安定感のある4WD、軽快感のあるFF
さて、いよいよ試乗です。コースは静岡県伊豆の国市にある「サイクルスポーツセンター」で、一周約5キロのコースをショートカットしての試乗となりました。この日はあいにくの雨模様でしたが、それはむしろFFと4WDの違いを感じるのに最適な場を与えられたようにも思いました。そこでまず感じたのは4WDの落ち着いた走りでした。路面がそこそこ濡れているにもかかわらず、ハイスピードでコーナーに入っても挙動は安定しており、楽にコントロールができたのです。これは剛性を高くしたステアリングフィールもポイントになるでしょう。
ではFFはどうか。実はこちらも挙動変化の少ない走りを見せてくれました。それどころか旋回中の軽快さは4WDよりも高く、トランスミッション(CVT)との相性も良好。フル加速した際もダイレクト感があり、多少ラグを感じる4WDとの違いを感じたのです。特に2.0リッターエンジンにモーターアシストを加えたことも走りにプラス効果を与えたのは間違いないでしょう。ステアリングの剛性も4WD同様に高いものがあり、操作して安心感がありました。
こうした体験を通して感じたのは、軽快な運転を楽しみたいならFFの方がオススメで、どっしりとした安定感のある走りを味わいたいなら4WDということです。特に積雪がある地域の方にとっては頼りがいのある4WDモデル一択となりそうですが、日常生活で積雪がない地域の人にとってはFFモデルをむしろ選ぶべき。そう思ったほどFFの仕上がりは良かったように思いました。
最新アイサイトの進化にも注目!
最後にお伝えしておきたいのは、最新の運転支援システム「アイサイト」の搭載です。残念ながら今回の試乗で体験することはできなかったため、あくまでスペック上での話となりますが、その進化は目を見張るものがあります。新設計のステレオカメラに加えて、前側方に対するレーダーも組み合わせ、これにより認識範囲を従来型の約2倍にまで拡大。両側の周辺にいる二輪車や歩行者の識別精度も向上させているのです。
さらに、低速走行時に二輪車や歩行者を認識する広角単眼カメラを国内スバル車で初めて採用したことで、プリクラッシュブレーキの精度向上につながりました。スバルによれば、これはアイサイトとして最高の性能になるということです。こうしたアシストに助けられないのが一番ですが、そうした状況下に万が一陥った時の安心度は大きく違います。
新型クロストレックは走りだけでなく、そんな万が一の安心感をもたらしてくれる一台へと進化したと言えるでしょう。公道で試乗できる日が楽しみです。
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