスポンスを向上させたクリーンディーゼル。最大トルク380Nmという高いトルクを生み出します

 

【買いのワケ】話題のフロントフェイスはミニバン界で異彩を放つ

イカツイ顔と高級感あるインテリアを手に入れたことでも話題。3列目まで広く快適な乗り心地や優れた悪路走破性もD:5ならではです。

 

【買い時診断 A+】すべてが大幅改良されたいまがまさに買い時

今年2月に新型になり、走行性能も大幅に強化されました。クリーンディーゼルはエコカー減税もあり増税前に受けられる恩恵も大きいので、早急にオーダーをかけたほうが良い。

 

【その6】軽量かつ高い剛性のボディが生む走りを楽しむ!

 

※一部モデルはオプション

 

8%時に買うと4万8300円おトク!

2020年度燃費基準未達成

 

アウディ

TT

479万円〜

2019年5月9日発売 発売から3か月経過

 

軽量かつ高剛性なアルミニウムとスチールの複合構造ASF(アウディスペースフレーム)のボディに、ターボ付き2.0ℓ直噴エンジンを搭載。スポーティな走りを楽しめます。

 

SPEC(Coupé 40)●全長×全幅×全高:4190×1830×1380mm●車両重量:1320kg●パワーユニット:1998cc直列4気筒DOHC16バルブ+ターボチャージャー●最高出力:197PS●最大トルク:320Nm/1450~4200rpm

 

↑「バーチャルコックピット」を搭載。革新的な12.3インチのメーターパネル内にナビゲーションの画面も表示できます

 

【買いのワケ】エントリーモデルの高いコスパに注目!

エントリーモデルの価格は479万円とそれほど高くありませんが、197PS/320Nmというハイパワーは、かなりコストパフォーマンスが高い。

 

【買い時診断 A+】TTは現行型で最後!? 新車が欲しい人は急げ!

よりスポーティになり各部の仕様向上を図った最新版が、今夏に日本に上陸したばかり。現行モデルで販売が終了することも発表され、TTを狙うなら今がベストです。

 

【その7】デザインとテクノロジーが融合した定番

 

 

8%時に買うと9万2409円おトク!

2020年度燃費基準未達成(PHEVは非課税)

 

ボルボ

V60

499万円〜

2018年9月25日発売 発売から11か月経過

 

ダイナミックなスタイリングが特徴。合計16種類以上の先進安全性能「IntelliSafe(インテリセーフ)」を標準装備し、ボルボならではの高い安全性能も実現します。

 

SPEC(T5 Momentum)●全長×全幅×全高:4760×1850×1435mm●車両重量:1700kg●パワーユニット:1998cc直列4気筒DOHC16バルブ4気筒エンジン+ターボチャージャー●最高出力:254PS●最大トルク:350Nm/1500〜4800rpm

 

↑独創的なT字型のLEDヘッドライト。北欧神話に登場するトール神が持つハンマーをモチーフとしています

 

【買いのワケ】細かな部分にまで気が配られたインテリア

写真はテキスタイル・コンビネーションモデル。スウェーデンのクラフトマンシップで満たされた上質なインテリアは選ぶ理由のひとつ。

 

【買い時診断 A】500万円を切ったエントリーモデルに要注目

昨年秋にモデルチェンジし、評判も上々。価格帯のメインが600万円級のところに、6月に499万円の「T5モメンタム」が追加されたばかり。それなら手が届きそう。

 

●本文内の「おトク!」価格表記は、エントリーモデルの車両本体価格について、消費税8%時と10%時の税込み価格の差額です。

EVってリーフとテスラ以外に何があるの?

EV(電気自動車)といえば日産リーフとテスラが有名ですが、世界的なEV需要の高まりから、各社から続々と新モデルが登場中。9月にはポルシェからも「タイカン」が発表予定です。

 

メルセデス・ベンツ

EQC

1020万円〜

同社が本格的に展開する初のEV。航続距離はWLTCモードで400km。4種のドライブモードを選択できます。

 

フォルクス・ワーゲン

e-Golf

499万円〜

ゴルフのEVモデル。容量35.8kWhの駆動用バッテリーを搭載し、航続距離はJC08モードで301kmとまずまずのスペック。

 

ジャガー

I-PACE

959万円〜

2019ワールド・カー・オブ・ザ・イヤーに輝いたジャガー初の完全EV。WLTCモードで航続距離は438km。

 

アウディ

e-tron

予想価格840万円〜

95kWhの大容量バッテリーと電動化した新開発の4輪駆動システムを採用。2020年にデビューする予定です。

 

ポルシェ

タイカン

価格未定

9月に正式発表予定。最高出力600PS以上のモーターを2基搭載し、航続距離は500km以上になるというモンスターEV。

 

【CHECK!】このクラスになると2%の差はデカい!

これまで紹介したモデルでも2%の差はそこそこの価格になりますが、高級車、あるいはスーパーカーほどの超スペシャリティモデルになると、その差はかなりの額に。9月いっぱいまでの登録・納車が間に合うかどうか……という疑問符はつきますが、やはり増税前に狙いたい!

 

日産

GT-R

TAX10% 1082万8400円

TAX8% 1063万1520円

その差 19万6880円

 

トヨタ

センチュリー

TAX10% 1996万2963円

TAX8% 1960万円

その差 36万2963円

 

マクラーレン

720S

TAX10% 3400万1203円

TAX8% 3338万3000円

その差 61万8203円

 

●消費税10%の価格は編集部が試算したものであり、実際の販売価格と異なる場合があります。

 

監修/岡本幸一郎