占いといえば台湾や香港、韓国などが有名です。これらの国や地域では占ってもらうのに数か月待ちは当たり前という話も耳にしますが、マレーシアの占い事情はご存知でしょうか? 実は首都クアラルンプールにも「よく当たる」と言われているカリスマ占い師がいるのです。
それがマスター・チンさんです。彼の占いの精度は? なぜ彼は占い師になったのか? そして、なぜ彼の占いは当たるのか? 様々な謎や疑問を解くため、実際に会いに行ってきました。
クアラルンプールでショッピングするなら「セントラルマーケット」です。このなかは市場のようになっていて、街なかより値段が安いだけでなく、店の数も多いので、見ているだけでも楽しい場所なのですが、ここは買い物だけではありません。名物占い師、そう「マスター・チン」がいることでも知られています。
実はマスター・チンの元へは、セレブや各界の有名人などが国内外から訪れてきています。例えば、ジョン・セカダ(アメリカのグラミー賞受賞シンガー)やヌア・ファズラ・シャリフディンさん(マレーシアの女優)、日本からは過去に女優の水野美紀さんも。その評判から、彼の占いは数か月待ちのときもあります。「過去・現在・未来」を読むと言われているマスター・チンとはどんな人なのか、私もずっと気になっていました。そこで、今回は特別にインタビューをお願いし、取材をさせていただきました。
――占い師になられたのはいつからですか?
マスター・チン(以下、チン):今から33年前かな。今86歳だから50代の時だね。実は占い師になる以前は普通にビジネスマンをしていたんだよ。
――占い師になったきっかけは?
チン:もともとは趣味で易学が好きだった。独学したり占いのコースを受講してみたりしているうちに、この世界に入っていったよ。
――どうしてセントラルマーケットで占い師として開業しようと思ったのでしょうか?
チン:周囲にいる人たちに「連れてこられた」というのが正しいかな。「あんたの占いはよく当たるから、占いを生業にすべきだよ」と言われてね。
――人の運命を変えたり、アドバイスをしたりする占い師についてどう考えていらっしゃいますか?
チン:実は、私の占いというのは生年月日が非常に重要で、生まれた時から運命は決まっているということを軸に人生を考えていく方法なんだ。
――運命はすでに生まれた時から決まっていると言われてしまうと、軽い絶望感があるのですが……
チン:そう。運命は決まっているから変えることはできないけど、物事は見方を変えるとまったく違う結果になることがある。それを読む(reading)のがワシの占いなんだ。だからこそ、世の中でプロフェッショナルと言われている人もワシのところに話を聞きに来るじゃないかなと思っている。
――最も得意な占いは何ですか?
チン:手相かな。手相は易学の基本のもので、その人の手相を見るとわかることも多いね。
――ご自身にとって占いとはなんですか?
チン:ライフワークかな。生まれ変わっても、また占いをやっていたいと思うよ。
マスター・チンは「手相」「指相」「顔相」、それに加えて「タロット」と「生年月日と名前の英語(ローマ字)」のコンビネーションで占いをします。
筆者は過去に占ってもらったことがあります。詳細は控えますが、そのときは当たっている部分と当たっていない部分があるという感想を抱きました。そこで今回は筆者の旦那を連れて行き、運勢を見てもらいました。
驚いたことに、ミスター・チンは旦那の肉親に関する過去の話をいきなり当ててきました。事前情報もまったく伝えていなかったので、かなりビックリしました。しかも、断定したような口調だったので、伝える方としてもかなり自信があったのだと推測します。
さらに「胃腸があまり強くない」といったことを指摘されましたが、確かに旦那はどちらかというとお腹を下しやすいタイプです。
彼の一言があなたの人生を変えるかも
現在や将来については漠然とした内容でした。現在に関しては当たっているとも当たってないともいえない感じで微妙でした。
その後は、特に占ってもらいたいことに「金運」と言ったために、お金の話ばかりになりました。「数ヶ月後に大金が入るかも」と言われた瞬間には、話を聞いている筆者も思わず反応してしまいました。どうなるかは分かりませんが、少し期待してしまうのが本音。結局、占いは20分ほどで終わりました。
セントラルマーケットに来たら、お土産探しやウインドーショッピングついでにマスター・チンに占ってもらってはいかがでしょうか? 人生を変える運命の一言に出会えるかもしれません。易料はRM100(約2763円)で、英語と中国語でお話しできます。