キャンプやリモートワーク、料理のデリバリーなど、コロナ禍の中で注目されているものは数多くありますが、自転車もそのひとつ。「適度な運動によって免疫力が高まる」「移動時の”密”を回避できる」など、いま自転車ブームが訪れています。
GetNavi web編集部にもそのブームは到来し、ウェブ編集長・山田は夫婦ふたりで使える「ちょうどいいクロスバイク」を物色中。また当サイトのフィットネス系企画でおなじみ、タレント・中村優さんも、自転車でエクササイズを楽しみたいと考えていました。そんな話を聞きつけたのが編集部の自転車バカこと副編集長・尾島。あらかじめふたりの要望を聞いて、それぞれにおすすめの自転車を用意しました。
編集長・山田の場合――「通勤」メインだが、休日にも使いたい
ウェブ編集長・山田佑樹
現在は週1〜2回オフィス出勤の際や、週末の移動や買い出しも自転車メイン。いまのところ、娘が使っているミニベロや、シェアサイクルを活用しているが、ミニベロだと推進力がなくて、シェアサイクルはバッテリー残量などを含めて当たり外れが多いため、そろそろきちんとしたモデルを検討中。
編集長・山田が希望する使い方は以下のとおり。
・「密」が気になるので自転車を通勤に使いたい
・休日は気軽にポタリングしたいし、買い物にも使いたい
・長く使いたいから丈夫な自転車がいい
・クロスバイクはほしいが、スピードはそこまで求めない
これらを聞いて副編集長・尾島がセレクトしたのはブリヂストンのクロスバイク「TB1」と、「TB1」をベースに電動アシスト機能を付けた「TB1e」の2台。どちらも通勤や通学、買い物など街乗りで使用することを考えて作られた自転車です。
ブリヂストンサイクル TB1
価格4万6800円(税別)
シティサイクル(いわゆるママチャリ)の実用性とクロスバイクの走行性・デザインのいいとこ取りをした、ブリヂストンの人気モデル。丈夫なアルミ製フレームにパンクに強いタイヤをセットし、サビに強いチェーンを採用するなど、自転車初心者にも最適な一台です。
●乗車可能最低身長:146㎝~(サイズ420mm)、157cm~(サイズ480 mm) ●シフト段数:外装7段 ●重量:15.0kg(サイズ420mm)、15.2kg(サイズ480mm) ●カラーバリエーション:全7色(P.Xスノーホワイト、E.Xスモークブルー、F.Xピュアレッド、M.Xオーシャンブルー、E.Xブラック、T.Xマットグレー、T.Xネオンライム)
ブリヂストンサイクル TB1e
価格12万9800円(税別)
TB1の使い勝手の良さをそのままに電動アシスト付きとしたTB1e。前輪にモーターを搭載したフロントドライブ式を採用、リアの“人力”駆動と併せて前後両輪が駆動することでパワフルな走りを実現しました。TB1同様にカギ、スタンド、フロントライトなどがデフォルトでセットされ、購入後パーツを買い足すことなくそのまま走り出せます。
●適正身長:151cm以上 ●シフト段数:外装7段 ●1充電あたりの走行距離(※):130km(エコモード)、90km(オートモード)、54km(パワーモード) ●バッテリー:14.3Ah相当 ●充電時間:約4時間10分 ●重量:22.3kg ●カラーバリエーション:全4色(E.Xブラック、T.Xマットグレー、M.Xオーシャンブルー、T.Xネオンライム)
※標準パターン/業界統一基準
実際に両方を乗り比べてみた
実車を目の前にしてみると、山田が今までクロスバイクに持っていた印象と、いい意味で違ったようです。
「街で走っているのを見るともっと華奢な感じだと思っていたのですが、意外と頑丈そうですね。あとスタンドやドロヨケが付いているのにデザインがすごくすっきりしていて、使いやすいと思います。スポーツっぽいのも嫌いじゃないんですが、派手過ぎるのは普段使いしにくいかなと思っていたので」(山田)
「頑丈そう」という指摘は、なかなか鋭い! TB1シリーズは、シティバイクの実用性と、クロスバイクの走行性・デザインを併せ持つ自転車。街での「使いやすさ」に特化しているので、山田の要望にぴったりなのです。
「まずは電動アシストのないTB1に乗ってみたのですが、自転車にハマる人が多いのも分かりますね。走りの軽さが違う! ママチャリとは別の乗り物です。そんなにペダルに力を加えていないのにラクに速く走れます」
「フラットハンドルはとても使いやすかったですね。シフト操作にもすぐに慣れたのでまったく問題なし。ブレーキの効きもよくて、速いだけじゃなくてすごく安心感のある乗り物だと思います。安心感というところで言えば、頑丈なカギがついているのもありがたいです。スポーツバイクは通常カギが付属していないから、結局はワイヤー錠などを購入する必要がありますからね」
加えて山田が感銘を受けたのは、TB1のコスパの高さ。
「ちょっといいクロスバイクだと5万円がひとつの目安だけど、TB1はライト、スタンド、カギ、泥除けなど、これだけ装備が充実しているのに5万円を切っているというのはやはりお買い得ですよね」
次に山田が試乗したのは電動アシスト機能が付いた「TB1e」。乗った瞬間に「これはすごい!」と思わず声を漏らしたほど。
「TB1も軽快だと思いましたが、また別の軽快さがありますね。ペダルを踏み込んだ以上にグングン進んでいきます。このパワフルさは、乗る前の想像をはるかに超えて快適ですね」
※バッテリーが満充電の時、低温や高温時には作動しません
TB1eは前輪にアシストのモーターをセットしたフロントドライブ式を採用。チェーンで駆動する後輪と合わせて、前後両輪が駆動するので自動車の四輪駆動のようにパワフルに走ってくれます。
「原付バイクだと駐車場の問題がありますが、自転車ならそこまで駐輪するのは難しくはない。TB1eは、気軽に、そしてラクに都内の移動……となるとベストな交通手段かもしれませんね」
中村優さんの場合――トレーニングにも使える軽快な自転車がほしい!
中村優(なかむら ゆう)
ミスマガジン2005でデビュー。ランニングに魅せられフルマラソンのベストタイムは4時間10分27秒。ラントレーニングばかりではヒザに負担がかかるので自転車の購入を考えているという。
中村優さんが自転車に求める要素は以下のとおり。
・ランばかりだとヒザの故障が気になるので、故障を気にせずエクササイズをしたい
・軽い自転車で軽快に走ってみたい、たまにはロングライドもしてみたい
・あまり派手ではないデザインが好き
・信頼性の高いものが欲しい、日本のブランドなら安心かも
これらを聞いて副編集長・尾島がセレクトしたのは、ブリヂストンのスポーツバイクブランド、アンカーの「RL3 FLAT」と「RL3 DROP」の2台。レースシーンで活躍するフラッグシップモデルの技術を活かしながら、価格を抑えたエントリースポーツバイクです。
ANCHOR RL3 DROP(左)
SORAモデル 価格10万7000円(税別)/CLARISモデル 価格8万4000円(税別)
アンカーのドロップハンドル付きロードバイクの中でもっともお手頃な価格のエントリーモデル。しかしレーシングモデルのテクノロジーを生かして設計され、ブレーキ、クランクなど細部まで有名メーカー、シマノ製のパーツを採用しており、妥協のないスペック。上位モデル同様の快適性を誇りながらも、ロードバイクならではのスポーティな走りを楽しめる。
●適正身長:146㎝以上 ●シフト段数:フロント2段×リア8段 ●メインコンポーネント:シマノ ソラ/クラリス(試乗車はクラリス) ●タイヤサイズ:700×28C ●重量:10.1kg(490mm、クラリス搭載モデル)
ANCHOR RL3 FLAT(右)
価格 7万6000円(税別)
「RL3 DROP」をベースにハンドルをフラットバー仕様に変更し、ラクな乗車姿勢に調整したモデル。ドロップハンドルに抵抗がある人、手軽に”スポーツ”を楽しみたい人におすすめしたい1台。ドロップハンドルへと換装しロードバイクとして使用することもできるため、スポーツ自転車の入門モデルとしては最適です。
●適正身長:146㎝以上 ●シフト段数:フロント2段×リア8段 ●メインコンポーネント:シマノ クラリス ●タイヤサイズ:700×28C ●重量:9.8kg(490mmサイズ)
「すごくスムーズ! 滑るように走っていく!!」
はじめに中村さんがテストしたのは、フラットバーハンドルを装着する「ANCHOR RL3 FLAT」。普段はマウンテンバイクに乗っているものの、その走行性能の違いに驚いた様子。
「あたり前ですが……いつもの自転車と全然違いますね。タイヤが転がって走るというよりも、スーッと滑っていくような感じ。うまく乗れるか不安もあったのですが、まっすぐなハンドルなので特に問題ありませんでした」(中村さん)
「RLシリーズ」はアンカーの自転車の中で長距離走行を快適にこなすことができるラインナップ。スムーズに走れるだけではなく、路面からの振動を逃がしたり長時間乗っていても身体に痛みを感じにくい設計・工夫が施してあります。ひざの負担が大きいランのトレーニング代わりに使用するには最適な1台といえるでしょう。
次にテストしたのはドロップハンドルを装着した「ANCHOR RL3 DROP」。基本的なフレーム設計はフラットバーモデルと同様ですが、大きく違うのはドロップハンドルを装着しているところです。中村さんもドロップハンドルは初めての体験なので少し緊張気味。
ハンドルに体重をかけすぎない、などドロップハンドルならではのコツを教わりつつ、いざ試乗。
「ドロップハンドルの操作に不安がありましたが、意外と問題ありませんでした。フラットバーモデルよりも前傾姿勢が深いですが、ハンドルを握れる場所がたくさんあるので疲労感が軽減できる気がします」
普段の精進により基礎筋力がしっかりしているのか、ドロップハンドルにも抵抗なく馴染みました。上級モデルにはついていないアシストブレーキの存在も、ハードルを低くしているようです。
「アシストブレーキのおかげでハンドル上部に手を置いたままブレーキをかけられるから、思ったよりも態勢的にきつくないですね。それでいてフラットバーモデルよりも体幹を使うことも意識できるし、これならいきなりドロップハンドルでもいいかなと思いました」
アルミフレームの自転車は軽く耐久性に優れる反面、手に伝わる振動によって疲労感が高まることもありますが、RL3シリーズには路面からの振動を吸収するカーボンフォークが標準装備されています。これによってボディブローのようにじんわり体力を奪っていく振動を抑え、長い距離もラクに走ることができるように乗り手をサポートしてくれます。
どれも魅力的すぎて1台を選べない!?
TB1のアシストなしモデルと電動アシストモデルを試乗した編集長・山田と、アンカーRL3のフラットハンドルモデルとドロップハンドルモデルに試乗した中村優さん。「街乗りに最適なモデル」と「本格的スポーツバイク」という違いこそありますが、二人ともすっかり自転車の楽しさを味わい、なんならこのまま乗って帰りたいくらいのハイテンションです。
「丈夫で耐久性があって、ライトもドロヨケもカギもスタンドも、必要な装備がちゃんと付いていて、それでいて走りはすごく軽快。短い距離や平坦なルートをスイスイ走るならTB1、長い距離を走る、あるいは坂道が多いルートを走るならTB1eですかね。5万円を切るTB1の価格も捨てがたいし、やっぱりどちらか簡単には決められないです(笑)」と両方とも買ってしまいそうな山田。
一方の中村さんは「RL3のフラットとドロップ、う~ん私もどちらか選べないですね。どっちも速くて快適なので(笑)。フラットバーモデルからドロップハンドルにステップアップするのもいいし……すごく悩みます。ただ困ったのが、ランニングだけじゃなくて自転車にも興味がわいてしまったところですかね。本当に羽が生えたかのような軽い走りと滑るような滑らかさ。次はもっと長距離を走ってみたくなりました!」
とはいえ「自転車選び」が今回の企画趣旨なので、やっぱりちゃんと選んでもらわないと困ります。というわけで無理やり今日の1台を選んでもらったのが下の写真。さあ、これから幸せな自転車生活のスタートです!
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