乗り物
2021/6/2 18:00

ジワジワ増殖中の「駐車場シェア」。そのメリット・デメリット

オーナーにとって「見知らぬユーザーが、自分の家の駐車場を利用する」違和感は?

――ここで一つ疑問ですが、例えば住宅街だと、オーナーさんの家の敷地内にあることが多そうです。そういった場合、オーナーさんと全く由縁のない人の車で出入りするとなると、オーナーさん側が嫌がることはありませんか?

渡辺:よく聞かれる質問です。まず、我々がオーナーさんと契約し、サービスを提供しているのですが、実際のところ、オーナーさんの方から「このスペースなんとかならないか」とお困りの上で、お問い合わせいただくケースの方が多いんですよ。

 

――そうなんですか。

渡辺:はい。例えば1台しか空きスペースがないのに、不動産店を介して月極として貸し出すのは忍びないし、面倒くさい。結果的にそのまま放置されていて、少しでも有意義に運用したいと考えるオーナーさんからの声が非常に多いんです。

 

なので、もともとご納得いただいた上で契約に至っていますので、ご質問のような「知らない人がオーナーさんの駐車場を利用する」ことに対するご不満は意外と少ないんです。

 

また、『特P』との契約は、オーナーさん側の負担はなく基本的に無料です。利用があった件数分、我々が手数料をいただき、残りをオーナーさんにお支払いするというビジネスモデルですので。オーナーさんにとってみれば、仮に「使われなかった」としても損することはなく、唯一あるとすれば、「契約時の手間」「写真を撮る手間」などです。ですので、皆さん快く契約いただくことが多いです。

↑『特P』が契約している、世田谷区下馬の駐車場シェアスペース。民家の一角だとしても、オーナー側の不満の声やトラブルは少ないとのこと

 

駐車場シェアで起こり得るトラブルと、その対策

――素朴な疑問ですが、各駐車場で事故やトラブルがあった場合はどうなるんでしょうか。例えば、「駐車場の壁に車をぶつけてしまった」「駐車場から出てくれない車がある」など。

渡辺:現状、事故率は極めて少ないですが、仮に「壁にぶつけた」などの事故が起きた場合は、ドライバーの方の任意保険で対応していただけるよう約款上に定めています。

 

ただ、「駐車場から出てくれない車がある」あるいは「予約も何もしていないのに勝手に停めている車がある」といった事例が数少ないものの万一起きてしまった場合は、弊社の方でナンバーを照会して所有者を割り出して相応の対応を講じるようにしています。

 

そうならないために、予約がない際にはコーンを置いて「予約専用のスペースですよ」と表現したり、モラルアップを促すようなことは当然やっています。

 

駐車場シェアは「二酸化炭素削減」にも寄与……どういうこと?

――駐車場シェアは、「空きスペースを有効活用する」というメリットが一番だと思いますが、他にはどんな利点がありますか?

渡辺:これまでのお話の通り、「コインパーキングよりも安く利用できる可能性がある」「駐車場の選択肢が増える」「事前予約・決済のキャッシュレスで利用なので、小銭が必要なくスマートに使える」などもありますが、もう一つ、二酸化炭素を減らすメリットもあります。

 

――駐車場シェアで二酸化炭素削減ですか?

渡辺:はい。通常、駐車場探しをしているとき、「空きがあるか」「もっと安い料金の駐車場がないか」と、グルグル迂回することがありますよね。そういった「駐車場探しの自動車を減らしなさい」ということを、「東京2020オリンピック」の交通渋滞抑制を目的に東京都や国土交通省も言っているのですが、この点も、駐車場シェアサービスによる事前予約で駐車場を選ぶことで抑えられると思っています。

 

――今後駐車場シェアはどれほどの間に浸透していくと思われますか?

渡辺: 業界予測としては2030年までに1100億円規模の市場になると言われています。その大きな理由として、電気自動車の存在があります。各自動車メーカーはもちろん、様々な業種・メーカーが電気自動車の開発を進めていて、やはり2030年にはほとんどの車が電気自動車になると言われています。

 

電気自動車が普及した場合、ガソリン自動車に比べて部品点数も少なく、はるかに安い価格で販売されることが予測されます。ガソリン車よりも、電気自動車が爆発的に売れる時代が来た際に何が起こるかと言うと、圧倒的に駐車場が足りなくなるわけです。

 

弊社では、駐車場シェアの他に、カーシェア事業も行っていますが、こういったモビリティ全体が抱える課題に対して、サービスを提供し続けるのが使命だと思っています。これからも時代を先読みし、多くのニーズに対応することができるようサービスを向上させていきたいと考えています。

 

駐車場シェアの利点は、ユーザー・オーナーにとってだけでなく、二酸化炭素削減など社会全体にもあることがよく分かりました。渡辺さんのお話にあった2030年まで、あと9年。それほど遠くない将来に訪れるモビリティ全体の大変革、今後も注目です。

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