ワールド
2025/2/19 11:00

2032年に小惑星が地球に衝突する!? もう軌道は変えられないらしい…

およそ2000平方キロメートルの森を焼き尽くした、1908年の「ツングースカ大爆発」。上空で巨大な火の玉が爆発したものと、いまでも謎に包まれていますが、それに匹敵する被害をもたらすかもしれない危機が、いま地球に迫っているのです。

↑軌道を変えるにはもう手遅れ

 

米国航空宇宙局(NASA)の監視リストの上位にあるのが「2024 YR4」。これは、2024年12月に発見された、建物ほどの大きさの小惑星です。いま銀河系を猛スピードで飛んでおり、将来、地球に衝突するかもしれないと言います。2032年に地球に衝突する確率は43分の1、およそ2.3%と推測されています。

 

YR4に限らず、小惑星と地球が衝突する可能性は決して低いものではありません。冒頭で紹介したツングースカ大爆発では、小惑星のような天体が衝突した可能性が指摘されています。

 

また、2022年には直径約160mの「ディモルフォス」と名付けられた小惑星が、地球に衝突する危機がありました。そこでNASAは、小惑星に探査機を衝突させて小惑星の軌道を変える「DART(ダート)」という実験を実施。見事成功させて、地球を小惑星衝突の危機から救ったのです。

 

しかし、このときのDARTの成功があったからといって、「いつでも小惑星の軌道を自由に変えられるわけではない」と、海外のある科学者は指摘しています。小惑星の多くは砂や岩などの瓦礫の塊であり、DARTの衝突によってそれらの破片が飛び散り、地球に降り注ぐ可能性があるそう。それに、DARTによる軌道変更ミッションの計画と実行には10年以上の月日がかかるため、YR4が地球に到達するまで残された8年間では、時間が足らないというのです。

 

NASAをはじめ、各国の宇宙機関などが、YR4の正確なデータ収集と対策を進めています。

 

【主な参考記事】

New York Post. Scientist warns it might be too late to deflect ‘city killer’ asteroid heading toward Earth. February 12 2025