ブリヂストンサイクルから登場した電動アシスト付き自転車「TB1e」。最大130㎞の航続距離、シティライドに便利なパーツや機能を装備して、日常のライドを楽しく快適にしてくれる電動クロスバイクです。まさに自転車通勤に最適なこのTB1eを、Get Navi編集部員が実走テスト。通勤や休日のライドなど日々の生活で使い倒し、その真価に迫りました。
【TB1eとはどんな自転車?】
ブリヂストンサイクル
TB1e(ティービーワンe)
価格 12万9800円(税別)/2020年2月上旬発売予定
シティサイクル(いわゆるママチャリ)とクロスバイクのいいとこ取りをした、ブリヂストン製の電動アシスト付き自転車。ライトやカギ、スタンドなどがデフォルトでセットされた便利さと、パワフルなアシスト力による軽快な走りが特徴です。
●適正身長:151㎝以上 ●シフト段数:外装7段 ●1充電あたりの最長走行距離:130km(エコモード) ●バッテリー:14.3Ah相当 ●充電時間:約4時間10分 ●重量:22.3kg ●カラーバリエーション:全4色(E.Xブラック、T.Xマットグレー、M.Xオーシャンブルー、T.Xネオンライム)
【編集部員プロフィール】
尾島信一。GetNavi web副編集長。なけなしの貯金をはたいて入手した「ロードマン」で走り回った少年時代が原点。30歳を過ぎたころから自転車熱が再燃し、以来ロードバイク歴10数年の自転車好き。ぶっちゃけ自転車に電動アシストはいらないと思っていたが、TB1eのコンセプトを理解するにつれ考えを改める!?
和田史子。GetNavi web編集部員。8段変速とシングルの2台のミニベロを併用。電動アシスト自転車は以前展示会で試乗した程度で、ほぼ未経験。今回はTB1eで六本木通りの上り下りと、第一京浜のストップアンドゴーを体感し、電気のチカラを思い知った様子。
青木宏彰。GetNavi本誌編集部員。入社初ボーナスでスポーツバイクを購入するも、乗りこなせず手放した。現在の通勤手段はもっぱらバスだが、自転車通勤に憧れアリ。自宅~会社の往復10kmほどを数日試乗して、TB1eの“ちょうどいいスペック”と“安心装備”に心打たれた。これなら乗りこなせそう!!
すべてにおいて快適でちょうどいい
――普段から自転車に乗っている尾島さんは、実際に乗ってみた印象はどうでしたか?
尾島:正直なところ、はじめのうちは普段乗っているロードバイクに比べて、スピードの面で少し物足りなさを感じていました。でも数日間にわたって乗ってみると「これがいいんだ!」という気持ちが強くなってきて。
――具体的にはどういうところですか?
尾島:誤解のないように言うと、TB1eは電動アシスト法令基準の24km/hまできっちりアシストしてくれるので、ぜんぜん遅くないんです。ただロードバイク乗りの習性として、どうしても自転車に乗るとガシガシとペダルを回したくなるんですよ。電動アシスト以上のスピードを無意識に求めていた(笑)。そういう乗り方じゃなく、電動アシスト“なり”にペダルを回していくとこの自転車はすごく気持ちがいい。TB1eの開発者の方が「シティサイクルとクロスバイクの中間くらいを目指して作った(詳細はコチラの記事を参照!)」と言っていたのですが、それがすごく分かりますね。頑張って走るんじゃなくて楽に走る。楽に走ってもパワーがあるから軽快なんですよね。
和田:それすごく分かります! 今回、はじめて電動アシスト自転車に乗ったんですが、漕ぎ出しがスムーズでびっくりしました。普段使っているミニベロに比べて段違いにラクでしたね。会社から自宅までのルートだと、六本木ヒルズに向かって急な登坂を上り、そこから赤坂方面に向かって長い下りがあるんです。感じたのは、上りが嘘みたいにラクだということと、あと下りの安定感。いきなり感激しましたね。
青木:確かに“パワフルさ”は楽しさにつながりますよね。私は昔グラベル系のロードバイクで通勤をしていたこともあったんですが、通勤路に坂が多いこともあり、いつの間にか億劫になって手放してしまい……この自転車だったら今も続いていたかもしれない。
――みなさん、TB1eの第一印象はすごく良かったみたいですね。
和田:でもパワーがあって楽な半面、実は電動アシスト自転車に対して不安もあったんです……。乗っている途中でバッテリーがなくならないかと。
――実際走ってみてどうでしたか?
和田:まったく問題なかったですね(笑)。手元にバッテリー残量が〇〇%と表示されるのですが、30㎞くらい走っても5%ほどしか減らなくて。いったいどれだけ走れるんだろう、という。
青木:自分の場合は往復10kmの、そこそこ坂道もある通勤で3日間使ったけど、やっぱり5%しか減らなかった。これってちょっと衝撃じゃないですか?
尾島:それは坂道を下ったり、ブレーキをかけたときに充電してくれる、「走りながら自動充電」機能があるのも大きいですよね。
青木:これなら充電の回数がものすごく少なく済みそうで、毎日いちいち充電しなくても乗れるのはかなりありがたいです。
街に溶け込むシンプルなデザイン
――「自転車通勤」という部分では、どんな印象がありますか?
尾島:自分の場合は、子乗せ自転車とかシティサイクルだと実用的すぎて、どうも気分が乗らない。でもこれは「走り」も意識できるデザインがあって、通勤自転車として使うモチベーションにもなりました。
和田:スポーツバイクは何も付属されていないのがいいところですが、けどあまりにも何も付いていない(笑)。その点TB1eはスポーツバイク的なのにスタンドやライト、カギが全部付いているので、実用的ですごく良かった。
尾島:あと地味に利いてるのがドロヨケ。ガチで通勤に使うとなると、雨の中で乗るシチュエーションが絶対にあるわけで。そういうときドロヨケのないクロスバイクだと泥水が跳ねてお尻が汚れるんです。これがすごく気持ち悪いんだけど、ドロヨケがあれば当然そういうことがない。実際に雨の中で乗って、「やっぱりドヨロケがあるとケツが濡れないんだ~」としみじみしましたよ。
青木:自分としてはシンプルなフレームのデザインが通勤にぴったりだと思いました。特に実際に乗ったT.Xマットグレーは、服装を選ばずに乗れるし、いかにも「自転車に乗ってます!」という感じがしなくていい。
和田:私はT.Xネオンライムが気に入っています。青木さんとは違う感想を持っていて、ビジネス街の色合いって、黒とか紺が多いじゃないですか。そこに鮮やかな色がすごく映えてましたよ!
尾島:自転車は最終的に「デザインと色で買え!」って言葉があるくらいだから、色んな好みに合わせられるカラバリがあるのはうれしいポイントです。自分世代(40代半ば)は完全なロードマン(※)世代で、ブリヂストンには絶大なる信頼があるわけですよ。少年時代のノスタルジーであり、もはや原風景。だからブリヂストンのロゴが目立ってるのもいい!
――色々な世代や好みに対応できる自転車だっていうことですよね。ざまざまな感想が出ましたが、最後にTB1eについておすすめできるポイントをお願いします。
尾島:自転車初心者の人におすすめしたいですね。自転車を趣味にすることの入口に立つことができるかもしれないと思います。楽だしかっこよくて、色んな意味でちょうどいいだけでなく、もっとスポーティな自転車だったらどういう世界があるのだろう、という期待感も抱かせてくれる。自転車そのものが好きになるという。こういうタイプの自転車ははじめて乗りました。
青木:ママチャリは乗りたくない、でも自転車は乗ってみたい、そんな人におすすめですね。ジャケットやスーツでも気兼ねなく乗れるシンプルさがとてもいいと思います。自転車通勤、再開したくなりました(笑)。
和田:バッテリーの減りを気にする人はとってもいいですよ。「走りながら自動充電」機能があるので、電気を貯金しながら走ることができます。充電回数が少なくて済みますし、乗っているととてもかわいいヤツに見えてきます。あとやっぱり、登坂のラクさは最高! これはぜひ体感して欲しいですね。
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