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2022/9/29 20:45

軽トラ×荷台ボックスをセットでレンタルできるダイハツ「Nibako」に期待するもの

ダイハツは同社の軽トラックと荷台に設置可能な荷箱をセットで、移動販売事業者などにレンタルする「Nibako(ニバコ)」のサービスを開始しました。開始当初の対象地域は東京・埼玉・千葉・京都の4都府県で、対象も事業者に限られますが、将来的にはワーケーションなどへの対応も視野に入れているとのことで期待が高まります。

 

手軽に移動販売が始められる

レンタルの料金は車両(軽トラック)込みで、1日プランが1万3200円〜、1か月プランは6万6000円〜(ともに税込)。購入すると250〜500万円程度が必要とされる移動販売車なので、この料金はかなりリーズナブル。新しいライフスタイルの広がりとともに、店舗を持たず移動販売などを行いたいというニーズも増えているようですが、初期費用を抑えて開業できそうです。

↑同社の「ハイゼット トラック」に荷台のボックスがセットされた状態で貸し出される

 

「Nibako」のボックスは左右と後方の3方向が開ける構造となっており、小物類や食器類の物販から、衣料品、生花、野菜、お菓子など、さまざまな業種での利用が可能。ただし、キッチンカーとしての利用はできないので、調理しての営業販売には対応していません。貸し出しは同社の販売会社を通して行われ、販売会社の店舗にて毎回整備した上で貸し出されるという安心感も大きなメリットです。

↑左右のほか、後方の3面が開く構造を採用。ボックスのサイズは長さ1710×高さ1190×幅1300mm

 

↑側面はガルウィングのように開く形状で様々な業種での利用に対応する

 

「Nibako」には専用のWebサイトも用意され、出店に適した場所などの情報提供や、事業者同士がつながるコミュニケーションサービスなどが利用可能です。出店情報もWebサイトに掲載されるので、消費者に通知する機能も備えています。Webサイトは利用料無料で登録できるのもうれしいところ。

↑「Nibako」サービスの利用イメージ

 

↑単なるレンタルサービスではなく、事業者と消費者など人と人のつながりを作り出すのが「Nibako」の狙い

 

ワーケーションや車中泊などへの活用も広がる!?

今年度は事業導入のトライアル期として、150台を用意する予定とのことですが、来年度は1000台、2025年度には3500台の導入を目指します。当初は軽トラックとのセットになりますが、今後は「Nibako」単体での貸し出しや、移動販売タイプにとどまらない多様なタイプを導入予定とか。将来的にはワーケーションに対応したタイプなども導入したいとのことで、期待が高まります。

↑今後のサービスの展開スケジュール。多様なタイプの導入も検討されている

 

個人的に期待したいのは、ワーケーションだけでなく車中泊などにも利用可能になること。軽トラックの荷台に、車中泊できるタイプのボックスを搭載した「軽トラハウス」や「モバイルハウス」と呼ばれる車両は、実は車中泊ユーザーの中でも人気が高く、自作するユーザーもかなりの数存在します。キャンピングカーの中でも軽自動車をベースとする軽キャンパーは人気が高いですが、さらに導入費用が安く、ボックスを降ろせば普通の軽トラックとして車検にも対応できるのが魅力です。

↑筆者が過去に取材した「軽トラハウス」。ユーザーが自作することが多く、費用が抑えられる上、自分好みの仕様にできるのが人気の理由

 

車中泊仕様については、軽トラックの350kgという積載重量の関係から、どこまでの装備を備えることができるかなど検討課題としながらも、ダイハツでも検討はしているとのことで期待が高まります。個人的にはボックスのみのシンプル仕様のほうが、キャンプ用品などを活用して自分仕様にできるのではないかと思います。

 

モビリティを利用して暮らしを豊かにする「コトづくり」を目指してスタートしたという「Nibako」のサービス。今後の展開に期待したいところです。

 

 

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