【その4】それぞれの独自技術で個性を発揮したサプライヤーが目白押し
続いては自動車部品メーカー(サプライヤー)で見つけた注目の展示を披露したいと思います。
まず世界最大のサプライヤー「ボッシュ」の展示で注目したのは、同社のセンサー技術を活用した新たなモビリティソリューション『RideCare Companion』です。普及が進むライドシェアのドライバー向けに開発されたもので、常に車内の様子を映像で捉え、緊急時には付属するSOSボタンでボッシュのサービスセンターへ緊急通報できるのがポイントです。デバイスを含めて米国で年間120ドル程度のサブスクでの提供を想定しているとのことでした。
フランスのサプライヤー「ヴァレオ」が出展したのは、歩行者への利便性やEV用充電器としても活用できる『スマートポール』です。ポール下部に埋め込まれた超音波センサー(ソナー)で歩行者の位置を把握しながらトップに備えられた円形のLED照明が必要な位置を照らします。さらに、光学カメラやサーマルカメラ、レーザースキャナ「SCALA LiDAR」により、歩行者の位置に応じて信号を切り替えたり、歩行者が道路へ飛び出さないような警告を出すこともできるそうです。
自動車向けシートを開発するトヨタ紡織は、MaaS社会に向けて、将来の自動運転を想定した二つの車室空間を提案しました。一つはMaaSシェアライド空間コンセプトの『MX221』で、自動運転レベル4を想定した都市部シェアモビリティです。多様な移動ニーズへの対応や、利用シーンに合わせた空間レイアウトや内装アイテムの載せ替えを可能としました。もう一つはMaaSサービス空間コンセプト「MOOX」で、自動運転レベル5の時代における、さまざまなサービスニーズに対応する車室空間コンセプトとしました。
【その5】パナソニック、Boseが時代に合わせた音へのこだわりを提案
パナソニックが出展したのは、EV向けに開発した『EVオーディオ』システムです。ドアスピーカーの廃止などスピーカーのサイズと数を減らすことで、最大67%の省エネを実現。スピーカーの設置場所の最適化やサウンドチューニングなどにより、少ないスピーカーでも音響性能を向上させているのがポイントとなります。今までのようにオーディオを楽しみながら、バッテリー消費を少しでも抑えたいEVにとって重要なスペックとなりそうです。
車載オーディオのプレミアムブランド「Bose」が披露したのは、大型SUVのGMC/Yukon Denaliに搭載した『3DX Experience』です。ステレオ音源の3Dアップミックス再生を実現したもので、ハイトスピーカーの活用によって臨場感豊かな3Dサラウンド効果を発揮します。中でもドルビー・アトモスを組み合わせた3D再生では、ハイトスピーカーのあり/なしで切り替えて体験ができ、いずれも高い完成度で満足いくサウンドが楽しめました。
会場内には、他にもワクワクするようなモビリティがありました。
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