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2023/1/17 20:45

VW「ID.4」がついに日本市場に登場!初EVでも違和感ない“普通”な乗り味を実感!

フォルクスワーゲン初となる電気自動車(BEV)がついに日本市場へ上陸しました。ドイツ本国では2020年9月にデビューしていましたが、日本導入はなかなか実現せず、「2022年内に間に合うのか?」といった声も聞かれましたが、11月22日、日本での発売が発表。そして、12月中旬、やっと「ID.4 Pro Launch Edition」に試乗する機会に恵まれました。

 

■今回紹介するクルマ

フォルクスワーゲン/ID.4

※試乗グレード:Pro

価格:514万2000円(税込)〜

↑ボディサイズは全長×全幅×全高=4585×1850×1640mm。プラットフォームにはEV専用の「MEB」を使用し、広いスペースユーティリティが大きな特徴となっている

 

ラインナップは「Lite(ライト)」と「Pro(プロ)」の2グレード

日本に導入されるID.4は、「Lite(ライト)」と「Pro(プロ)」の2グレードの展開で、前者は125kW(170PS)のモーターを52kWhのリチウムイオンバッテリーで駆動し、航続距離は435km。後者のプロはその高出力版で150kWh(204PS)のモーターと77kWhのバッテリーの組み合わせ、航続距離は618km(いずれもWLTCモード)と発表されています。今回試乗できたのは後者のプロで、「ID.4 Pro Launch Edition」は日本で展開するその記念モデルとして導入されました。

↑ボンネット内には150kWh(204PS)のモーターを組み込み、77kWのバッテリーで駆動される

 

ID.4はフォルクスワーゲンの電動化専用プラットフォーム「MEB(モジュラー エレクトリック ドライブ マトリックス)」を採用するだけに、車格を見てもゴルフのような存在にも思いがち。しかし、実際は現行ゴルフよりも遙かに大きいボディを持つ「SUV」としてラインナップされたモデルとなります。ボディサイズは全長4585mm×全幅1850mm×全高1640mmで、ホイールベースは2770mm。ゴルフと比べると全長290mm長く、全幅で60mm広く、全高も165mm高い。さらにホイールベースも150mmも長いのです。

↑伝統のVW流のデザインを伝えながら、クローズドされたBEVらしいフロントグリルを採用する

 

「MEB」の採用により、広い室内スペースとカーゴルームをもたらしました。特に2770mmのホイールベースはそのまま室内スペースの拡大につながっています。室内全体が車体のサイズをそのまま反映するかのように広々としていて、運転席まわりも十分なゆとりがあり、後席に至っては足を組んで余裕があるほど。このあたりはまさにフォルクスワーゲンの空間作りの上手さが活かされていると言えるでしょう。

↑リアビューはSUVスタイルそのものを実感させるデザインだ。Proはフロント235/50 R20 8J×20インチ、リア255/45 R20 9J×20インチを履く

 

圧倒的な広さの室内とカーゴルーム。クリーンなインテリアも好印象

SUVらしくカーゴルームの容量も圧倒的な広さを持っています。数値で表すと、前後席を使った時で543L、後席を倒せば最大1575Lにまで拡大できるのです。まさにSUVとして十分な容量を確保したと言っていいと思います。

↑SUVとして使うのに十分な容量を備えたカーゴルーム。中央にはスルー機能も備えられた

 

インテリアは余計な加飾がないクリーンな印象で、それはまさにシンプルイズベストをそのまま表したような造り込みを感じます。ドライバーの正面には5.3インチのメーターディスプレイが配置され、ダッシュボード中央にはインフォテイメントシステムとして使う12インチディスプレイを用意しています。ただ、ライトは後者が10インチとなり、いずれもナビゲーションの設定はなく、コネクテッド機能も搭載されていません。手持ちのスマートフォンをつなぐことが前提となるディスプレイオーディオと思った方が良いでしょう。

↑ダッシュボードとフロントガラスの間にあるLEDストリップにより、光のアニメーションで各種情報を通知するシステム“ID.LIGHT”を新採用

 

↑Proには「シートマッサージ機能」と「パノラマガラスルーフ」が標準装備される

 

↑空間的には足をゆったり組めるほどの広さがあるが、後席使用時はヘッドレストをリフトアップする必要がある

 

ただ、メーターディスプレイはステアリングコラムに直付けされているため、チルト/テレスコピックしても視認性が大きく変わることはありません。ディスプレイ右にはドライブモードの切替スイッチがあります。最初こそステアリング陰にあって、あちこち探してしまいましたが、一度その位置を憶えてしまえば、これ一つで前進/後退、パーキングへの切替ができ、誰もが使いやすさを実感するでしょう。

↑ドライバーの正面には5.3インチのメーターディスプレイ。ステアリングコラムと一体で上下に稼働する

 

↑メーター横に備えられたドライブモードセレクター。手元で操作でき、しっかりしたクリック感が使いやすい

 

エンジン車からの乗り替えでも違和感なく運転できる!

ガソリン車と大きく違うのは、リモコンでドアを開けて運転席に座ると、その時点でシステムが自動的に起動すること。わざわざスイッチを押すこともなく、そのままドライブモードを切り替えれば走り出すことができるのです。降りる時はその逆で、降車してキーをロックすれば自動的にOFFとなります。撮影にはちょっと困りましたが、普段使いとして考えれば極めて効率の良いインターフェースと言えるでしょう。

↑LEDマトリックスヘッドライト「IQ.LIGHT」。フロントカメラで対向車や先行車を検知し、マトリックスモジュールに搭載された片側18個(両サイドで36個)のLEDを個別に点灯・消灯を制御する

 

走り出してまず感じたのは、強烈な加速というよりもフワッと車体を前へ押し出していく感じ。電動車にありがちなトルクを前面に出すような印象はまったくありません。ひたすらスムーズに、速度域が上がっていく感じです。かといってパワーがないわけじゃありません。アクセルを強めに踏み込めば、そこは電動車、あっという間に思い通りの速度域に達してくれます。カタログ値の0→100km加速が8.5秒というのも頷けますね。

↑「ID.4 Pro Launch Edition」を試乗する筆者

 

ハンドリングの追従性も高く、カーブが連続する峠道でもノーズを自在に向けることができるなど、BEVならではの重さを感じることはほとんどありませんでした。峠道を走る愉しさを実感させてくれるクルマと断言して間違いないでしょう。

 

強いて言えば、回生ブレーキの効き方もマイルドで、Bモードに切り替えてもそれほど減速Gは感じないために、下り坂ではフットブレーキに頼らざるを得ませんでした。裏返せば、ガソリン車からの乗り換えでも違和感なく“普通”に乗れる、その素晴らしさを実感させてくれるのがID.4と言えるのかもしれません。

↑2tを超えるBEVの重量を感じさせない回頭性の良さが、峠道を走る愉しさをもたらしている

 

SPEC【Pro】●全長×全幅×全高:4585×1850×1640㎜●車両重量:2140㎏●モーター:交流同期電動機●最高出力:204PS/4621〜8000rpm●最大トルク:310Nm/0〜4621rpm●一充電走行距離WLTCモード:618㎞

 

撮影/松川 忍

 

 

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